旧開智小学校2

【国宝】日本最古の小学校〜旧開智学校〜前編

諏訪湖の花火大会が目的だった2014年の長野旅行。
花火大会に行くのはこの時で2回目。

初めての諏訪湖の花火大会は大雨(もはや嵐)で中止となり、会場へ向かっている電車内アナウンスでその知らせを知った。

電車内は夏の雨と人の体温で蒸され、窓は白く曇り、改札から出るにも相当な時間がかかり、ある意味忘れられない1日になった。
この旅は諏訪湖花火大会のリベンジだったのだ。

せっかく行くなら…と、1日目は前回行っていないルートをまわってみようと松本エリアを攻める事にした。
エリアさえ決まれば、あとは「気任せ足任せ」だ。

友人が松本城を見てみたいと言ったのでお城へ向かう事にした。

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しかしこの日、松本城はとてつもない混み具合だった。
入場制限のため、整理券も配布されていた。
お城見学の時間まで、同じ敷地内にある松本市立博物館で展示を見たり、お城のまわりを1周したり、近くのお蕎麦屋さんで天ぷらと盛りそばを食べたりした。

そのお蕎麦屋さんで、松本市街あるきMAPを見ていた(旅先で現地の観光MAPを見ている時間は最高)。そこに載っていた「旧開智学校」と「旧司祭館」の方が気になってしまい正直なところ、友人発信だったが結構楽しみにしていた松本城見学は心ここにあらず状態だった。

あの松本城だ。国宝だ。日本のお城でもトップクラスの人気があるのは知っている。貴重なのもわかっている。
しかし、心はもう、開智&司祭へ面舵一杯。

40分程のお城見学を終え、出口に向かうとそこには登久姫と武将(松本城おもてなし隊の方々)がいた。
ローカル感がとても良い。

大本命の旧開智学は松本城から徒歩10分程度。
向かうまでの道のりでも、良い感じのレトロ建築もあった。

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「歩くとこういう発見があるから良いよな。」なんて思っていたら、雨がぽつぽつ降ってきた。

しかし私のテンションはどんどん上昇していく。
遠目でもしっかりわかる。一際目立つ建物を確認できた。

灰色の空に、真っ白な美しい外観。

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建物中央にある八角塔と、ちょっと派手めなバルコニー…(天使もいる)

THE・擬洋風建築。

国指定重要文化財、旧開智学校。

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建物の隅に見えるコーナーストーンのギザギザ模様は、西洋建築でよく見かける石積みっぽいが、漆喰に灰色の色をつけて壁に塗り重ねて石っぽく仕上げている部分らしく、当時の大工さんの工夫や努力が感じられる。

しばらくありとあらゆる角度から外観を眺めて写真を撮り続けた。

傘はもう肩から落ちていた。
中は確かに学校的作りだが、階段などは邸宅のようなデザイン。
小学校だけど洋館。洋館だけど小学校。(当時の力の入れようがわかる。)

なんとも不思議な感覚だ。
教室では実際に教壇に立つことが出来たり、当時の机に座って生徒ごっこもできる。

夏休みシーズンなのでリアル小学生も多く、教室はとても賑やかだった。

続く

■旧開智学校
■長野県松本市
■国指定重要文化財
■設計→立石清重
■竣工→1876(明治9年)
■木造、桟瓦葺・寄棟2階建土蔵造り


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