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【天✕ボク】・9話(悪魔)

9話 悪魔

光と闇 天使と悪魔

必ず真逆の現象と存在が生まれる

ボクはナゼか【悪魔】について気になり
胸に抱く想いを天に問いかけてみた

『悪魔はなんで僕らを闇へと誘うの?』

すると天は

【ソレはな!! 悪魔が
   同類を作らんと躍起(ヤッキ)となるからだ】

【人の心の弱さにつけ込み
   悪行や憎悪の正当性を植え付ける】

【全て災厄となり導いた行いが
         当人へ還るとしても】

『そんな(怒) 分かっていながら!!』

すると天は⋯

【ソレが悪魔だ!!】

【悪しき邪道へと引き込み容易な
  心では抜け出せぬ闇へと誘(イザナ)う】

ボクは怒りが抑えきれず強い口調で!!

『悪魔になんか負けたりしない!!』

すると天は
ゆっくり諭(サト)すように言葉を続けた

【人はキミのように
     抗う心を持ちはするが
       諦め染まる心も持っている】

【悪魔は諦め染まる心に
         人を貶め利用する】

【この世を混沌とした闇へと導く
       光でなく滅びの世へとな!!】

『えっ!? この世を?』

『そうだ!!』

【悪魔とは負の憎悪が魔物となりしモノ】

【闇が深過ぎるがゆえ消え去る事は無い】

【魔に染まらぬ様
      己の心を強く保つしかない】

『そんな!?』

落胆するボクに向かって

天は⋯

【覚えておきなさい
 人は闇だけでなく『光』も抱けるのです】

【どちらに染まるも
      全て心の意志が決める事】

【光を尊み生きるも
  闇に染まり生きるも
   心は常に抱く想いの強さで変わる】

【君達は如何なる心で生きるのか!?】

『・・・・』

そんな天の問いかけに
ボクは何も言えなくなった。

ボクの心にも闇がある
人を妬み憎む感情が無いわけではない

だからこそ清らかな心で
生きるとは言えなかった!!

すると黙り込むボクに向かい天は

【正直者で嘘がつけぬのだな】

【真(マコト)の心を抱きその光が
   闇をも包み生きるのならば
     悪魔に喰われる事はなかろう】

【・・・えっ!?】

ボクが曖昧な返答が
出来ない事を見抜いていた。

そして
少し真剣な口調で天は更に言葉を続けた。

【光のみ闇のみの心で生きし者など
           この世に居ない】

【光と闇を宿し己の闇をも包み込む
   意志の強さを持つ者が賢者となる】

【光と闇 双方の想いを抱けねば
       真(マコト)の想いは紡げまい】

天の言葉を聞きながら何気なく
湧き上がった疑問を天に問いかけたみた!!

『どうして光と闇を知る事が大事なの?』

すると天は分かりやすく
そして諭すように応えてくれた。

【光のみでは闇に染まりし者を救えぬのだ】

【人の世で言う説得ができぬと言う事】

【闇を知る者だからこそ縋(スガ)りたくなる
      ソレが病みし者への救い手となる】

ボクは天の言葉を黙って聞いていた。
何処かにあった僅かな疑問が
ストンと心に落ち
いつの間にか涙を流していた。

すると天は更に
嘆きながらも強き意志を纏わせながら
言葉を続けた。

【幾度救えても⋯
  闇へと染まりし者は無くならないだろう】

【だがその繰り返しが徐々に
       この世に光を灯す事となる】

【人の学び(気づき)により光の思想
  その志向の導きへと人の心は移行する】

【草木が太陽に顔を向け育つように
   人は常に正しくあろうと想い生きる】

【ソレが悪魔さえ寄せ付けぬ光となる】

ボクはただただ天から降り注ぐ
温かな言霊を黙って受け止めた。

知らぬうちに嗚咽を漏らしながら⋯

そしてボクは不思議と今、心に抱く
   強き想いを天に向かって言っていた

【清く正しく生きるとは言えないけど
  自分がされて嫌な事をしないように
      気を付けながら生きていくよ】

すると天から

【それで良い】の

温かな言葉がボクの心を包んだ❢

そして
天から啓示に近い最後の言葉が降りてきた。

【負荷なく行う意識の蕾が
     光の華を咲かす時
       行者の鐘の音 鳴り響かん】

悪しき魔物から

   尊き心を護り導かん

         ソレはまさに神の御言葉


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