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留学生としてロンドン滞在最初の1ヶ月をサバイブするための HOW TO [2024年版]

2024年9月、ロンドンにある「Royal College of Art」への大学院留学で渡英し、ちょうど1ヶ月が経ちました。

特に留学最初の1ヶ月は乗り越える壁も多くて、感覚としては「サバイブ」という表現も過言ではないほどハードな期間でした…!この間に自分が乗り越えた課題を振り返りながら、「1ヶ月前の何も知らなかった自分にアドバイスをする」という視点でまとめてみます。

周りで海外大学院へ留学を考えている方々も多いので、検討中のみなさんに役立ててもらえたら幸いです◎また、もし参考になったら記事のシェア/アカウントのフォローをしていただけたら嬉しいです。

※ロンドン留学の観点で記載していますが、他ヨーロッパ圏やアメリカなどでも、ある程度汎用的に適応できる項目に絞って記載します。


①経済・情報の基盤を整えよう

◆銀行口座:日本の滞在中にオンライン口座を開設

銀行口座がないとスマホ回線や賃貸物件の契約はおろか、現地での活動すらままなりません。経済基盤は大事なので移住前に日本でオンライン銀行口座を開設しておきましょう。イギリスで使用できるオンラインバンクではRevolt」「WIZE」「MONZOあたりが有名です。

それぞれ試した結果、私は最終的に「WIZE」を使っています。メリットとしては、2024年時点で比較的手数料が低いこと、またUIが直感的で使いやすく操作しやすいこと、送金から口座反映まで比較的待ち時間が短いという点から気に入っています。このあたりは好みもあるので各サービスを比較して検討してみてください。WIZEに関するイントロは下記の記事がわかりやすいです。


◆スマホ回線:到着後は速攻で契約

現地生活でスマホはもちろん必須アイテム。おすすめは日本にいる間に「SIMフリー端末x2台」「プリペイド版のSIMカード」を準備しておくこと。

2台端末を用意するのは、イギリスでの電話番号用/日本での電話番号用それぞれでSIMを入れておけると何かと便利だからです。特に初期1ヶ月は日本の電話番号からSMSを受け取る機会も少なくないので。

プリペイドSIMの購入は、一般的な使用範囲なら15〜20GB/1ヶ月で十分。というのも、ホテルや飲食店などで頻繁にWiFiを使用できるためです。海外SIMの中でもイギリス対応ものを間違いなく購入しましょう。

次に現地到着後の回線選び。 「Vodafone」「O2」「EE」「Three」など数々ありますが正直どれでも良いです。というのもロンドン市内自体そんな回線速度や通信状況に期待できないので(特に地下鉄は圏外)。個人的には必要なデータ容量と価格を照らし合わせて、Threeの25GBプランを使っています(2024年9月現在)

回線契約はオンラインでも可能ですが、慣れない英語ウェブサイトや契約書に四苦八苦したので店舗に脚を運んでスタッフに対応してもらうのがスムー
ズでした。


※TIPS:BRP受取りは忙しくなる前に
移住前にあたって申請した The Biometric Residence Permit (BRP) を申請しているはずです。到着したら早めに指定した郵便局へ受け取りにいくようにしましょう。不安と忙しさで心を折られる日が来る前に…!

②住む家は最優先タスクで探そう

◆内覧:希望条件に合致する物件は約1%、心を折られない

「物件探し」は移民として訪れる上で最初に越えるハードル。最低1ヶ月は現地での物件探しに時間が必要だど覚悟しましょう。

ホームステイや学生寮を除いて、一般的にはフラットシェアでの賃貸契約が一般的ですが、物件探しで覚悟するのは下記のポイント(実際に私が出した内覧希望は150件以上でしたが、最終的に希望条件にマッチしてエージェントへの契約依頼まで至ったのは確立にして1%程度でした)

・家賃は日本でイメージしてる2倍程度かかるケースも少なくない
・内覧希望してもレスポンスが全然返ってこない(応募母数が多いので)
・返信が途中で途絶えたり、面倒な提案をされることがある
・物件が写真と大きく異なるケースがある
・物件が条件にあっても周辺環境が良くないケースがある

