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「転移勇者が貰った剣には(元)魔王が封印されている」企画書

キャッチコピー
勇者の相棒は元魔王!? 剣に封印された元魔王と転移勇者がタッグを組み、現魔王に立ち向かう冒険活劇

あらすじ
魔王を倒すために異世界へと呼び出されたアグリは、王からの準備品の中から聞こえる声に導かれて剣を手にした。
アグリにしか聞こえないその声の主は元の魔王ソフィアだった。
ソフィアは現魔王に騙されて剣に封印されていたのだった。
現魔王を倒すという利害が一致したアグリとソフィアは、魔王討伐の旅にでる。
旅をつづけながら戦いを繰り返し、アグリの力がついてくると、剣に封印されたソフィアの力も解放されていき、次々と難敵を倒していく。
途中、同じく封印された元四天王たちも見つけ出し、力を借りることに。
そして成長しながら最大の敵である現魔王に立ち向かうべく、旅を続ける。
転移してきた勇者候補の主人公と元魔王のコンビが繰り広げる冒険活劇

第一話のストーリー
俺は岩城亜久里
どこにでもいる普通のサラリーマンである。
でもフツーが一番楽でいい。
ってことで今日は有給を取って休みにした。
まだ夏には早いけど、海へ行こう。
しばらく走っていると白い砂浜が見えて、テンションがあがる。
近くに車を止め、海へと走っていく。
誰もいない波打ち際をしばらく歩いていたら、少し先の海の中が一瞬何かが光った。
光が気になり、その方向に近寄っていく。
すると、潮の流れが急に早くなり、足を引っ張られたように引きずり込まれていく。
もがけばもがくほど苦しくなる。
そのまま意識が遠のいていった。

目が覚めると、見たことがない部屋だった。
窓を両手で押すと、まぶしい光と共に、外の景色が目に入った。
レンガや土壁の家々が立ち並び、その向こうにはぐるっと囲うように壁が立っていた。
俺は夢でも見ているのか?
すると
「コンコンコン」
部屋の入口の扉が開き、誰かが入ってきた。
「お目覚めになられましたか」
そこにはメイド服の女性が立っている。
「えーっと、どなたでしょう…か?」
「私はマリアと申します」
落ち着いた声でメイドが話す。
「ようやくお目覚めになりましたか。召喚されてから寝たままで、心配でした」
他には誰もいないようだし、この子に聞くしかない。
「ここはどこなんだ?」
「俺はなぜここにいるんだ?」
と詰め寄った。
「まずは落ち着いていただけますと……」
マリアは少し眉をひそめる。
「ここは、アウレストリア王国の首都セントハムになります」
「貴方様はこの国を守る勇者として召喚されましたが、直後に気を失われてしまい、ここに運び込まれました」

召喚?
勇者?
ここは、今までいたところと違うところなのかもしれない…
どうやら、俺は現代とは違う世界に召喚されたらしい。
アニメやマンガでよく見る話だが、本当にそんなことがあるのか…
ああいうのは、現代で不遇な主人公が死んで、転生して異世界で無双するって話だろ。
でも俺はそこまで不遇だとは思っていないし。
あれは不遇じゃないとならないんじゃないのか。
(※個人の感想です)

「それで、俺はここでどうなるんだ?」
マリアに突っかかっていった。
「私にはわかりません……」
マリアは視線をそらす。
「まずは目覚められたことを国王様にご報告してまいります。」
俺から離れると、入口の扉に向かっていった。

しばらくすると、マリアが入ってきた。
「国王様がお呼びです」
急いで準備をし終わると、外で待っていたマリアについていった。

第二話以降のストーリー

第二話
…………
……
………………

ふと気がつくと、薄暗いところだった。
周りには古めかしい鎧や兜、書物や宝石だろうか。
そういったものが置かれている。

…………
…………

ここでワシは何しているんだ。
身体を動かそうとするが、全く動かない。

「ここはどこなんだ」
「そういえば、ワシは何をしていたんだ」

…………
…………

たしか、ゼドがワシのところに来て、勇者を討伐したと勇者の剣や防具を持ってきたんだったかな。
そして、その剣を鞘から抜いたら……
その後、どうだったかな……
ゼドの不敵な笑みだけは思い出せるが……

そういえば、ここもワシが知らんところだ。
そしてなんで身体が動かないのだ。
ワシはどうなっているのだ。

立っているような感覚はある。
目も見えているようだ。

キョロキョロと周りを見回す。
左奥の方に光るものが見えたぞ。
鏡だ。
視線を鏡に向けてみた。

剣が映っているではないか。
あれ?
鏡はこっちを真っすぐ向いている。
こっちはワシがいる方向だよな。

??
!!
!!!

