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拡散型と保全型

著者 古野 俊幸さん

 「保全性」が高い人は、
一つひとつ着実に進めていく
「積み上げ型」。「着実に成し遂げたい」
「失敗したくない」という気持ちが強いので、
まず準備をして、計画を立て、不安要素を
潰したうえで一歩一歩進めていきます。

 「拡散性」が高い人は、
興味のおもむくままに、まずはやってみる
「体験型」。自分がワクワクすることに
取り組んでいるその瞬間を大切にするため、
失敗に終わっても気にしないし、
達成することにもこだわりがありません。

 憧れの人にするならば、
スポーツで言うところのトッププレーヤーが
好ましいです。トップのプレイをイメージし、
脳内で映像化することで、「それに近づきたい」という動機付けになります。憧れを目指して試行錯誤するうちに「これだ!」という感覚が
つかめて、難題や難問を乗り越えていきます。


 「仲間」についても触れておくと、
「保全性」の高い人は、周りが気になって、
自分だけ違うことをすると落ち着かない
気持ちになるので、仲間はいたほうがいい。
同じ目標に向かう仲間がいれば、
安心して、頑張れることが出来ます。
仲間と情報交換しながら、よりよい考え方法を
取り入れながら、共に学ぶのがおすすめです。

成長を「階段の登り方」に例えるなら、一段一段登っていく「保全性」に対して、「拡散性」はある日突然、一段飛ばし、二段飛ばしで駆け上っていく。ただし、階段を踏み外して、
転げ落ちるリスクもありますが。

また、「拡散性」の高い人は、我が道をゆく
“一匹狼”が多いので、特に仲間を
必要としません。それよりも、
「憧れの人」の存在が刺激となり、
自分を高めていけるタイプです。

「保全性」が高い人は、
撃沈されて立ち直れないリスクあり
これについて補足すると、
積み上げ型の「保全性」は、
「ここまでできた」という確認と、
できることを増やして自信をつけることが
何よりも大事。そんな「保全性」の高い人に
向いているのは、今持っている問題集を
徹底的に解くことです。

中途半端なまま次に進むのは、
取りこぼす感じがして不安。だから、
「1冊の教科書」と「一番スタンダードな問題集」に繰り返し取り組み、抜け漏れない状態に
することが大切です。

それよりも、少し手を伸ばせば届く範囲で、
できることを増やしていく作戦が
一歩一歩、地道に積み重ねていくやり方が
このタイプは得意ですし、性に合っています。



最後に、「保全性」と「拡散性」は、
どちらが優れている、ということではないことも強調しておきます。これは向き不向きの問題ですから、自分を客観的に捉えて、
「自分に向く方法を知る」ことで、
誰もが勉強を好きになり、
レベルアップすることができるのです。

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