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私が届けたいアフリカは

『アフリカ』と聞くとみなさんはどんなイメージが浮かびますか?

テレビの特集でよく映るようなサバンナや野生動物、エネルギッシュな人々、ジャンプの高い民族、足の速いマラソン選手を思い浮かべる方

募金活動の写真で見られる貧しく、飢餓で苦しみ、悲痛な顔の人々を思い浮かべる方

アフリカ開発会議(TICAD)などのニュースを見て、これから経済成長していく発展的な地域、と見ている方

店舗でお客さまとお話しても、意外とイメージにばらつきがあると感じています。

今回は、変わりつつあるアフリカに対してのイメージと、アフリカで仕事をしている者としての想いを綴ります。

変わりつつある「アフリカ」のイメージ

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最近、嬉しいことにアフリカに関わる日本の方が増えてきています。人数が増えているだけでなく、それぞれが積極的に情報発信している姿をよく目にするようになりました。現地からブログやYouTubeを発信することで、もともとアフリカに興味を持っていなかった方もより身近に感じるようになっています。

今までのかわいそうで援助しなければいけないアフリカ、自然は美しいけれど少し野暮ったいアフリカ、というイメージを払拭すべく、最近はアフリカはかっこよく、おもしろく、ユニークな物で溢れている場所!という見せ方も増えました。

クールジャパンならぬ、クールアフリカの流れですね。

数年前には伊勢丹百貨店がクリスマス限定ギフトバッグにアフリカンプリントを採用したこともあります。銀座の大きな看板でこのバッグを見たときは新しいアフリカのイメージの幕切れのように思えてワクワクしました。

「アフリカ」を発信することに対しての葛藤

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そんな私もアフリカについて発信している一人です。

アフリカのイメージが変わりつつある今、私もそのトレンドに乗って、かっこいいアフリカを演出しよう‥!と考えてもおかしくないのですが・・・

実はわたし個人は、『アフリカ』を語ることに対して複雑な思いを持っています。

まずそもそも、広いアフリカという大陸の中で、私はケニア、ガーナの2つの国しか知りません。更に、その国の中でも特定の地域のことしか知りません。ケニアとガーナでの暮らしは大きく異なりますし、同じケニア内でも地域差を感じます。もちろん、共通点がないわけではないのですが、それがアフリカ全土の共通点かどうか私には測れません。

例えるならば、タイとネパールに少しずつ住み、「アジアっていう大陸はね」と語るのと同じような感覚でしょうか。

だから私はつい「ケニアの私がいる地域では」や「私の経験では」と前置きを入れてしまいます。

とは言え、多くの日本の方にとってはまだまだ遠い存在の「アフリカ」。

私たちのブランドを通じてアフリカに興味を持ってくださる方もいらっしゃいますし、ケニアでモノづくりをしているのは会社としてのアイデンティティーの一つです。ケニアについてあまり話さない、言葉を選んでばかり、では持ち味を消しているだけでなくせっかく一緒に美しいかごを作っている女性たちにも失礼です。

では、アフリカについて発信する者として、私はブランドを通してどんなアフリカを届けたいのか?

エネルギッシュなアフリカ?
確かに、農村部の女性たちはいつも陽気で、私も会うたびに元気をもらっている

個性豊かなアフリカ?
確かに、アフリカでは男性がピンクを着たり、柄に柄を合わせるかっこいい女性もいて、ファッションセンスも生き方もとても自由

クールアフリカのトレンドに刺激され、私も思わず同じ方向に寄せられそう…

届けたいのは、あの時間

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でも実は、答えは最初から決まっています。

私たちの会社名は「アンバーアワー」。英語から直訳すると「琥珀の時間」を意味しますが、この名前は私がガーナで見た夕陽から由来しています。

私が初めてガーナで任地の村に向かったとき、当初は夕方までに着く予定が乗っているバスが途中で故障し、村も何もない場所で乗客全員が数時間放置されるという事件に合いました。嫌な思い出になってもおかしくない話なのですが、何もできずにただ座って代わりのバスが来るのを待っていたら、目の前が茜色に染まり、美しく真っ赤な太陽が砂漠の空を下っていく姿が見えました。

この夕陽が美しくて、圧倒的で、今でもその光景が忘れられません。

そして、ケニアで事業を起こすことになり、現地に行ったときもまた、アパートの階段から空を見上げたら、上等なウィスキーが溶けたような美しい琥珀色の空に息を飲みました。

もちろん、夕陽は万国共通です。日本でも、美しい夕陽が見られます。

ですが、自身の社会人生活を振り返っても、実際に日本で販売を始め、お客様と触れ合うようになってからも感じるのですが、私が一番商品を届けたいお客さまはみなさん、美しい夕陽を堪能するゆとりがありません。ご両親の介護で悩んでいたり、たくさん飲まなければいけないお薬に辟易していたり、子育てに疲れていたり、上司と部下の間に挟まれて困っていたり。

物事がうまくいっていないときでも、ふと空を見上げてちょっとくつろぐ。そんな琥珀色の時間を、アフリカでモノづくりをしているブランドとしてお届けできないかと真剣に考えています。

私が届けたいアフリカは

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私が届けたいアフリカは、少し古いイメージのアフリカかもしれません。

夕陽が美しく見えるのは、遮る高層ビルがなく、広々とした土地があるから。残業で急かされることなく、緩やかな時間がまだ流れている場所だから。細かいことをあまり気にしない、おおらかな人柄の人々と一緒だから。

それらは、クールアフリカの流れとは少し離れたアフリカです。

これはただの個人的な勘ですが、これから更に経済成長を遂げるアフリカは、今「先進国」と言われる国々とはまた違った方向で発展していくのではないかと思っています。高層ビルやリゾートはもっと増えるかもしれないし、道路も全て舗装され、見た目も近代的になるかもしれないけれど。

それでも、夕陽を美しく思うそんな時間は、これからも継承されていく気がしていて、そしてその時間をハンドメイド品を通じてお客さまへ届け続けたいと強く願っています。

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かご専門店ORIKAGO 代表 岡本ひかる
Twitter: @Hikaru_Amber
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ORIKAGOのHP:  https://www.orikago.com
運営会社アンバーアワーのHP:  https://www.amberhour.com

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