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幸運は不幸の顔をしてやってくる

この言葉は、各所で頻繁に紹介しています。混沌とする今生の世界においては、不運を嘆く人が山ほどいるからです。

この言葉は、「幸運は不運の姿をしてやってくる。(田坂広志)」として紹介されているのでご存じの方も多いと思います。
情報の大元は、中国の前漢時代の書『淮南子』の「塞翁が馬」の故事です(内容は以下の通り)。

"「中国北辺の老人の飼っていた馬が逃げたが、後に立派な馬を連れて帰ってきた。老人の息子がその馬から落ちて足を折ったが、そのために戦争に行かずにすんだ」との故事であるが、人生の幸運と不運は人智では分からない"との教えです。

人生何が起こるかわからないものです。
予測できないことが起こるから面白いのですが、なぜか人間歳を重ねると、自分の想定する範囲内で物事が収まって欲しいと考える人が増えるようです。保身意識なのか、利害損得なのかは分かりませんが、多くの人が自分の想定内に収めたがります。

従って、自分が想定しないことにぶち当たると、当事者にとっては不幸の極み、何で自分だけがこんな運の悪いことが起こるのだろうかと悩み苦しみます。しかし、実はそれがあるから次のステージ、世界(未来)が訪れるということは意外と多いものです。
乗り越えなれないと(乗り越えられるのに逃げてしまうと)同じことが繰り返し起こるので、なぜ自分ばかり運の悪いことが続くということになるのでしょう。やれば乗り越えられるのですけどね。

この「塞翁が馬」の故事は10年以上前に知ったのですが、これを知り、理解してからは、あらゆる出来事に対して真摯に受け止めることができるようになり、未来思考を持てるようにもなりました。
今では、一般的によからぬことが起こると、次のステージへの道がやってきた!と思ってしまう次第です(これはこれで問題があるかもしれませんが)。

無論、人間としてまだ未熟が故に、喜怒哀楽、様々な感情を持つこともありますが、ふと我に返り、冷静に物事を捉えた瞬間に、"あっ、これは自分にxxxを知らせるため、気づかせるための出来事なのだろう。次のステップに進むために必要なことなのだろう。"と考えることができるようになりました。目先の出来事に一喜一憂しないで常に、なぜこういうことが起こるのか、起ったのかを分析し、思いを巡らすようにしています。

人ですからちょっとしたことでも疲れを感じたり、精神的に参ることもありますし、笑うこともあれば、怒ることもあり、悲しむこともあるのですが、その感覚や時間は大切にしつつ、ある一定期間を経た後は、自身の感情とは別次元の発想をするようにしています。次のステージに向けて未来思考でやっていこうと。

一点、自己憐憫の人はそのステージを上げられずにもがき苦しみます。
割り切って今のステージ維持でいけばもがき苦しむこともなくなるのですが、自己憐憫の人ほどステージを上げたがります。大いなる矛盾ですが、それが人の弱さでもあり、利害損得で物事を見てしまうことの結果だと思います。

ステージを上げたいのであれば、目の前のことに一喜一憂するのではなく、手が届かないようなところに目標を置き、そこに向かうために必要な一つのプロセスであると考えてみるとこれからも色々と起こるであろう出来事を受け止めやすくなるかもしれません。

誰もがやろうと思えばできますが、やる気のない人は一生かけてもできません。「無理」、「自分は違う」という人にはいくら語りかけても無駄なので2-3回伝えても変わらないのであれば、それはそれでその人の意思は尊重するのが良いでしょう。

やる気のある人は、大概1回目で変わります。自身が大病を患うなど生死の境を彷徨うなどするなどした人には伝わるというか、既にそういう思考回路になっていたりします。「天から与えられた命を大切に生かす」という発想です。

いつまでも過去を後悔するのだけはやめましょう。
過去は変えられませんが、未来はいくらでも自分で作っていくことができるのですから。

そういう道を歩みたいと思うのであれば、「幸運は不幸の顔をしてやってくる」という言葉を常に頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。

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著者:原田光久(ひかりば 代表 / コミュニケーション・プランナー) ●社会問題解決アドバイザー、新規事業開発・地域創生・経営支援 ●行政・教育機関・民間企業で研修・講演・IT推進をサポート ●連絡先:harada@hikariba.com