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スラグティーパーティーへようこそ

私はよく近しい友人から「性格が悪い(笑)」と言われることがあり、同時に広く一般的な評価としては「いい人すぎる」とまで言われることも多く、その共存状態でティーンごろからやってきた人間です。

小学校の通信簿では「器用貧乏」と書かれ「短所は八方美人であること」とも担任に言わしめた私は、大学時代のサークルのキャッチコピーでも「性善説」という半ば思想のアウティングのようなことをされるまでに至りました。
これはひとえに
・私の根がまともな人間であること
・省エネな平和主義であり争いを避けたいこと
・逆張りすぎて批判意見にカウンターを打ちたくなること
・幼少期の教育で見返りを求めない優しさがあったこと
などに起因していると言って良いでしょう。
倫理、道徳、モラル、礼節、そうした意味ではわざわざ取り沙汰されるような欠陥はないと思います(そのように努めています)。

しかし人生のどこからか…ちょっと毒舌というか、その「性格が悪い(笑)」の部分が散見されるようになりました。
自分ならではで思いついた比喩や感想が相手にとってネガティブな印象にならないと信じてストレートに言いたいという特性と、シニカルなユーモアが好きという好みが融合を果たし、自分から見てちょっと面白いことになっているなと思うことを言ってしまうからでしょう。
小学校のころから好きだった本のラインナップからしても自明です。どう考えたって、星新一もさくらももこも土屋賢治が、純真無垢で何でも受け入れる善人ではなかろうよ。
ただもちろん、そうした気づきの結晶である発言については、人間関係において危ない橋を渡る行為なので、とくに親しいひとしかその性質を知らないのは当たり前です。
Aさんが首が長くてまつげも濃くて綺麗だなと思ったときは、「Aさんて首が長くてまつげも濃くて綺麗だね」と褒めればよいのです。「Aさんてキリンみたいだね」と笑顔で言うより安全なのです。

先日、プチショッキングなことがありました。聞いてほしい。
大人数いる都会の屋上BBQで、突然「ビリー(私)がこの場で一番性格が悪い」と会話のなかで向こうの方から名指しされたのです!
その場でいちばんカリスマ的な存在の友達に!
オイ!あんま仲良くない同期とかめちゃいるんだぞ!誤解されるだろ!!

オイ!!!

一般的な「性格の悪さ」って、何でしょうか。
恐らくそれは、意地悪とかいじめとか卑怯な陰謀のことだと思います。
でもね、普段の私を評す愛ある「性格悪い(笑)」はそういうことではない(と思う)のです。
・観察眼が鋭くて、
・表現力があり、
・小さな違和感を共感性の高い言葉に昇華させることのできる力
だと思うのです。
みんな細かすぎるあるあるとか大好きですよね?あんなプロにはもちろん及ばないし、本当に意味で人を傷つけないようにこちとら必死ですが、でもそういうことだと思うんです。

それをさ~~「この人いい人ぶってるけど実は性格悪いんだよ」で空気凍らせてくれるなよ~~みんな引くだろ~~~まず「性格が悪い」の定義をしろ~~~
もちろん仲良い人だし、そこまで場に響かせるつもりなかったと思うし、意図的な攻撃でなかったと断言できる性格の良いひとなので、個人的には気分害してないです。怒ってません。

先日公開され、オモコロファンの間で話題になった、星野源さんのサイトでの匿名ラジオのお2人との鼎談からの抜粋をご覧ください。(※公開後1週間が経過し現在無料公開は終了しています。)

ARuFa:僕と恐山は、メモしておいた最近のイヤなことをお互いに発表して「最悪すぎて最高~……」と言い合うお茶会をよくしています。
星野:楽しそう。でもそういう部分って、動画とかではあまり出してないですよね?
ARuFA:そうですね。何がイヤかって話は誰かに対する凶器にもなりかねないので、眼の濁った友達同士でひっそりと話しています。
恐山:我々のように正確が悪いと言われる人間は、岩の裏のナメクジのようにコソコソ群れてお喋りしているのがいいんです。
星野:うんうん。僕もイヤなことや嫌いなものがいっぱいあるので参加したいですね。
恐山:是非ともナメクジのお茶会にご招待したいですね。

ね???みんなが大好きなインターネットの人気者だって紅白に出てガッキーと暮らしている国民的なアーティストだってそうなんですよ。
ナメクジのお茶会に支えられているからこそ、深く刺さるコンテンツを生み出しているんです!

私は決して、何かを晒して意地悪をしたり、本人を否定するために、浮かれたストーリーズや自己顕示欲のじんわりにじみ出る日英併記の投稿のスクリーンショットを撮っているのではありません。
ものごとの個性に気が付いて、その情報収集に情熱をかけ、経過を追い、固有の輝きを愛でているんです。
俄かの違和感には踊らされないけれど、SNSの投稿っていろいろな理由で突然消えちゃうから、だからスクショしてるんだよ!!
評判の分かれているコンテンツだって「自分は嫌いそうだなあ」と思っても、自分でお金を払って観てみてインタビューを読んだりして初めて「あれはnot for meだった」と発言するんです。本体に対しての姿勢は誠実なんです。

私は知っていてほしい…教室のど真ん中にいた赤レンジャーの皆さんには見えてない景色があって、そういうものを拾い上げて磨いていく先に愛せるものたちがあって、結果的に世界が楽しくなるかもしれないこと…
怒ってないので、私が誤解されているなと感じたら、ぜひスマートに助けてください。よろしくお願いします。


millefeuille memories
いつまでも胸にずきんと刺さっている出来事たちを、幾層にも重なった時間のちからであま~く”時効”に仕立て上げたいという試みです。すぐ乗り越えたやつも、そのうち加わるかもしれません。

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