「何じゃこりゃ」

剣になっているではないか。

そういえば……
ゼドが持ってきた勇者の剣とやらを抜いた直後にまぶしい光が出てきて……
あやつはワシを嵌めおったのか。

あれは封印の光か。
だからあんな笑みを浮かべていたのか。
してやられた。
四天王どもはどうなった。
そういえばあの時に姿はなかったな。

…………
……
…………

たしか剣と共に兜や鎧などもあったような。
であれば、ワシと同じくそれらに封印されたのか。
そうとしか考えられんな。
あの時見た覚えがある兜などはここにはなさそうだ。
となるとここにはいなさそうだ。

周りの雰囲気からしてもここはワシの城ではないな。
あとその時からどのくらい時が経っていたのかも分からんのぉ。
今がどうなっているか、何かわかる手段はないのか。
あちこち見回してみるが、手掛かりになりそうなものはなさそうだ。

そうこうしているうちに、扉のカギを開ける音がした。

「ガチャ」

数名の兵士が扉を開けて入ってきて、灯りをつける。
あれは人間どもだな。
……
ここは人間の支配する国か。
兵士たちが話す声が聞こえてくる。

「王様は何を持って来いと話されていたんだ」

「確か、勇者に渡す武器や防具と仰っていたはずだが」

「なら、これとこれとこれと……」

こちらに近づいてくる。
これは外に出れるチャンスかもしれん。

「よし、ワシを連れていくのじゃ」

声に出してみたが、兵士には聞こえていないようだ。
そうこうするうちに、ワシの目の前に来た。

「これもかな」

兵士がいいながら、ワシを掴んだ。
よし、これで外に出れる。
あとは、勇者と言っていたかな。
そいつにワシを選んでもらおう。
でも声が出ないのに、どうやって選んでもらうんだ。

兵士に担がれながら、出来ることはないのかと考えていく。
あとは出たとこ勝負じゃな。

第三話
マリアについてくと、バカでかく煌びやかな扉の前に着いた。
廊下の天井も高いし、扉も大きくて当たり前か。
ここに王様がいるのだろうか。

「勇者様を連れてまいりました」

扉の前に立つ近衛兵が大きな扉の取っ手に手をかけ、扉を押す。
そこには広い大きな間が広がっていた。

奥の方のこれまた豪華な椅子に座っているのが、国王だろうか。
国王の前につき、マリアが跪く。
それと同時に、俺の方に目を送る。
あっ、俺も同じことしないといけないのか。
慌てて、俺も跪く。

「勇者様がお目覚めになりました」

マリアがそう告げると、国王が顔を崩す。

「よく目覚めてくれた。私が国王のマルクス・アウレリウス八世である。
勇者をせっかく召喚したのに、このまま死んでしまうのではないかと思った」

勝手に呼び出しておいて、勝手に殺されてしまったら、かなわない。

「貴方が、国王が俺を呼び出したのか?」

ちょっとムキになる。
そして、つっかかるように話す。

「正確に言うと呼び出したのは私ではない」
「ただ、私が命令して、召喚の儀式をしてもらった」

多少ひるんだのか、弱弱しい声だ。

「勝手に呼び出されて、勇者と言われても困るんだが……」

さらにつっかかる俺。
国王が眉をひそめて話す。

「確かにそれはわかるが、こちらとしても事情があってな」

今の状況を長々と説明しはじめた。

纏めると
まず、前任の勇者が150年前に魔王を追い詰めたが、討ち取るまでには至らなかった。
勇者たちは深手を負って帰還。
その後、しばらくは平和になった。
ただ、最近になり魔王軍が攻め込んで来るようになった。

魔王に対抗する手段は、この世界にはない。
異なる世界から勇者を呼び出すしかない。
前任の勇者もそうだった。
ということらしい。

勝手に呼び出されて、魔王と戦えと言われてもな。
でも戻る手段はなさそう。
覚悟を決めるしかなさそうだ。

「事情はわかった」
「こうなった以上は仕方ないのかな……」
「で、どうすればいいんだ」

その言葉を聞いた国王の顔がほころぶ。

「そうか。引き受けてくれるか。よかったよかった」
「では早速だが、シルフィーネ村に向かってほしい」
「魔物が増えてきているとの報告がある」
「そこの状況確認と魔王に関する情報を収集してきてほしい」

何の装備も準備もないのにもう出撃命令か。

「何もわからない、丸腰の、俺に、一人で行けと!」

半分キレたように言う。

「あいすまぬ。村までの案内はするようにと、馬車は用意してある」
「それと武器や防具については、この中から使えそうなものを選んでくれ」

国王がそう言うと、兵士たちが武器や防具を持って目の前に立ち並んだ。

「年代物だが手入れはきちんとしてある。どれでも好きなものを選んでくれ」

見せられたとしても、初めて見るんだし、良し悪しがわかるか。
こういうのはフィーリングで選ぶしかないかな。
並んでいる装備を眺めていると、変な声が聞こえてきた。

「……を選……ぶ……のじゃ……」
「そ……この……剣……」

しっかりと聞き取れないような声だ。

「これか?」

そういいながら、ある剣を手に持った。

「そうじゃ、それじゃ。その剣じゃ」

手に持ったらハッキリと聞こえてきた。
目の前にいた兵士に、

「お前、喋った?」

と聞くが、首を横に振った。
どこから聞こえてくるんだ。
でも、この剣、なんとなくフィーリングがいい。

「それじゃ、この剣を貰います」

他にもいくつか、防具などを見繕い、持っていくことにした。

それから王様からは

「あとは、こちらが準備金になる。足りないものがあったら買うといい」
「勇者殿、あとはよろしく頼んだぞ」

笑顔でこちらを見ている。

「どこまで出来るかわかりませんが、出来るだけ頑張ります」

と、つげて、大広間から先ほどの部屋に戻った。

「さて、どうしたものかな……」

部屋に帰り、椅子に座る。
ボソッとつぶやきながら、貰った剣を持ち上げて眺めてみる。

そういえば、さっき聞こえてきた声はなんだったんだろう。
誰かがアドバイスをくれたのかな。
そう思いながら、剣を隅々まで見ていると、突然声が聞こえてきた。

「でかしたぞ。よくワシを選んでくれた」

そして、剣の先から一人の女が現れた。

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そして、続きはこちらで読めます。

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