性同一性障害 4年間 多目的トイレ シャトルランした話
ども、Hikaruです。
以前 X(旧 : twitter)の スペース(ラジオ的な配信)にて 戸籍上の性別変更審判の申立に至るまで にどのような 人生を送ってきたか等 インタビューを受けたことがあります。
そこで 私と一緒に参加していた、高校時代からの友人に
「君はさ、大学時代は 多目的トイレを利用していて、私と一緒に出かける時は 必ず 多目的トイレの位置を事前に調べていたよね。でも、大学を卒業する頃 パッタリやめてしまったような気がする。」
と言われて、完全に忘れていた私は「そうだっけ?」と素で返答しましたが、寸分置いて 段々と当時のことを思い出しました。
「そんなことも あったわ笑」
現在はケロリとして、笑っていられる私ですが、当時の私を 現在の私が振り返るに、それはとても大変な生活であって、4年も続けていたのかと、その辛抱強さに 我ながら感心しました(自重)。
今の私には無理。
「え?」と思われた方、それは 当然の反応だと思います。
私は女性で生まれて、しかし現在の生活実態は 男性であり、仕事では 男性営業マンをしている性同一性障害の当事者です。
現在(2024年4月29日時点)戸籍上の性別を男性へ変更しようと 裁判所へ申立しています。ちなみに、私は 生殖腺を除去したり胸を切除する等の、いわゆる「性別適合手術」を一切受けていません。手術を受けていない状態で 戸籍上の性別を 女→男 にするために申立しています。
現在 私の戸籍上の性別は 女 です。
しかし私は 現在 女子トイレどころか 多目的トイレすら 殆ど利用しません。男子トイレを利用しています。
現在の私のビジュアルを知らない方は 下記の写真を参照ください。
女子トイレは厳しいにせよ、” 周囲に配慮して“ 多目的トイレを利用しなさい という意見について、私も 真っ当な意見だと思います。
私もそのように考えて 先述の通り大学生活4年間、多目的トイレを利用してきました。
しかし 大学を卒業する頃になると、私が多目的トイレを利用すると 不審に思う方が出てきて、注意を受けることが増えました。
「” なんでもない” のに、利用するんじゃない。」
と私は 何度も言われるようになり、周囲に配慮するつもりで利用して来ましたが ウンザリしてしまって、就職を機に多目的トイレ利用は 辞めてしまいました。利用する方がむしろ迷惑になってしまったから。
もう女には見えないようだし、そもそも 私は誰にも危害を及ぼすつもりがないのですから。
上記の理由で男性トイレを現在利用していますが、今のところ 注意を受けたことはありません。
多目的トイレにも居場所が無いとなると、注意を受けることも無く 誰も気づかないなら 男子トイレを利用するしかありません。
私は排泄をトイレ外でしたくないです。
多目的トイレを必要とする方
「手術無しで戸籍上の性別を男→女へ変更すると 女子トイレに トランス女性が殺到し、性犯罪が起こる」という神話が 実しやかに 流布する 現在ですが、私は 後述の理由から そんなことはないと 述べます。
「身体的性別のトイレに入れ」「多目的トイレに入れ」と言われますが、実際 私程度に 別の性別にみられるようになると 注意を受けるのですから、行き場がありません。
男女二択のトイレしかない施設も 依然として多いです。
このような場合は 男子トイレの利用を許して欲しいです。
大学4年間 多目的トイレ シャトルランした話
今回のnoteの主題として扱うポストです。
学校外での生活でも 同じような状況でしたが、大学や駅などの公共的な機関での出来事を主に取り上げました。
学内で 友人を一人も作らず、講義を受けに来ていただけなので 埋もれる
私は東京の渋谷にある私立大学に通っていました。
とても大きな法学部で、殆どの講義が 40人〜300人を一度に相手にする集団講義であったこと、出欠は全て IDカードで管理され点呼もないことや、私自身はゼミに入らず 学内で一切交友関係を築かなかったことから、「誰だか知らない学生」として埋もれていました。
私の名前は改名する大学2年生まで 完全に女性と分かる名前でしたが、上記の事情から それすら知られないために、男性と変わらない学生生活を送ることができていました。
多目的トイレが空くのを待っていると講義に遅刻する
学内には 多目的トイレが いくつかありましたが、常に大人数が講義を受けることもあり、各講義の合間の休憩時間は 他の誰かが利用していることが大半で、待ち時間が発生します。
謎に多目的トイレは 空くまで時間がかかることが多く、各講義の合間は(記憶では)15分でしたが、これが全然空かず、講義に遅刻することはザラでした。
40人程度の講義であれば、何度か出席すれば顔を覚えられるもので
「何故遅刻するのか。」
と問われて、私の方が 何故なんだろうと思うのですが、真の事情は言い出せず
「すみません。」
と謝ることしかできませんでした。
順番待ちすることは、学内の講義どころか駅等の公共施設でも よくあり、電車を逃すことも度々ありました。
当時 私は多目的トイレを必要とする身であったが、明らかに 必要のない方々に 悩まされた
先のポストでは バニーガールの更衣室として多目的トイレが利用された話が出てきますが、これのみならず、男女2人で利用していたり等 断定はできませんが、おや?と思う長時間利用に悩まされました。
そうして私は 空いている多目的トイレを求めて、シャトルランを毎日のようにしていました。
トイレは 性同一性障害の当事者にとって極めて困難な問題です
多目的トイレの数を増やせばいい、と言うのは簡単ですが 金銭的事情やスペースの事情から なかなかそういう訳にもいきません。
法的には トイレの利用は 戸籍上の性別を基準とするようですが、やむを得ない理由から 必ずしも 戸籍上の性別と異なるトイレを利用することが いけない ということには なりません。
多目的トイレの利用者の大半は 身体等に障害を抱える方や 子連れの方が想定されるところ、トランスジェンダー方も 広義には利用者に含まれると考えますが、性同一性障害の当事者においては 利用することが 適切とは言えず、本人への不利益が大きい場合があります。
トイレの利用は 当事者にとって極めて困難な問題です。
差別にも行きつかない 無知•無理解 が無くなりますように
性被害の可能性は 誰しもあり、同性同士でも発生します。また 性同一性障害の当事者のほとんどは 性犯罪者ではないので、このよう当事者が 身体的性別と異なるトイレに入る場合に 性犯罪が誘発されるという主張は 非常に差別的です。
「性自認を理由にトイレに入ってきたら、変質者と区別がつかない」という意見がありますが、先に述べた通り やむを得ない事情が必要であって、公共的な施設のトイレを利用するのだから、本人のアイデンティティが 全てに優先することはありません。
また 戸籍上の性別を変える目的は 社会生活上の不便•不都合の解消のためであって、不用意に性別を知られず ひっそり生活したいのであるから、あえて目立つようなことをする筈もありません。
性同一性障害の当事者の殆どは 意地でも望んだトイレに入りたいのではなくて、生きづらさ無く生活したいんです。
そもそも性犯罪者は 何であれトイレに侵入してくるのですから、トイレの構造に問題があると言えます。現在はその構造を変える 過渡期と言えることでしょう。
私は 性同一性障害の当事者に対する差別や 無理•無理解が解消することを望み、理解者が増えることを切に願っています。
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