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蛍は多分、夜が明ける瞬間。




もしご縁がなくても、
これから映像を創っていくので、
いつか先生方にも観てもらいたいです。

緊張していて、これを言おうあれを言おうと用意してきた言葉たちを2割程度しか言えずに面接も終盤に差し掛かっている状況に、焦りと謎の安堵感に浸っていた。安堵感というのは、想像していた圧迫面接とは裏腹に、今まさに雑談ベースで進んでゆく面接に私はこんなにも怯えていたのかと面白くなってきてしまったのだ。エントリーシートを見ながら、楽しそうだね、と言われた時には流石に笑ってしまった。編集中の作品のことを今後作りたい作品のことを聞かれて少し嬉しかった。あの時自然に出て行った言葉たちはきっと本心だろう。

こんなこと言うつもりなかったのに、口が滑ってしまったかのように気づいたら言葉を出していて、気づいたら面接は終わっていた。終わったんだと実感したのはきっと帰りに食べたアイスクリームの冷たさのせいだった。

そういえば、と試験会場を出てから、あれだけやっておいた方が良いと言われ続けたのに一度も練習せずに挑んだ小論文と作文の試験の時間を思い出した。

作文の試験が始まる前に、みんなが書くものを楽しみにしているよと試験官が言ってたなとふと思い出した。その言葉をなんだか帰るまで忘れたくないと思って、いや緊張を自分でほぐそうとしたのかもしれない。何度も何度も頭の中で唱えていた。

試験が始まってお題を見つめて何を書こうか考えている時にふと、ありきたりで比較的簡単に書けそうなストーリーにするのが無難だなと思った。
でも、どうしても試験官の先生が言った言葉が頭から離れず、少しだけ頑張ることにした。

今この時間が大学が決まる試験中だなんてこと忘れて、自分のことを自分の大切なものを必死に涙を堪えながらただひたすら書いた。もう少し感情を込めていたらきっと周りがざわつくほどになっていたと思う。

自分と大事にしているものが似ている人の名前を借りた。あの日あの時、大切な友達が暮らすお家で受け取った優しさをほんの少し言葉にして、それに加えて本当に信頼している数人だけが知っている自分のことを物語にした。そこをベースに頭の中を必死に言語化して完成させた。

結果発表前夜の緊張というか虚無感は、面接も小論文も作文も自信が無かったからとかそんなものではなく、落ちて第一志望ではない学校に通うことになった中学受験の時の悔しさをもう一度味わうのが嫌だったからだと思う。思い返すと、中学受験が割と珍しい地域であえて受験をしようと決めたのに関わらず、結局落ちてみんなと同じ公立の中学に行くのが怖くて、第二志望の学校に進学することを決めた。あの時の悔しさが嫌だったことを思い出した。





少し前から振り返ると、そんなこと思ったって書いたって自分よりも頑張って自分よりも本当にいろんなことを考えている人は絶対にいるから仕方ないけれど、実際ある程度見えない何かに追い詰められていたとかそうゆう表現をしてもおかしくないほど人間が壊れかける瞬間に触れた春夏秋だった。

あの日々に戻る時が来るのかもしれないと思うと怖くてしょうがないのに、また何か同時に色々やり始めようと、完全に去年のこの時期の状況と同じラインを辿ろうとしている気がしているけれど、どんな感情でどんな状況で何をしようと、多分限界まで行かないと止められない性質をしているのだと思うのでとにかく限界値を上げていかなきゃいけないと思う。


忘れないようにしたい。
本当に大事なこと、そこまで大事ではないことを言葉にして伝えることの難しさを感じて生きていきたい。やり直すこともきっと良い。あとはPCを膝の上から下ろして寝よう。床ではなくソファかベッドで。自分の言葉を発さなくてもいい人が時にいる。適当にしよう。味方もいる。大事にしよう。


軸ぶれすぎて何のnoteだったか忘れた。






ただ、蛍が隣にいることを忘れないように。

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