何もない幸せ
「ねぇ。何もない。って幸せだね。」
洗濯物を干し終えた君は、ベランダで空を見上げながら深呼吸をする。
「ん?」
「あー、暇だ。」
何もすることがなく、床でゴロゴロしながら俺はつぶやいた。
「なんか、楽しいことないかなー。」
「暇だったら、お家のこと手伝ってよ!やることはたくさんあるでしょ!」
君はせっせと、掃除だの、洗い物だの、洗濯物だの家事をしていた。
「自分のタイミングでやりたいんだけど、、」
と思いつつ、どうせ自分ではやらないと分かっている俺は重い腰をあげる。
そして、二人の好きな曲を流す。
「お、いいね!」
君も歌いながら、分担して家事をする。
一時間くらい経って、ある程度片づいてきた。
「ねー、もうそろそろ終わるから、一緒にコーヒー飲もうよ!」
「いいね!おっけ〜」
俺はお湯を沸かして、コーヒーカップを二つとり準備する。
「ねぇ。何もない。って幸せだね。」
洗濯物を干し終えた君は、ベランダで空を見上げながら深呼吸をして言う。
「ん?」
「世の中さ、借金で苦しんでいたり、大きな病気になってしまったり、何かトラブルがあったり、大きな悩みがある人もいる。」
「大切な人が事故に遭ってしまったり、何かトラブルに巻き込まれている人もいるかもしれない。」
「そう考えると、何もない。って幸せじゃない?」
「あー、確かに。」
そう言って、俺はコーヒーを一口飲む。
「それにしても、疲れた〜。」
そう言って俺は背伸びをした。
「え?これくらいで何言ってんの?笑」
「いつも私一人で全部やってるんだよ!大変さ分かるでしょ?」
ぐうの音も出ない、俺。
「でも、今日一緒に手伝ってくれてありがとう。」
そう言って、君は俺にハグをする。
そして、すかさず、「次もよろしくお願いしまーす」と釘をさす。