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EMILY.K
2021年3月2日 00:23
*** 風が随分と冷えこんできた。朝の空気は年明けに比べて湿気を失い、紅葉の香りが混る。「おはよう。早いのね。」 リビングに出ると、朝七時だというのに、サキさんはもう朝ごはんを食べ終わって、ブッダのご飯を用意していた。 よだれを垂らしながら鼻息荒くサキさんを追いかけるブッダは相変わらずの食欲で、初めてこいつがメスだと聞かされた時、何の疑いもなく全否定した時の感覚は、未だに消えない。