見出し画像

「名探偵津田」は「1の世界」と「2の世界」の葛藤がおもしろい

『水曜日のダウンタウン』は普段それほど観ないのだけど、「名探偵津田」だけはチェックしている。

周りに乗せられて津田さんが謎解きしていくだけなのに、なんでこんなにおもしろいんだろう……と思っていたら、3話目にして津田さん本人が言っていたけど、「1の世界」と「2の世界」の狭間にいて葛藤しているからなんだ。

「1の世界」とは、「名探偵津田」のストーリーが展開される虚構の世界。
「2の世界」とは、現実の世界。

大体ロケや収録(現実の世界)の途中からドラマの世界(虚構の世界)に入っていくから「1の世界」なのか「2の世界」なのか津田さんがわからなくなってしまう。(だってそもそもの企画のタイトルが「犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説」だし)

「名探偵津田」の1話は初めての企画だったこともあって、津田さんが戸惑う場面の方が多かった気がするけど、2話以降はこの企画が何なのかわかっているから、事件が起きると「名探偵津田」が始まった(「1の世界」にいる)と勘づく。そして解決するまで抜け出せないのがわかっているから、「2の世界」の価値観でそこに入ることを拒否する。それが全然「1の世界」に通用しなくて津田さんが混乱するところに、ついつい笑いが。

あとは、ドラマの展開通りに津田さんが動かないとヒントを出すキャストはずっと同じことを繰り返す。でも津田さんは必死で「2の世界」の価値観で自分の要望を通そうとする。でも全然通らないから、何ターンもそれがしつこく繰り返されたりする。その様も笑えるんだよね。

こうやって「1の世界」と「2の世界」の狭間で津田さんが揺れ動いているから「名探偵津田」はおもしろいんだと私は思った。

そしてなんだかんだ、最後はまんまと「2の世界」にはまって、名探偵らしいセリフでバシッと決めてたりするところもいいんだよね。

と言っておきながら、私が一番好きなセリフは3話の「長袖をください」。


いいなと思ったら応援しよう!