【感想】オダイバ!!超次元音楽祭 ヨコハマからハッピーバレンタインフェス2021 早見沙織


本稿は2021年2月14日に開催された「オダイバ!!超次元音楽祭 ハッピーバレンタインフェス2021」の早見沙織さんのレポートになります。

2020年に放送されたフジテレビの音楽番組が反響を受けてアリーナ規模でのフェスで、早見さんは初出演の機会でした。
有観客でのライブをオンライン生配信するという形式を取っており、2月17日(水)までアーカイブ配信も行っている為、是非ご覧ください。

概要

オダイバ!!超次元音楽祭 ハッピーバレンタインフェス2021 Day2
(公式サイト)
★日時
2021年2月14日(日)14時30分開場 15時30分開演
★会場
ぴあアリーナMM (コロナ禍の為収容率50%以下での開催)
★出演者/セットリスト
ReoNa
M1 怪物の詩
M2 SWEET HURT
M3 虹の彼方に
M4 ANIMA

TRUE
M1 Sincerely
M2 WILL
M3 Storyteller
M4 Another colony
M5 DREAM SOLISTER

早見沙織
M1 Jewelry
M2 yoso
M3 ESCORT
M4 夢の果てまで
M5 garden

Roselia
M1 BRAVE JEWEL
M2 Neo-Aspect
M3 ONENESS
M4 BLACK SHOUT
M5 FIRE BIRD

Aqours
M1 Fantastic Departure!
M2 Deep Resonance
M3 君のこころは輝いてるかい?
M4 恋になりたいAQUARIUM
M5 HAPPY PARTY TRAIN
M6 未体験HORIZON
M7 Future flight

■全体の感想

早見沙織さんのアーティストとしての有観客での歌唱は、2019年末のリスアニ!ライブ上海以来で、1年2ヶ月振りでした。
この情勢下で中々ライブが開催出来ない中、こうして生で歌唱を拝聴できる機会をいただけて本当に有り難いです。

早見さんのご出演発表時には既にチケットがSOLD OUTになっていたのですが、
機材開放席が発売された為参加出来ることに…!
座席はステージ真横のスタンド席で、早見さんの演奏を見る分にはステージの見切れも気にならず、近くで観ることができる最高の座席でした。

セットリストはこれまでご出演されたフェス同様、アニメタイアップに捉われない幅広い代表曲を演奏されていました。
概ね予想通りの内容でしたが、曲順、MCも相まって、"このタイミングに披露することの意味"を強く感じさせる、寄り添ってくれる演奏になっていました。
日頃聴く音楽もタイミングによって聴こえ方が変わるものですが、今回のライブもまさしくそのような構成でした。

もとより1アーティストとして構成力の高いセットリストを組まれる早見さんでしたが、
時期や情勢に対する意識はより一層強く感じ、
MCでも話されていた「あなたがあなたらしく居られるように」と願いを込めた音楽を奏でたい…
という強い意志がさらに早見さんを飛躍させたように感じます。

■曲ごとの感想


M1. Jewelry

バレンタインらしい赤いワンピースで登場。
CCさくらタイアップということもあり、会場のグルーヴ感に認知度の高さを感じました。
直前がTRUEさんの「DREAM SOLISTER」だったので、そういう意味でも明るい曲で繋がったのは良かったと思います。

早見さんの単独ライブではクラップ曲として定評のある楽曲ですが、サイリウムが絡むとノリ方も変わってきて、そういう違いも楽しいなぁと感じました。

歌のアレンジは「glimmer of hope」に近く、(アウトロで大丈夫!とアレンジを入れるなど)
原曲に比べて良いメロウ感を出す歌い方をされるようになったなと感じます。

ちなみにラスサビは原曲通りの「負けない私」ver.

単独でのみ「負けないキミに」になる特別感はいいですね。(例外として唯一リスアニ!上海ではキミにver.だったので、この特別感もとてもいい思い出です。)

ま〜〜〜本当に久しぶりの(アーティストとしての)早見さんの生歌だったので、感慨深さで目頭が熱くなりました。

MC

簡単な挨拶のみ。
ノンタイアップ曲への繋ぎなので、飾らない態度は好感度高かったです。

M2. yoso

初!生!yoso!!!!!!!!!
いやぁ……エッもい!!!!!!!!!
印象としてはアリーナ規模でも「glimmer of hope」と同じで、良い感じに抜け感のある心地よいグルーブで、
独自の世界観に引き込むセンスはずば抜けてるなと感じました。

2番Aメロの歌い方のアレンジとか最高ですよね。
早見さんの単独のライブの流れで聴きたいなぁと改めて感じました。

M3. ESCORT

yosoからの流れ最高ですね。
ライブのたび新曲になると定評のある楽曲ですが、
生演奏ではない同期でのパフォーマンスでもそれは健在。
どこかyosoの流れを継続してアンニュイな雰囲気になっていたのがとても良かったです。

この曲でステージの左右に来て歌われて、近くに早見さんがいる喜びを噛み締めました。
前回の有観客ライブ、リスアニ!上海でもこの曲で左右に来てくれたので、その頃の思い出を彷彿とさせました。

