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アフリカでなぜ「モノづくり」を選んだか

前回、初めての投稿でアフリカ・ケニアでモノづくりをすることを決めた時の話を書きましたが、一度書き出すと当時のことを色々と思い出すもので…

今回は なぜアフリカでモノづくりすることを選んだのか についてご紹介したいと思います。

先に結論を言ってしまうと 自分が定めたゴールに対して最も適切な手段だったから なのですが、実は起業を決めた当初は私もこのことをよく理解していませんでした。

友人からの素朴な疑問をきっかけに、自分がモノづくりを選ぶ意味を深く考えさせられることになります。

「雇用創出ならコールセンターを立てればいいのに」

2014年の1月。私はまだガーナで青年海外協力隊員としての任期を全うしながら起業に向けて準備もしていました。

ちょうどその頃、アメリカ人の親友夫婦が正月休みを利用して遊びに来てくれていました。象のサファリを満喫したり友人との再会を楽しみながら、起業についても相談しました。

(下は国立公園で子供の象に出会ったとき。かなり近い距離まで来ます) 

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事業を始める前に家族や友人含め、様々な人に相談しましたが、この友人夫婦はスタートアップが当たり前のシリコンバレーのすぐ近くに住んでいたこともあり、私が起業することに驚かず、むしろ鋭い質問をしてきたりアドバイスをくれたりしていて、彼女たちと話すことで私の意見が更に磨かれていきました。

ある夜、いつものように談笑している時に、旦那さんから「それにしても、ひかるも雇用創出したいなら、コールセンターを創ればいいのに。インドとかそれが一大産業になってるよ。フェアトレード系の人ってなぜかモノづくり一択になりがちだよね~」と言われました。

更に、「それに同じモノづくりでも、例えば君の国のユニ〇ロに就職してケニアで工場を建ててもらえるよう説得した方がもっと早く結果が出せるんじゃない?」と。

彼は全く悪気なく言ってきましたし、今の私だったら笑顔ですぐに返せたような他愛もない会話だったのですが、この時の私は「え?」と固まってしまいました。

ケニアの伝統工芸品を活用して、新しい商品を作って・・・と日々考えていた真っ最中だったので、何を問われているのか咄嗟には理解できなかったのです。

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その会話はすぐに終わってしまったのですが、その夜は私の頭の中は、パソコンがずらーっと並んだ工場の絵が広がり、テキパキと海外のお客様の質問に答える人たちがいました。「私がこの事業を始めることって意味があるのかな・・・」と急に弱気になってしまいました。

目指すゴールを思い出せ!私がしたいことは何?

友人たちとは楽しく旅行し、彼女たちを笑顔で見送った後も、私の頭は工場の絵でいっぱいに。

一緒に起業する仲間が2人いたので、すぐに相談しても良かったのですが、何となくこれは自分で考えないといけないことだ、と分かっていたので数日間友人の言葉に思いを馳せました。

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・「工芸品に一目ぼれしたから?」→いいえ、むしろケニアの工芸品を初めて見たときは「素敵だけどなんか惜しい・・・」と失礼ながら思ってしまったくらい
・「伝統を守りたいから?」→いいえ、むしろ伝統品から学んで新しいモノを作れたらと思ってしまっている改革派・・・
・「現地で既にあるモノづくりを続ける方が楽だから?」→いやいや、そもそも楽ではないし、より良い新しいアイデアがあるならそっちを優先するべきで・・・!

モヤモヤしている間にも事業準備は進めなければいけません。

そうこうしている内に、ホームページの作成を担当することとなり、早速会社の紹介ページを企画することに。

一番大事なことを書かねば、と打ち出した「アフリカ農村部の女性たち・・・」でハッとしました。

そうだ、私は農村部の女性たちの仕事を創りたいんだった。

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コールセンターの様に高レベルの英語が求められる職場は、教育を満足に受けられていない層が俄然多い農村部の女性たちには不向き。

大手ブランドの工場を建てられるとしたら都市部の話。舗装されていない道や安定しない交通事情の中、どうやって村から通うの?

更に言うと、彼女たちも基本は農家のおかみさん。農業を任され、家畜の世話をし、子供たちや親の面倒を見なければいけない女性たちは少なくない。そういう女性たちには仕事すること、安定した収入を得ることを諦めてもらうの?

ゴールが明確に見えたら、迷いは消えました。

それぞれが、それぞれにできることを

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私は、農村部の女性たちの仕事を創るために、モノづくり、という手段を選びました。ただ、それだけが正解ではない、とも思っています。

いつか、誰かがケニアで最新技術を駆使したIT事業を立ち上げてくれたらいな、と思っています。フェアな雇用体制でたくさんの人を雇える大手ブランドが私たちの街に工場を建てたら、私も大喜びです。

農村部には手仕事が苦手な女性たちもいます。そうした女性たちが関われるような画期的なアイデアを持った会社が現れたら、とても頼もしい。

私も、伝統的なモノづくりだけに囚われず、新しいことにどんどんチャレンジして輪を広げていきたい。

関わる人それぞれが、掲げたゴールと信じる道を突き進めば、アフリカは更に楽しいところになりそうです。

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かご専門店ORIKAGO 代表 岡本 ひかる

ORIKAGOのホームページはこちら:
https://www.orikago.com

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