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【新風三佳】・第11章(後悔)
第11章・後悔
【人はナゼ死ぬのだろう
どうして別れがあるのだろう
限られた時間(トキ)を与えられ
生命(イノチ)はまた生まれくる】
新たな夫が結び直してくれた
祖母(母方)と叔父(母方)との関係
そしてその繋がりが多くの恩返しと
多くの尊き想い出を残してくれた。
当時の私には祖母の死を
遥か先の事のように感じていた!!
まさか
祖母があの世へと旅立ってしまうなんて⋯
新たな夫Yさんと再婚し心の平穏が訪れ
そして夫Yさんのお陰で祖母と新たな関係を
築く事となり過去の己の行いを教訓に
祖母と温かな心の交流から始める事となる。
壊れてしまった関係をもう一度結び直すのは
容易ではない。だからこそ分かる。
【もう2度と祖母を悲しませたりはしない!!】
その想いを胸に少しづつ距離が縮まり
会う事も頻繁になり同時に祖母宅に遊びに
行ったり夫Yさんの同伴の元、旅行に行ったり時に私が祖母宅の掃除に赴(オモム)いたり祖母の呼び掛けに応えられる事は出来るだけ
行えたように想う。
沢山の愛情を貰いながら
時に沢山の心労をかけ
その後悔と反省が祖母を思いやる
行動へと私を駆り立てた!!
(ナニが1番大切なのかを
この時、始めて痛感するのである)
少しづつ体力が弱まり
会う頻度も少なくなりそれでも頻繁に
電話で他愛ない話をしていた。
入院する程に体力は弱まり幾度もお見舞いに
行きたいと懇願するもその度に
『三佳達は来なくて良い
私なら大丈夫だから』と
幾度も病院に顔を出したいと言うたびに
その言葉が何度も何度も返ってきた。
後悔があるとするならばこの時
祖母のお見舞いに行けなかった事
祖母の意思を尊重するあまり(涙)
大事な一歩が踏み出せなかった事!!
それだけが1番悔やまれてならない(涙)
そんな電話でのやり取りの中で
不思議な事を言われたのである!?
それはいつもと変わらぬ他愛ない
電話でのやり取りの中で祖母が私に⋯
『私(祖母)がもし死んだら騒ぎ立てず
静かに送り出して欲しい』と
突然言い出したのである!!
『えっ!』と少し驚きながら
私はとっさにこう返した事を
今でも鮮明に思い出す。
『何言ってるのよ! お婆ちゃん!
まだ元気じゃない! 寂しい事言わないで』と
『そうだね~』と考え深く返してきた事を⋯
今、思い返すとその言葉の意味を祖母が
亡くなった後の葬儀の場で知る事となる。
そして祖母が亡くなる当日!!
生前最後の祖母からの電話がかかってくる!!
だがその時は取る事が出来ず明日、
こちらからかけ直そうと思いその当日は
祖母への連絡を控えた事を思い出す。
まさかその電話が生きた祖母と会話が
出来る最後のチャンスだったなんて(涙)
取れなかった事が今でも悔やまれてならない
沢山の愛情と沢山の心労をかけ
最後にキチンと向き合い恩返しと
尊き想い出を作れた事は私にとって
何よりもの尊き宝となった。
そして
駆けつけた祖母の葬儀の場で
驚きの光景を目の当たりにするのである⋯