曲の終わりに客席を指差し「キミとのバレンタイン彩ってよ」という不意打ちをかまされてノックアウトされました。キュンです。

MC

バレンタイン代わりに歌のプレゼント。
未来に向けて頑張る人の背中を押す楽曲を選択しました…という内容。
この前振りがあって、余計次の曲の印象値が変わりました。

M4. 夢の果てまで

オンラインライブなども考慮すると久しぶりの演奏。
赤い衣装、MCの流れを汲んで、情熱的に内面を掻き立ててくれました。

大正ロマンの時代を描く「はいからさんが通る」に寄り添った内容で、どんな時代も変わらない、普遍的な勇気を歌った楽曲ですが、

時代(とき)を跳び超えて 進んでく勇気を
私にください 今こそ

という歌詞、コロナ禍で悲観的になりがちな情勢に対する肯定的な力強いメッセージを感じました。

別アーティストのお話になるのですが、
昨年末の紅白歌合戦にMr.Childrenが出演された際、
「予期せぬ時代になったけれど、変化しない時代も存在しないと思う。だからこそそんな日常を慈しみたい。」
というお話をされていたのですが、
同じような意味合いを音楽から感じました。

序盤に"飾らないMC"と書きましたが、この曲の前にはしっかり、「今未来に向けて頑張る人に宛てて」と話されていて、伝えたいことははっきりと伝える、そういう意志の強さがあったのかなと感じます。

個人的に今聴けて良かった、聴こえ方が変わった楽曲ナンバーワンです。

MC

「glimmer of hope」でも話された
「あなたがあなたらしく居られるように」というお話をされてから最後の曲。

楽曲で伝えたいテーマがはっきりしてるからこそ、
言葉数が少なくても確かなメッセージ性を届けてくれるんだなと感じました。

M5. garden

スクリーンには綺麗な赤い花畑の映像。
会場のサイリウムも赤と緑で覆い尽くされて、
会場一面に美しい花畑が広がっているように見えました。

早見さんのライブはサイリウム無しなことが多いので、こういう景色はアニソンフェスでしか見られない魅力だなと思いました。

自分はサイリウムを待っていなかったんですけど、この光の中に居られることは本当に心地よく感じました。
この光の数だけそれぞれのgardenが生まれてきて、それが集まってまた一つのgardenが生まれる…
人と人の輝きの連鎖っていいなと
思いました。

これは個人的なお話になってしまうのですが、
この情勢下で生活がかなり変化していて、この先どんな人生を選択していくか、未だに悩み続けていかなくちゃいけない状態なのですが……
背中を押してくれる、今ある自分自身を肯定してくれる楽曲を聴けた経験は、
この先の人生において大切な時間になるのかもしれないな…と感じました。

■トークコーナー

早見さんの演奏後は出演陣とバナナマンさんのトークコーナー。
内容は音楽番組初らしくバラエティ色の強いもので、なかなか観ることの出来ないお姿を見られた気がします。

とにかく脱帽させられたのは、声優さんとして演技してみて!と振られた時の対処で、
繊細な演技を求められるアニメの声優は、バラエティで求められるほど突出した演技が出来ないことが多いのですが、
シンプルに「声優さんってすごい」と思わせる演技をされていて感動しました。

…というのも、溺れる時の演技を水を口に含まず行う…という内容だったのですが、
水がどんどん口の中に入って吐き出しながらしゃべる…といって喉の動きまで再現されているのがきちんと伝わって、プロならではの視点まで演技から読み取ることができました。

出演陣が今ハマっていること…というコーナーではほたてくんのお話で、アリーナ規模のスクリーンにほたてくんがデビューする姿には、奇妙な敬意を感じました(笑)

トークコーナーの最後は大喜利コーナーで、
これは余計なファン心理なのですが、ご本人が自ら大喜利を仕掛けられることが中々無いので、これは難しい機会だろうなぁとドキドキしました…(笑)
やるとしたら先程の流れを汲む"溺れるネタ"だろうなと思ったので、実際に溺れるネタをされた時は妙に安心してしまいました。
・・・本当に余計なファン心理ですね…(笑)


そんなわけで久しぶりの早見さんのライブでした。
繰り返しになりますが、鉄板のセットリストながらも、今だからこそ響く内容…に落とし込まれているその完成度の高さに、(もちろん以前からそういう作り方をされるアーティストだったのですが)
アーティストとしてより一層魅力を感じさせてくれるなと思いました。

いつか単独で有観客ライブが観られる時、その時が本当に楽しみです。
その日まで、より良い自分で居られるように早見さんの音楽を励みに頑張ります。

おまけ

画像1

このフェスの特別なコンテンツとして、デジタルでアーティストへのメッセージを書いて、会場内と楽屋に表示できる…という面白い試みがありました。
自分はどれとは言わないけれど、オニの絵を描きました。
これが表示された時、後ろにいた人が「早見さんご本人がしれっと書き込んでそう」という話をされていて、わからなくもないなって思ったり…笑

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