ヒカリズム2023 芸術鑑賞「瑞龍のこだま~いにしえと未来を繋ぐ音」
加賀前田家 二代当主 前田利長は、慶長14年に高岡城を築城し、築城開始からわずか半年で入城しました。
「高岡」の地名は、利長が「詩経」の一節「鳳凰(ほうおう)鳴けり彼(か)の高き岡に」から引用し、この地の繁栄を願って名付けたと伝えられています。
利長は、高岡に城を築いた際に、7人の鋳物師(いもじ)を招いて土地を与え、鋳物づくりを行わせ、城下町としての繁栄を図りました。
その矢先、慶長19年、利長が53歳で病死。幕府の「一国一城令」で高岡城が廃城になると、家臣や町人は高岡を離れ、町は急速に活力を失い、衰退していきました。
三代利常は、利長が高岡に大きな希望をかけていたことを知っていました。利長への恩義も深く、利常自身のみならず、町民に永く、高岡の開祖利長の遺徳を讃えるため、菩提寺として瑞龍寺と、墓所を造営し、 八丁道とよばれる参道で結び、町の繁栄を願う気持ちも込めました。
高岡山 瑞龍寺(こうこうざん ずいりゅうじ)
瑞龍寺の名前は、前田利長の法名に因んでこの名前になったとされています。
瑞龍は、天が善政に感じてくだす、めでたいしるしを言います。
高岡を守り、経済的な繁栄を祈ります。
久乗編鐘をお貸しいただいた(株)山口久乗 山口敏雄会長から「おりん」の特長をお話していただきました。
おりんの響きは人々を静かに包み込んでくれて、何処となく温かく優しく何かに護られているような感覚に包まれます。おりんの響きは、古と今、そして未来を繋いでいます。
瑞龍のこだま~いにしえと未来を繋ぐ音
作詞・作曲 松井千代子
暁の空 消え惑ふ
八雲に光る 一筋の夢
光 ましませ
笑え 笑え 舞い立て
いやさ 分かち合え
嬉し 楽し ともに
響け こだまよ
いのち生きて まじらえ
縁(えにし)とこしえに
睦め 憩え ここに
作詞・作曲 松井千代子
利長が職人を呼び寄せ始めさせた高岡銅器で、音を奏で響かせ、想いを届けました。瑞龍は利長。瑞龍のこだまが響きました。
(キャスト)
ピアノ 松井千代子
歌 納村真紀子
舞踊 岩波佳江子
おりん 新藤悠子