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「元気じゃなくてもまた会いましょう」

まだ私が大学生になる前から、かれこれ4年
地道に聴き続けてきたヒグチアイさんのライブに行ってきた。

「元気じゃなくてもまた会いましょう」


このライブタイトルに惹かれて。

チケットを買ったのは1月の上旬。
まだ卒論に追われていた頃、「頑張りたいと思えるかもしれない」と願掛けのようにチケットを購入したことをよく覚えています。
結局、当時はそれどころではなく、ただの予定としてカレンダーに存在し、力にはならなかったことも。

歌われた曲はほぼ全曲、私が数えきれないほど聴いてきた大好きで大切な曲でした。幸せすぎるセットリストに「やられた…」と、何度天井を見上げたことでしょう。


「ほぼ」に入らなかった数曲は曲調が重めで、好んで聴いてこなかった曲たち。ピアノソロでじっくり歌詞を聴いてみるとやっぱり「ヒグチアイ」の曲たちで、聴かずに終えなくて良かったと、ほっとした。


嬉しい時も、悲しい時も、頑張る時も、どんな場面でも味方になってくれるのがヒグチアイさんの曲。

ライブの9割は泣いてました。大号泣。

色んな場面で聴いてきた曲を聴いていると、「この歌詞にしがみついて生きてたな」と思う瞬間が沢山あって、慰めをもらいたい時によく聞いていたんだなと気づく日でもありました。

小さなライブハウスで、近距離にあるスピーカーからピアノの振動を感じる時間がとてつもなく幸せで、儚い歌声から力強い歌声まで、豊かな表現をされるヒグチアイさんの曲たちを浴びて、久しぶりに慰めを得た喜びの涙を流す事ができた。


大人に近づくにつれて泣けなくなっていったことも、ヒグチアイさんの歌詞で受け止めてもらっていた。ヒグチアイさんの曲で再び泣くことができて嬉しかった。


終演後、自分でも困惑するほど幸せでたまらなくて「どうしよう、幸せすぎる」と連呼していた。
会場を出ると、「生きていてよかった」
「このために生きていたのかもしれない」
こんな考えもした。


泣きすぎて頭は痛くて、フワフワして、魂が抜けたような状態で入った大戸屋でお腹を満たした私の口から出た言葉は

「明日のバイト頑張れそう」

どんなに大好きな人と過ごしても、どれだけ寝ても、どれだけ美味しいものを食べても、悲しいほどに、申し訳ないほどに、「明日も頑張れるかも。」という言葉は出てこなくなっていました。
この気持ちはすぐに消えちゃったけど、あの時はそう思えてた。


自分のやりたいことのためなら、ディズニーでも、沖縄でも、1人で簡単に行ってしまう私が、珍しく友人を誘って2人で行った。こんなことは、初めてな気がする。好きなものを人と共有するということをしてみたかったんだと思う。

今回誘った友人は、ヒグチアイさんの曲で共通の思い出があった。終演後、一生懸命アンケート用紙に書き込む姿や、「いい時間になった」と何度も言ってくれる姿を見てすごく安心した。
ああじゃない、こうじゃないと言いながら、2人でセトリ思い出すの楽しかったな。

1人じゃないとなれば、メイクにも気合いが入った。いつも使ってるオレンジのアイシャドウではなく、ライブ日程が書かれた写真の照明の色が好きで、ピンクと紫のアイシャドウにした。
なんか特殊な合わせ方したね。


思い返せば、いつも1人で行ってきたものはミュージカルやチェロ・ピアノのライブで、服にこだわることがほとんどだった。すごく新鮮で、張り切っている自分が少しばかり可愛くも思えた。



ライブ中のトークで聞いた話のひとつ。
大好きな曲の1つである「まっすぐ」は23歳の時に書かれた曲で、23歳はヒグチアイさんにとって1つのターニングポイントだったんだとか。


私が今年で23歳。
20歳を迎える時よりも特別な気がしてる。
それは、私の中で大きく何かが変わるというよりかは、自分を建て直そうとしているタイミングだからで。トークを聴いた後の「まっすぐ」はじんわり温かかった。誕生日には、あかりさんに写真を撮ってもらう予定。沖縄で撮ってもらった日から、すこしは成長してるといいな。


1人の楽しさと、2人以上の楽しさ。
その両方を知っているとなんだか色々楽しくなりそうね。


また行けますように。



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