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運動の自由度とは?自由度の秘密を解明!

【臨床メモ】
なぜ三角巾を巻くのか?
安易すぎないか?
整形疾患ならとてもわかりやすい。
脳卒中片麻痺で三角巾を巻くには、
それ相応の理由が必要になります。
痛みがあるからつける?
亜脱臼があるからつける?
三角巾をつけたはいいが、いつはずすの?
疑問はつきません。
そこでヒントになる考え方を紹介します。

✅ベルンシュタイン
ニコライ・ベルンシュタイン(Nikolai Bernstein)
・ロシアの生理学者
・運動制御や運動学習に関する研究
・運動の自由度問題や運動の協調性に関する
 理論を発展させ、現代の運動科学に大きな影響

✅ベルンシュタインの運動の自由度問題
・運動制御における重要な概念
・特に人間や動物が動作を行う際に、
 どのようにして多様な運動パターンを選択するかに関するもの
・運動を実行するために、
 必要な関節の動きの自由度が多すぎることから生じる「冗長性」に関連
・同じ動作を達成するために、異なる関節の組み合わせや筋肉の使い方が
 可能であるため、どのように最適な動きを選択するかが課題となる
・運動学習の過程において、
 運動の自由度を「凍結」したり「解放」したりすることが重要
・初心者が動作を学ぶ際に、まずは動きの選択肢を減らし、
 徐々に自由度を増やしていくというプロセス
・このアプローチは、特にスポーツやリハビリテーションの分野で応用

✅四肢の自由度
上肢全体の自由度:7
各関節の動きを合計
・肩関節:自由度3(屈曲・伸展、内転・外転、内旋・外旋)
・肘関節:自由度1(屈曲・伸展)
・前腕: 自由度1(回内・回外)
・手関節:自由度2(屈曲・伸展、内外転)

下肢全体の自由度:7
・股関節:自由度3(屈曲・伸展、内転・外転、内旋・外旋)
・膝関節:自由度1(屈曲・伸展)
・足関節:自由度3(底屈・背屈、内返し・外返し、内転・外転)

脊柱の自由度:6
 
屈曲・伸展、側屈、回旋
・頸部
・胸椎
・腰椎
*脊柱は諸説あり、複雑

✅まとめ
・関節の自由度が増えると、動きの選択肢が増加し、制御や協調が難い
 ➡動きの難易度が上がる
・一方、自由度を減らす(例えば中間関節を固定する)と、動きは単純化
 ➡動きの制御が容易になる
・ただし、高自由度は柔軟性や適応性を高める利点もあり

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