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春の足音、暮らしの風景

春が近づいているのを感じる。近所の公園には梅の花が咲き、日が差していれば昼間はあたたかい。あたたかくてやさしい光に包まれていると、なんだか眠たくなってきて、春がくるなあと感じる。

冬から春に向かう途中の、色のなかった世界に少しずつ色が増えていく過程が好きだ。毎年この時期は、ミモザやモクレン、雪柳が咲くのを楽しみにしていて、犬の散歩をしながら、公園の木々を観察するのが日課になる。

同じように見える何気ない風景も、日々の変化をみつめることでより好きになれる気がするし、昨日との変化に気づけた時はちいさな喜びがある。


ちいさな花が伸びてきたムスカリ

花屋にも、色とりどりの花が並ぶようになった。最近は大好きなチューリップを家に迎えたり、球根の水耕栽培をしたりしながら、春が来るまでの日々を楽しんでいる。

キッチンで育てていたヒヤシンスが咲くと、キッチンに行くたびにいい香りがして幸せな気分になった。いつもならただの作業になってしまう皿洗いも、ちょっといい気分で取り掛かれるし、花がより美しく見えるように、部屋も綺麗に保とうと思える。

家に花があるというだけで、私の暮らしはより豊かに、心地よくなる。目に入るだけで心がゆるみ、機嫌よくいられる。


花たちは、せわしない日々に立ち止まるきっかけをくれる。ささいなことかもしれないけれど、ちいさく心が動いたり、心の温度が上がったりすることが、生活のなかでどれだけ大切なことか。

心や時間に余裕がないと、つい見落としてしまうものたち。それらに気づけた時、自分の暮らしをまた少し好きになれる。

暮らしの中にある美しさや楽しみは自分でみつけていきたいし、季節が巡り、移りゆく何気ない風景に気づくための、心や時間の余白は持っていたいと思う。


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hikari living店主|emiri
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