古き良き日本の家
あまり田舎すぎる場所には逆に見当たらない。
関東圏の閑静な住宅街にポツリポツリと建っているのが、昭和の頃に建てられた洋館付き住宅だ。
洋館付き住宅とは?
さつきとメイの家のような、和風な日本建築に洋風建築がくっついてるような住宅である。
文化住宅も呼ばれる。
詳しくはこちらのリンクを参考に。
私は四国の出身だが、地元で洋館付き住宅を見たことがない。昔の医院や講堂などは洋風なしつらえを感じることもできるが、住宅ではないので別物だ。
冒頭に書いたように関東の閑静な住宅街で時折見かけることがあり、私の住んでいるさいたま市でも見かけることができる。
私はとある1軒の洋館付き住宅の近くを通りながら、
『素敵な家だな、いつまでもあってほしいな』と思っていた。
夏前には強風で倒れた木製の塀を直したりしていたので、まだまだずっとそこにあると思っていた。
1ヶ月ほど前に住宅の門に貼り紙を確認した。
『解体工事計画』
思わず、『え!』と驚きと落胆の声が出た。
壊される前に、取材をさせてもらえないだろうか。
でも、私のような何の肩書きもない一般人が急に中を拝見させて欲しいなんて言っても、と
思考が渦巻いてしまった。
それからプライベートでバタバタしていると、すでに工事が始まってしまったのだ。
自転車の後ろに乗っていた息子に
『すごく素敵なお家だったから、もったいないねぇ』
とぼやいてしまった。
右側に洋風建築があり、真ん中に玄関。
左側に平屋の和風建築が伸びていた。
洋風建築の奥は二階になっており奥行きを感じた。
200坪はある敷地で、これまでどんな営みがあったのか、とても気になった。
やはり昔の日本建築の造りは細やかでこだわりが素晴らしい。
耐震性や諸々問題はあるものの、うまくこの建築様式を後世に残せないものだろうか。
遊郭建築もいい例だ。
どんどん壊されている。闇も抱えた建物だが、私はとても素晴らしい建築だと思う。
今度同じ後悔をしないように、素敵な古き家に出会ったらアクションを取れる自分でありたい。
でもどうして私は古いものに惹かれるのだろう。
家だけではなく、他のジャンルでも古きレトロなものに惹かれる。
少し内省もしたくなった。
政治的な考えも保守よりだが、古き良きものを保ち守りたい気持ちが、なぜか私の体の根底には息づいているようだ。