また物件の評価は「設備」「周辺環境」「住人」の3つの観点から考えることをお勧めします。優先したい項目は下記の通りです。

・設備:必要な家具・家電が揃っていて故障がない、経年劣化が少ない
・周辺環境:騒音や公害がなく安全である、最寄りに食料品店がある
・住人:神経質な人、汚れ物を放置する人、近辺に危険人物がいない

物件探しはアプリやサービスを使って探します。一般的にはSpareRoom」「Zoopla」「Rightmove」「OpenRent」「Myroomsをなどが主力のサービスですが、最終的には一番募集件数が多い「SpareRoom 」に絞って探していました。

大切なのは、心を折られないよう時間とメンタルに余裕をもつこと。事前にAirBnBなどに宿泊しながら家を探す場合は、十二分な滞在期間を確保しておくのが吉です。


◆物件契約:収入証明と+約7ヶ月分の家賃を用意

移民としての外国滞在は、基本的に「社会的な信頼度0%」の状態からのスタートです。特にシビアな目線が向けられるのが「与信」「資金証明」ですので、言質を保証できるような内容証明/公的書類を用意しましょう。ざっくりいうと、年収の証明/銀行残高の証明/所属組織の証明があると良いです。当然現地の人は日本語を読んでくれないので、内容を英文で補足できるよう準備することを推奨します。

物件契約にかかるデポジット(契約にあたって支払う敷金的なもの)の金額は、「資金があるか」または「現地に保証人がいるか」のステータスで変動します。保証人がいる場合は1-2ヶ月分のデポジットで済むこと大半ですが、保証人がいない場合は、事前に多めの資金を支払うことになります。その金額はざっくり6〜7ヶ月分程度。単身者としては160-240万くらい現地口座に用意することにるケースもあるので注意しましょう。

無事に契約へと進んだらしっかり条件を確認しましょう。大家やエージェントから契約書や覚書など相当な文章量ですが、AIが発達した2024年、コンプライアンスに支障がない範囲でChatGPTなどで翻訳して効率よく要点に絞って理解することをオススメします。


TIPS:家具選びはamazonとIKEAを駆使して最低限のものだけ揃える
今後の生活コストを考えて初期投資は抑えたいところ。初めは勉強・仕事に必要なものに絞って購入しましょう。ベッド/キッチン付きのフラット生活で最初の数日で購入したものは参考までにこちら。

・寝具:枕、枕カバー、シーツ、羽毛布団、布団カバー
・調理器具:包丁、まな板、皿、フライパン
・家具:小さめのデスク、ワーキングチェア
+ その他、日用的な消耗品

悩ましいのは日本からどれだけの物資を持参するかということですが、基本的には現地で大抵揃う前提で問題ありません。調味料なども最低限アジア食品の店で揃います。

③マーケット感覚を養おう

◆物価と買物:適正価格を知って無駄買いを削減

ロンドンの魅力は品揃えから価格まで多様なスーパーがあること。ローカルスーパーを回って見慣れない食材や調味料を見て回るのは楽しみの一つです。ポイントはスーパーの種類や立地、個人またはチェーン点などで同じ品物でも大きく価格がわかること。現地で生活する上で£1の小さな積み重ねは地味に滞在費に響きます。

おすすめは、まず大型のスーパーに行って普段購入する食材や日用品の価格の基本価格を把握しておくこと。まずは最寄りの「Waitrose」「Sainsbury's」で広めのフロアを持つ店舗を探してみましょう。

◆食事:外食を抑えて海外滞在ならではの自炊を楽しむ

生活コストでも最上位に入るのが外食。簡単なランチで£10〜15(2,000〜3,000円)、飲み物を頼めば追加で£3〜6(600〜1,200円)、もちろんディナーや良いお店を訪れたらそれ以上…!「旅行」ではなく「滞在」する以上はスマートに美味しいご飯を楽しみたいもの。そこで自炊です!

ロンドンは土地柄でヨーロッパ・中東・アフリカまでの距離が近く、移民文化の良い面として多様な食材店舗が無数にあります。壁一面に並んだスパイスや、初めて見る食材・調味料は眺めているだけで心ときめくもの!

