感覚入力を掘り下げる
リハ塾の松井です!
臨床では感覚入力を目的に介入する場合があると思いますが、こんな悩みありませんか?
・感覚入力と言ってもどうしたらいいのかよく分からない
・感覚入力しているつもりだが、それが効果として出ているのか分からない
・そもそも、なんで感覚入力が必要なのか分からない
どれも僕自身が感じていた悩みで、当時はよく分からずなんとなくで感覚入力しているつもりでいました。
そもそも、感覚入力する目的としては、運動を変えるためというのがほとんど。
なので、今回は運動を変えるための感覚入力の考え方を解説します。
まず、動きを左右する感覚には大きく分けて3つあります。
・視覚
・前庭感覚
・体性感覚
これらの感覚情報を基に、筋出力を調整して私たちは動いています。
つまり、これらの感覚情報を適切に処理できる身体環境が整っていなければ、筋出力が過剰になったり、反対に不十分となったり、状況に合った出力を発揮できないということになります。
中でも今回は体性感覚に焦点を当ててお話しします。
体性感覚とは、視覚や聴覚などの特殊感覚を除く、皮膚感覚、深部感覚、内臓感覚のことを指します。
熱い、冷たい、痛いなどの表在感覚、目を閉じていても手足の位置が分かる、階段を降りる時に下を見なくても足を出すことができる深部感覚、空腹感、満腹感、尿意などの内臓感覚。
これらをひっくるめて、体性感覚と言います。
体性感覚が適切に処理できない状態というのはどういった状態を指すのか。
脳の働きもありますが、セラピストが関われることとすると、皮膚や筋・筋膜、腱、関節などに存在する受容器の状態を整えることが挙げられます。
受容器、いわば感覚情報を感知してくれるセンサーの働きが弱いと、感覚情報を適切に処理できません。
例えば、筋肉がガチガチに緊張していたり、関節の可動性が低かったり。
そうなってしまう背景には、インナーマッスルの働きが弱いことがあります。
インナーマッスルが機能しないと、代償的にアウターマッスルが必要以上に緊張し、筋・筋膜や腱の受容器が機能しにくくなります。
結果的に関節の動きも悪くなるので、関節の受容器も機能しにくくなりますね。
そんなインナーマッスルの中でも、大腰筋へのアプローチをご紹介します。
具体的には以下の通りです。
1.背臥位で膝を立てる
2.対象とする側の股関節を屈曲・外転・外旋位とする
3.腹直筋の横から、腰椎を触れるように深部へと指で腹部を押していく
4.大腰筋の走行に沿って、特に硬い部分を探す
5.硬い部分に対して、呼気に合わせて押圧する
6.緩むまで繰り返す
<ポイント>
・繊細な部位のため、痛みに配慮してゆっくりと触れる
・痛みが出やすいため、無理やり力を入れて押さない
大腰筋が緩むんで機能しやすい状態になると、下肢や体幹のアウターマッスルが緩みます。
その結果、筋・筋膜や腱の受容器が機能しやすくなります。
是非、お試しください。
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