女性用風俗の現実 序論
女性用風俗、それは女性に性的サービスを行なって報酬を得るという、世の男性(特に女性経験に乏しい男性)からしたら夢のような職業だろう。
しかしそれは幻想である。
近年は女性用風俗に関するドラマや漫画、Web番組など、様々なエンタメコンテンツにより情報が広まっている。
だが、大体そうしたものには「監修」という名目で、大手女性用風俗グループの息がかかっている。
すなわち「広告」なのである。
女性用風俗はまだまだ実情が知られていない部分が多い業界である。
ドラマにせよ漫画にせよ、制作にあたって、ストーリーにリアリティを出すために「取材」というプロセスが必要になる。
私はもともとメディア関係の仕事に従事していたが、通常であれば、内情までもベラベラと喋ってくれるような、既に業界を引退した人(あるいは現役でもベラベラ喋ってくれる話好き)などに取材をすることが一般的だ。
例を挙げれば、「闇金ウシジマくん」(真鍋昌平 小学館)の制作プロセスはその典型だろう。
というのも、個人であれば属している(属していた)組織の利害などはあまり関係ない。
更に言えば、組織に対しての恨みがあり、内部告発的な意味で取材に応じているパターンも多々ある。
いずれにせよ、組織の利益について強く意識している人はそもそも取材に応じることはあまり無い。
金銭的なリターンがあれば、何でも喋るような人々である。
故に、組織や業界の内情を、良いところも悪いところも深く知ることができるのである。
一方で、組織に取材を行なった場合、得られる結果は異なる。
組織に取材を行なった場合、対応するのは広報部、あるいはそれに準ずる部署である。
広報部のミッションというのは、超大雑把に言えば、商材の販売を促すために、組織をより魅力的に見せることである。
なので、都合の悪いことはのらりくらりとかわして、良いような言い方をする。
そうして制作されたドラマや漫画などのコンテンツは、取材した組織に都合の良いような、広告的なものになるのである(もっとも、最初からそうした効果を狙って制作しているものもあるが)。
先に述べたような、女性用風俗を題材にしたドラマや漫画は、組織に取材を行うというプロセスを経て制作されている。
また、私が調べた限り、組織に取材を行なっていない(個人にのみ取材を行なっている)ドラマや漫画などのコンテンツは見つけることができなかった。
最初から女性用風俗の広告目的で作られているのか、作者のスキル不足によるものなのかは私には知る由も無いが、少なくとも言えることは、「女性用風俗の良い面のみを切り取っている」ということである。
悪い面も描いているかもしれないが、私が見た限り、そこまでクリティカルなものとしては描かれていない。
風俗業自体、法改正や従事者の不足などによってある程度改善はされてきているものの、内実はユルめのヤクザである。
別の記事でも詳しく書く予定だが、女性用風俗に関しては、客が集まらないので男性の登録料で儲けているというビジネスモデルの組織も結構な数存在する。
女性用風俗に従事していた身からすると、「ほぼ広告」のドラマや漫画で、女性用風俗の現実を知った気にならないで欲しい、というよりは、元従事者の生の声を聞くことで、より悪い面も詳しく知ることで、過度な幻想を抱かず、健全な社会を作る一助になれたらと考えている。
あと私は女性用風俗で働くくらいには金にがめついので、自分の経験をネタに小銭を稼ぎたいのである。
という訳で、本noteでは私の経験を元に、女性用風俗に関する様々な現実を記し、紹介することで、女性用風俗に従事したいと検討している男性への一助、また現役の女性用風俗業従事者や、実際の女性用風俗ユーザー、メディアの記者らの知的好奇心を満たすエンタメになればと思う。