もちろんアジア食材のお店も!私的には振興エリアに複数店舗を構えるTian Tian Marlketが店舗の規模感が大きく、価格も抑えめ & 食材も豊富でオススメです。日本・中国・韓国・タイ・ベトナム etc. … 「現地視点でアジア圏の食材は一括りにされがちという気づき」「慣れ親しんだ食材を見つけてテンションが上がる気持ち」をぜひ味わってください。


※TIPS:シェアサイクルを活用して街中を移動する
ロンドンの交通費は、通常地下鉄の片道£2.80(約550円)/バスは片道£1.75(約350円)です。初期の一ヶ月は移動頻度も高く交通費が意外と嵩むもの。そこでおすすめしたいのが「Santander Cycle」という自転車のシェアサービス。30分以内の乗り捨て使用で£1.65(約320円)、1日自由に使って£3(約600円)と使い方によってはお得。

街中の至る所で自転車をピックアップできて移動の自由度が上がる点、交通費を抑えられる点、脚を使って街を回って土地勘を養える点でメリットがあります。もちろん交通ルールと安全に注意して。

※ちなみに、私は日本から自転車を持参しました。ちょっと重いけど分解すれば飛行機の預け入れ荷物で運べます。

④恐れず知人と連絡をとろう

◆家族・会社の同僚:メンタルヘルスのライフライン

見知らぬ土地で暮らす上で、誰にとってもストレスやカルチャーショックはつきもの。しかしながら段階的に改善・回復される症状なのでシリアスに受け止めすぎず、淡々と適切な対応がおすすめです。

自身の体験で大切なのは「身近に相談できる人をもつ」ということ。可能であれば家族・友人・仕事場の同僚とオンライン越しに会話をできる機会を作りましょう。

LINEやZoomを使って定期的に馴染んだ顔を見るだけでも心がほっとします。弊社スタッフとのなにげない会話や、クライアントとの打ち合わせ中の雑談がどれだけ私の支えになったことか…!本当に感謝です。)

◆現地の知人:背中から学ぶ正統的周辺参加

色々な意見がありますが、私は留学先の先輩や同期には積極的に連絡とることを推奨します。自分だけでは解決できない問題やこれから身に降りかかる課題を共有して一緒に解決をする可能性があるので。

個人的なエピソードですが、特にロンドンにきた当初は友人でありRCA Service Design に先輩として在籍していた田房夏波さんにお世話になりました

学校での手続き/住宅の内覧/ロンドンでの暮らし方まで、親を慕う子カモのように学ばせもらい「これまで学習理論で学んだ正統的周辺参加とはこういうことか…!」と感激しつた覚えがあります。ありがたく轍を踏み締める日々。

同時に彼女の頼もしい背中を見ながら、受けた恩のお返しに私自身もこれから留学する人のサポートをしていきたいなと考えさせられました。

⑤日本との暮らしの違いを楽しもう

◆留学とはつまり、「異世界転生」??

留学生…さらに言えば移民として、訪れた現地で暮らすということは楽しさや学びを得られる一方で、「土地勘がなかったり」「知り合いがいない」「これまでの常識が通じない」など不便や不満を感じる場面も正直少なくないもの。というか毎日悩まされる毎日です。

…けど、ポジティブに発想を変えて「異世界に転生した立場」としてRPG的に楽しんでみるのはどうでしょう?

もちろんローカルでのルールはありますが、これまでに日本で得たスキルは少なからず通じますし、語学はレベルアップ要素/ソーシャライジングは仲間を増やすイベント…と考えてみると多少気が楽になります。

異世界転生した主人公が、物語の序盤は地味な経験値獲得の積み重ねや、周囲をサポートするスキル、長期的に効果を発揮する能力を得ていくという点も、現代版の英雄の旅(ヒーローズ・ジャーニー)としてメタ的に参考にできるのではないでしょうか。

さて、まだ話したいことは山ほどありますが、最後に「留学生としてロンドン滞在最初の1ヶ月をサバイブための HOW TO」をポイントをまとめます。

①経済・情報の基盤を整えよう
②住む家は最優先タスクで探そう
③マーケット感覚を養おう
④恐れず知人と連絡をとろう

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素敵な海外生活を!

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