見出し画像

"脊柱の柔軟性低下"が生じる原因

マガジンで、私が臨床やトレーナー活動時に重要視していることの1つに

"脊柱にも柔軟性があるの?"                                

と思われる方は以下を先に見てください↓↓👀

https://note.mu/hikarunote/n/n4b095450883d

では、上の記事を踏まえた上で

その脊柱の柔軟性を低下させる因子には
何があるのか🤔?

解説していきます💪


目次
1.脊柱の構造・機能
1.①椎体の数・可動域
1.②生理的な脊柱のアライメント
1.③Joint by Joint theoryにおける脊柱
1.④姿勢制御の戦略 Force ClosureとForm Closure
1.⑤なぜS字カーブなのか
2.柔軟性を低下させる要因
2.① 筋性支持<骨性支持は
2.②自分の可動域使ってますか?
2.③%MV(筋肉量)
2.④生活習慣による可動域制限
2.⑤自律神経系 交感神経>副交感神経
3.まとめ




1.脊柱の構造・機能

まず、脊柱は支持性と可動性がありながら脊髄を保護する役割を併せもった構造体です

1.①椎体の数・可動域

7 個の椎骨からなる頚椎

12個の椎骨からなる胸椎

5 個の椎骨からなる腰椎 

(臨床では6つある人も見られます)

5 個の椎骨が癒合してた仙椎

尾椎から構成されます!

画像1



1.②生理的な脊柱のアライメント

前額面では直線

矢状面では

頚椎前弯・胸椎後弯・腰椎前弯となっています

画像2

それぞれの弯曲の頂点は
第4頚椎、第7~8胸椎、第3腰椎で、この弯曲機能こそが,重力場で人類が二足歩行へと進化した構造です(※あとで重要になります💪)


1.③Joint by Joint theory

ストレングス&コンディショニングのリーダー的存在であるMichael Boyle氏と理学療法士のGray Cook氏によって生み出された理論です.

動作の際に,関節がそれぞれの役割を持って個別に働き,複数の関節を同時に協調して働かせることが機能的な動作に結びつくとされています.
そのため,各関節に特に重要な役割があり,それが隣接する関節ごとにMobility(可動性)とStability(安定性)が交互にならんでいます.

脊柱では
頭部関節・上位頚椎 Mobility
下位頚椎 Stability
胸椎 Mobility
腰椎 Stabilityと大きく分けられます

画像3


仙骨が関与する仙腸関節(SI joint)は骨化する等
諸説ありますが、個人的には僅かな可動性とレセプター(受容器)としての役割が強いと考えます。(後程…)


1.④姿勢制御の戦略

姿勢を保持するための大きな戦略として
1.Force Closure2.Form Closure
の2つがあります

Force Closureは力での締まり・安定させる戦略で
いわゆる筋力による、筋性支持です
代表的なものにinner muscleの活動によるIAP(腹腔内圧)の調節や、エロンゲーション(抗重力伸展活動)
などがあります.

Form Closureは形での締まり・安定させる戦略で
いわるゆ構造による、骨性支持です
これはCPP(関節締りの肢位)にする事です.(円背など椎体の形状に任せ、支持する場合もあります)
Form Closureには関節包靭帯による支持もあります



1.⑤なぜS字カーブなのか

脊柱のS字カーブの構造は
衝撃や負荷💥を分散するために有利な構造で

数値化すると

カーブ数の2乗+1=衝撃吸収能力(Buffering fanction)となります
綺麗なS字の場合 3×3+1=10 となり

フラット(真っ直ぐな脊柱)と比較して
"10倍の衝撃吸収能力となります"

以前の投稿に詳しく掲載していますが

地球上に重力という不変の力があり,抗することで動く事ができます🏃‍♂️

その重力場でのルールとして,重要なのが

"作用-反作用の法則"

力を発揮するためには,同じ分だけ力を吸収できる必要がある👊💢🧽 というものです

例えば、物を持ち上げている場面


画像4


力釣り合い 吸収することができない場合は怪我をするのは容易に想像ができると思います

画像5

柔軟性を担保しながら,抗重力伸展反応を可能にする構造として"脊柱の生理的弯曲"ができ,二足歩行が可能になりました🐒→🏃‍♂️

人の生活には"必需品"ということです



2.柔軟性を低下させる要因

私が臨床やトレーナー活動で特に影響が強いと思われる要因をピックアップ       して,解説します✏️

2.① 筋性支持<骨性支持


突然ですが、みなさんは"変形"について
どのように考えていますか?(後天性のものです)

👤ある人の変形の考え方は
"悪いもの""悪いものを良くしないと"→**
"患部のROMや筋力トレーニング"**


確かに患部には,機能障害が生じておりアプローチの必要があります💪 もちろん私も介入します!
ですが…

👀見る視点を少し変えてみましょう!👀


私の考え方は

変形とは身体の"順応"と考えています

デスクワークや重たいものを繰り返し持つ人など…

画像6

画像7

考え方としては🙋‍♂️
"力学的ストレスが繰り返し加わる"→
"ストレスが伝わる範囲を構造で増やそうとする"→
"骨棘やフラット化して接触面積を増やす"=変形

の順序です🧐

変形が生じるとROMの制限や可動性・柔軟性が低下することは容易に想像できると思います

もちろん骨などの構造だけでなく
筋などの軟部組織もインバランスが生じます😭

画像8


そのため、脊柱を中心に考えても
力学的ストレスを増加させる原因として

"筋性支持の低下" "骨性支持の増加"

が一つのキーポイント🔑となります💪



2.②自分の可動域使ってますか?

