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逗子にある小さな保育園の日々を綴るマガジン、はじめます。

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逗子にある小さな保育園、うみのこ

「どうせ自分の子どもを海で遊ばせるんだったら、みんなでがいいね」ー そんな想いからいくつかの家族が集まり、共に逗子の自然のなかで子どもを育てる“共同保育”として始まった「うみのこ」。

2019年春に子どもたちが毎日集まり生活をする場(認可外保育施設)にカタチを変えて、あっという間に二度目の春を迎えました。今年度は新たに5人の小さな仲間が加わり、20人の子どもたちが暮らし、遊び、日々を重ねています。

代表の山ノ井(れおっち)はこう言います。

子どもは、やりたいことを知っています。
水にどんどん入っていく子ども。
じっくり観察しないと怖いと感じる子ども。
 自然の中でものづくりするのが好きな子ども。
生き物に夢中になる子ども。
どれも素直な、その子自身のありようです。

そう、どれも素直なその子のありよう。そんな子どもたち一人ひとりの「やりたい」(時にやりたくない)に寄り添いたいという想いから、「今日はどこで何をして過ごしたい?」という問いから一日をはじめる、私たちの暮らしは始まりました。

そして今年度から、そのかけがえのない“一人ひとりの姿”と“みんなの暮らし”をnoteマガジン「うみのこ暮らし」として残していくことにしました。

保育者のひとりである私(三輪)をはじめ、うみのこに関わるいろんな大人がそれぞれの視点で綴る、子どもたちの日々。のんびりした更新になると思いますが、よければ「何してるかな〜?」と遊びにきてください。

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思いがけないを楽しむ人

さて、新年度が始まってあっという間に一ヶ月が経ちました。新型コロナの影響で思いがけないスタートとなり、大人はあたふた。でもそんな中でも日々遊び、楽しむ子どもたちを見ていると、子どもは「思いがけないを楽しむ天才」だなあと感じます。

海に行けないなら、山へ行ってみよう。まだ進んだことのない道があるかもしれないよと冒険がはじまる。鬼ごっこが好きな子どもたちの間では、タッチをするかわりにボールをあてる「ボールおに」が流行る。

もちろん一人ひとりのなかには葛藤もあると思うのだけれど、スッとその状況を受け入れて、今を楽しむこと。

これはある雨の日の子どもたちの一場面です。

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濡れないほうがいいよねではなく、濡れることさえ、その雨粒でさえ遊びに変えて楽しんでしまう。

どうしても失ったものに目が向きネガティブに捉えてしまうこともあるけれど、見方を変えるとチャンスになったり、うんと楽しむこともできる。無理はする必要はないけど、そのまんまを受け入れて、そこで自分はどう在りたいのかに心を向けてみよう。子どもたちの姿からは、本当に学ぶことばかりです。

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やじるしを向けない

物事の捉え方、そこに対する態度について、他にも感じたことがあります。

4月、新入園児にとっては全てが新しいものばかり。新しい人、新しい環境、そして新しい生活。不安にもなるし、泣きたくもなります。

ワカナも、涙を目にいっぱいに溜めて登園してくることが多かった一人でした。特に新型コロナの感染拡大予防の観点から、保護者の方にはうみのじどうかん(園舎のことをそう呼んでます)の中には入らずに、門の前で「いってきます」「いってらっしゃい」のやりとりをしてもらうようにしていたので、なかなか自分のペースでいってきますをすることも難しい状況にあり、お母さんと離れたあとに堪えていた涙が流れることがよくありました。

ワカナに「おはよう」と声をかける。そばに来てくれたら、「よくきたね。待ってたよ」とぎゅっと抱きしめる。でもなかなか気持ちを切り替えるのって難しい。

そんな時、大人はついつい必死に声をかけたり遊びに誘ったりしてしまいますが、ワカナが泣いているということに気がつきながらも「どうしたの?」と声をかけるのではなく、そばでいつも通りに遊び始める子どもたちの姿があります。

そうすると、さっきまでぎゅっとしがみつき周りを見ていなかったワカナの顔が身体がそちらの方へ向いていく。そして「なにしてるんだろうね」とすっと膝からおり、隣りで遊びはじめるのです。

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どうしても相手にやじるしをむけ、そこに対して行動をし変化を求めてしまいがちになるけれど、ただただそばでいつも通りにしていること、私はわたしで楽しんでいることが大事なこともある。

影響を与えようと思わなくたって、私たちは意図せず互いに影響しあっている。
共に生活するって、そういうことなのかもしれません。

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うみのこのお昼ごはんの風景を届ける連載「ごはんを食べながら、」。食卓を囲む子どもたちの会話に耳を澄ませています。



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