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OKCとCKCの関節動態の違いを考えてみた

リハ塾の松井です!

今日はご質問をいただいたので、それに対する回答を記事にしました!

<ご質問内容>
CKCとOKCでの関節動態の違いに関する論文などありましたら教えていただきたいです。

臨床では、CKCあるいはOKCの運動療法を実施することがありますが、それぞれの関節動態の違いを知っておくと、運動療法を指導する時に役立ちそうですよね。

ただ、関節によって違いますし、範囲が広いのでこと細かにお答えはできませんが、可能な範囲で解説します。


まず、CKCとOKCの違いについて理解しておきましょう。

CKCは末端関節の運動が抑止された状態で、1つの関節運動が他の関節運動へ影響を及ぼします。

また、運動軸が複数あることが特徴で、例えば、スクワットでは足関節、膝関節、股関節にそれぞれ運動軸があり、それぞれの関節運動が起こります。

OKCは末端の関節が自由な状態で、運動軸は1つであることが特徴です。

例えば、端座位における膝関節屈伸運動では、運動軸は膝関節のみで関節運動は膝関節だけで起こります。

さて、CKCとOKCの関節動態の違いですが、文献をリサーチしてみましたが、これといった文献はヒットしませんでした。

CKCとOKCの筋活動の違いなどは多く見つかりますが、関節動態に関してはあまり研究されていないようなので、バイオメカニクス的な観点から関節動態を考えてみようと思います。
(あくまで僕のリサーチなので、ご存知の方おられたら教えてほしいです)

CKCとOKCに関する研究は膝関節に関するものが多く、今回も膝関節に焦点を当てて解説していきます。


CKCにおける筋電図解析において、二関節は抑制されるという特徴があり、大腿直筋は抑制されることが分かっています(参考文献①)。

OKCとCKCで筋電図解析を比較すると、CKC、OKCともに内側広筋・外側広筋は筋活動は足部出力の増加に伴い増加するのに対し、大腿直筋はCKCでは著明に低下したとされています(参考文献①)。

このことから仮説を立ててみると、OKCはCKCと比べて長軸方向の動きが優位で内外の動き(回旋)は比較的自由、CKCはOKCと比べて内外の動きが安定しており、内外の動きは自由度が低いと考えます。

少し深ぼると、CKCは内側広筋・外側広筋の活動が有意で大腿直筋の活動が弱いため、内外の安定性が高く、回旋の動きが出にくいと思われます。

反対に、OKCでは大腿直筋の活動が有意で内側広筋・外側広筋の活動が弱いため、内外の安定性が低く、回旋の動きが出やすいと思われます。

膝伸展時には下腿の外旋が起こることは有名ですが、これはOKCの回旋自由度が比較的高い場合に起こり、CKCでは下腿に対する大腿の回旋(内旋)がメインなのではと考えられます。

一応、僕の見解と同じような研究結果を示しているものもありました(参考文献①)。

ざっくりと捉えると、OKCは下腿が中心、CKCは大腿が中心の運動となるということですね。

他の関節の場合も末梢と中枢どちらが運動のメインになるのかで考えると、どんな関節運動となるのかある程度予測できそうです。

質問の回答になったか分かりませんが、参考にして考えていただけると幸いです。


参考文献

1.大橋 俊介 他:OKCとCKCでの膝関節の副運動の変化について-膝関節伸展運動に付随して起こる回旋運動に着目して- 理学療法学34 2007;436-436.


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