人の身体は賢いもので,
使ってない事は忘れてしまいます。
自転車の乗り方などの記憶は別になりますが🚵‍♂️
ROMや柔軟性は不動などの影響をもろに受けます😱


https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/8/41_KJ00009647371/_pdf

固定させると
1週間で優位に骨格筋の伸長性が低下し,
出力も落ちます
4週間ではコラーゲン繊維にも変性が起こり
器質的(構造的)な変化も生じます 拘縮など!

痛み刺激等は防御性収縮による制限を生じさせるので
指導では毎日無理のない範囲で曲げ伸ばしするようにねぇ〜👵👴と伝えています🙇‍♂️

膝の患者様の場合
お風呂でどのくらい楽に曲がるかみといてね!
など🧐

順応と同じことですが

狭い可動域で順応しないように🙏



2.③%MV(筋肉量)


冒頭からお話している通り,地球上で生活している上で共通してかかる力 "重力"

私たちの生活は常に重力との戦いになります😤
いかにして重力に抗せるか…🧐

その指標となるのが

%MV 筋肉量です💪

詳細には以前の投稿を確認ください🙇‍♂️

https://note.mu/hikarunote/n/n42d608661455

簡単に説明すると
体重の内の筋肉の割合がどのくらいかで
安全に実施できる活動レベルがかわります👌

筋肉の割合が多い人だと日常生活レベルではかなり余裕があります🏋️‍♂️🏃‍♂️
筋肉の割合が少ない人では,日常生活を過ごしているだけでも負担となります😓

常に全力を出している状態😓😓
常に100m走を走っていることを想像してください😱
硬くなりそうなのは想像つきますよね?笑

画像9


実施する活動に必要量の筋量が
柔軟性を担保する1つ要因です

 

2.④生活習慣による可動域制限


2.①と②に共通する部分が多いですが
生活習慣によって可動性・柔軟性に制限が生じます

まず一つ目に"習慣的な姿勢"

画像10

同じ姿勢の時間が長いことや

画像11

日々,負担のかかる動作など

同じ姿勢・同じ動きは
特定の方向しか使わない→
"特定の方向にしか動けない"に変化していきます

このエラーによって
Gray Cook氏が考案した概念である
MSI(運動機能障害症候群)が生じていき,
過小運動性・過剰運動性に繋がります


家の決まった場所で決まった姿勢でテレビなど見ていませんか?👀
習慣から紐解いていくのは
セラピストの仕事の一つです!

画像12




2.⑤自律神経系 交感神経>副交感神経


身体の恒常性を維持するため
常に働いている"自律神経"🏋️‍♂️も脊柱の柔軟性に密接に関わります


まずは
自律神経について簡単に説明します

内臓,血管などの働きをコントロールし,身体の内部の環境を整え恒常性を保つための神経です.
内臓や全身の血管・分泌腺を神経支配しています.
知覚・運動神経など体性神経と違い,意思とは関係なく自動的に機能しています.
もちろん内臓や血管を私たちの意思で動かす事は出来ません.
ですが意識しなくても酸素を取り込んだり!😮
食べたものを消化するため消化器を動かしたり🌀
体温を維持するため,震えたり🥶汗をかいたり💦
自律神経が働いてくれます💪

自律神経は2種類に分かれます🌱
交感神経(覚醒時,血管収縮,心拍数増加など)
副交感神経(リラックス時,血管拡張,消化活性)
2つは,お互いに相反する働きをしています🌝🌞

脳や脊髄に自律神経の中枢があり,
近くの末梢神経に自律神経線維で接続します🚗💨


結論から話すと
脊柱の柔軟性低下を起こす自律神経要因は

"交感神経機能障害"

交感神経が過剰に優位な状態になることです🥵


"交感神経節"(中枢から抹消への神経の切り替わり)
の髄節レベルは第1胸髄〜第3腰髄に存在します
※Th9までなど諸説あり

画像13


交感神経が過剰に優位な状態が続くと
交感神経節(第1胸髄〜第3腰髄)に
神経支配を受ける筋
(主に胸郭や脊柱に起始・停止をもつ)の筋緊張が亢進
💪😤💢

画像14



画像15


生じるサイクルをまとめると

交感神経活動亢進

(Th1〜L3神経支配筋筋緊張亢進)

肋間神経支配筋:胸郭可動性低下

脊髄神経後枝支配筋:脊柱の可動性低下

体幹に存在するほとんどの筋機能に異常

筋性支持<骨性支持


結果として脊柱の柔軟性が低下します😨


交感神経活動が亢進・過剰となる原因としては

2.③で説明したとおり

・筋量が少ないこと

・心的ストレス

・内臓体性反射

が主に影響します
これらを踏まえて,バックグランドを紐解き✏️
クライアントさんや選手を見ていく事が重要です👀


まとめ

トレーナーに成り立ての人や選手も         筋力や筋量に目が行きがちですが、まずは、、、

身体を100%使えるようにする🤸‍♂️

事から始めてみませんか?👀

画像16

hikaru yamaguchi
理学療法士
ANIMAL FLOW®︎ インストラクター
PHI pilatesインストラクター
SpainDynamics療法 上級認定資格
サンフレッチェ広島
川辺駿選手 パーソナルトレーニング実施中

トレーニングなどの情報を随時アップしています
↓↓↓↓↓↓↓↓↓是非参考にお願いします

Twitter
https://twitter.com/@minamiby2011

Instagram
https://www.instagram.com/hikaru.therapist









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?