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「むしろ、考える家事」山崎ナオコーラ著
こんな人におススメ
家事が楽しくないと思う人
陽気に明るく家事を取り組みたい人
におススメです。
どうせやるなら楽しまなくっちゃ。
おススメの理由
1. 心に響いたところ3点とその理由
①「洗濯物を干す」は、「日向ぼっこ」と同義だ。
忙しい現代人に日光浴をさせるために、洗濯という家事があるんじゃないかな、そんな気もしてくる。洗濯物、万歳。日向ぼっこの口実を与えてくれてありがとう。口では「洗濯物を干す」と言いながら、頭の中で「日向ぼっこ」という言葉に変換する。
外の風を感じることや朝の空気を吸う目的とともに、洗濯物を干すなんて一石二鳥だな、と思う。洗濯物と日向ぼっこというかけ合わせがなんとも優しく、ほっこりさせてくれる。
② 家族に美味しいものを食べてもらいたいわけだが、生きているのは家族だけではない。自分だって生きている。自分の食欲も大事にしたい。
自分の立場をもっと活かしてもいい。「おいしく食べてやる」という意地汚さを発揮した方が、きっと楽しく生きていける。
家族のために日々料理を作っている方たちは、自分一人の時はどうしているだろう。私は自分一人のために凝った料理を作ろうとは思わないけど、美味しいものを食べに行ったりはする。
普段の料理はどうだろう。
結構自分が食べたいものを作って満足している気がして、楽しく生きていることに気づいた。
③ 家の中でもアクティブに過ごす人がいる。もしかしたら、頭の中は外に繋がっているのかもしれない。もしかしたら、さらに頭の中をどんどん進めば、逆に外に出られるのではないだろうか?自分の中にも、自分の知らない世界があるはずだ。
この意見には激しくうなずける。
世界は外だけにあるわけではない。自分の頭の中や心の中に意識を向けたり、内観したりすることで見えてくることがある。
それだけで何時間も経っていることがあるし、自分と向き合う時間は自分を大切にしている時間でもあると思う。
2. 暮らしに役立ったところ
家事をしている間も楽しい考えごとに使い、仕事をしている人以上に、家事で成長しようとしたっていいのではないか。考えごとで家事を楽しむ。「むしろ、考えてやる」と決めた。
わたしも何年か前まで家事が苦手でイヤイヤやっているところがあった。このイヤイヤがなんとかならないものかと調べて、ものの見方を変えることを知った。始めはそんな簡単に考え方なんて、ものの見方なんて変えられないと思っていたけれど、本気で楽になりたいと望んでいたから、自分に都合よく見る術がだんだんできるようになった。
私も考えることが好きだ。「難しく考える方」から「楽しく自分が楽な考え方」を選ぶことで私も家事を大切なツールとしてみることができるようになっていた。
この本は楽しく家事をする考え方をさらに増やしてくれる。
3. 著者が伝えているメッセージ
家事は社会作りだ。目の前のタスクが多過ぎて、近くしか見えなくなってしまう時もあるが、本来の家事は遠くに繋がっているはずだ。一緒に社会を作りましょう。
ライフオーガナイザーとして片づけサポートに関わっているので「片づけ」は生活の土台です、ということをお伝えしている。
家事は社会に繋がっている。社会を細分化していくと、家の中に行きつく。
家にいても、社会を作っているんだな。
胸を張って家事をしようと思う。
感想
タイトルに惹かれた。
「むしろ」という言葉に、逆転の発想を見せてくれそうな期待感。
本の帯に「家事に革命ではなく、家事で革命を起こそう!」と書いてある。
分かるー
家事の捉え方を変えることで、自分の人生に変化を起こす=家事革命を起こすことが出来るとわたし自身思っている。
ネガティブに捉えがちな家事をいかにポジティブに変換して、家事時間を楽しく、価値のあるものに変えられるか。
わたしが文章にすると堅苦しくなってしまうのだけれど、この本はおもしろおかしく、著者の経験談満載で伝えてくれる。
「きっかけ」から始まり「おわりに」を含めて、家事に関する36記事が掲載されている。
1記事4~6ページほどで、隙間時間にサラッと読める。