もうひとり、いる孤独
人との距離感をテーマに制作を展開していた矢先、物理的に他人との距離をおく日常がやってきました。
いつでも会えること、いつでも会いに行けることが当たり前でなくなり、私たちはこれまで一人でなかったことを知った気がします。
ある孤独感はこの世界に私以外の誰かがいるからこそ感じる不思議なものです。声は音にならないことがほとんどで、なったとしてもなぜかどこにも届きません。他人の存在を近くに感じ続けるほどに、その孤独が深くなる気がします。すぐそこに他人の気配を感じるのに、なぜか私はここにひとりだと感じる不思議な感覚はおそらくここ何年かで急速に加速したのではないでしょうか。他人の生活や幸福や思考が可視化されることと、他人を理解することは全く違うはずなのに、境界はいつも曖昧です。
しかしこの特殊な一年が距離の次の、人との関係について考えさせてくれました。ずっと前からいたあの孤独について、会うことができないわかりやすいひとりの時間に描きました。
小野寺光 絵画展 「もうひとり、いる孤独」
2021/2/16(Tue)-2/21(Sun)
11:00-19:00(最終日は17:00まで)
アートコンプレックスセンター 2F ACT1