『受験失敗』#1 大学って行く意味ある?
登場人物
僕…主人公。高校2年生、文系を選択。生徒会長を務める。
Chapter1 大学って意見のない人が行く場所
高校2年。
同じクラスの友人たちが国公立大学の受験勉強を始めた。
うちのクラスは別に国公立志望は多くない。むしろ私大志望が多い。
でもその中でも友人2人は数学の勉強をしていた。
それこそチャートなんてやっていた気がする。
その頃、僕は生徒会の仕事で精一杯だった。
来年行われる一大イベントに向けて準備をしないといけない。
正直、勉強なんてテスト勉強で終わりだ。
そんな中、面白い授業があった。
「課題研究」
今自分が問題と思う事柄について調査し、発表するというものだった。
僕は「教育」をテーマとして取り上げることにした。
勉強をし始めた彼らを見て、
なんで大学に行くことにそんなに必死なんだろうと思っていた。
大学に行って何が変わるのか、理解ができなかった。
実際、課題研究で調べた内容をそのまま載せてみる。
大学への進学理由が
「社会に出るのが不安」
「自由」
「周りの人からの影響」
ってこの国終わってんだろ。
だって、大学って学びたいことがあっていくものじゃないの?
こんな気持ちで大学に行くなんてやばすぎ。
そう思った。
そんな気持ちで高い金を払うなんて親泣かせだ。
Chapter2 数学なんていらねぇよ
残念ながらうちのクラスは国公立を目指してほしいらしい。
そのためか、全教科を学ぶ必要がある。
国語…現代文、古典
数学…ⅡB
英語…2科目
理科…地学基礎
社会…日本史A、世界史A
いや、いま数学と理科なんていらないんですけど。
というか入試で必要のないものを学校が学ばせる意味はどこにあるんだと。
てか、なんなら古典も日本史も世界史もいらねぇよ。
そもそもなんで入試のための授業を学校がするんだよ。
高校の授業=入試のための授業なのか。それなら受ける価値はない。
そんな気持ちで授業を受けていた。
ただ不思議なのは、
こんな気持ちでもテストの点数はそんなに悪くなかった。
とりあえず、テストの点数を取るための勉強をして、
生徒会の仕事をして、
それで1年を終わらすのだ。
Chapter3 さあ、科目を選べ
いよいよ3年になる。
ただし、ここで決めることがある。
それは、「受講科目」だ。
3年にもなると志望校は多様化。
全員に同じ科目を受講させることはあまりにも非効率なので、
受験に必要な科目に合わせて好きな科目を受講できるようにしていた。
三者面談。
こう聞かれる。
担任「受験はどの科目で受ける?」
ちなみに、私大文系の科目は
国語、英語に加えて「世界史」「日本史」「政治・経済」「数学」
から1科目選ぶのが一般的だ。
こんなの1択だ。
僕「政経です。」
当たりまえだ。
1年の現代社会で90点台取ってたし、
一番今後の人生に生きるのは政治の話だろう。
歴史なんて学んだところで無駄だろう。
担任「政経ってうちの学校ではないけど大丈夫?」
そう。これが学校として最大のミス。
「政治・経済」という授業がないのだ。
ただし、公民演習という謎の授業があった。
基本的には国公立向け。
どちらかというと自分のコースでしか受講できない「国際理解」という
グローバルな感じの授業の方が意味があると思ってそちらを選び、
政経は完全独学になった。
次回予告
#2 「孤独に生きよう」
政経を選んだのは40人中1人だけ。
なんなら360人で1人だけ。
そんな自分が周りに圧倒されていく姿を見てもらいます。