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「ベートーヴェン-届かなかった手紙-」

舞台「ベートーヴェン-届かなかった手紙-」を観劇してきました。
せっかくので、備忘録として舞台のみの感想も書き留めておこうと思います。


セット

まず、劇場に入って見に入るのはステージですよね。
今回は、ピアノが1台、後ろにスクリーン、椅子が数脚、という非常にシンプルなセットでした。
演者用の椅子にはペットボトルの水が備え付けられていました💭

これまで朗読劇を観劇したことは無かったので、セットのシンプルさに少し驚きを感じつつ…
一体どんな物語が見られるんだろう…!と、初日はわくわくでいっぱいだったことを覚えています✨


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演者たちの登場

会場が暗転。
静かな空間に響く、演者たちがステージへ向かってくる足音。こんな舞台の始まりは初めてで、ちょっとした緊張感がありました。
物語についていけるかな…? なんて、始まる前に少し緊張してしまいました…笑

少し明るくなるステージに、光くん達がいました。光くんが出る舞台を観劇するのは初めてだったので、私はこの時点でもう胸がいっぱいになってしまいました…
ステージに立つ光くんがなんだか眩しくて、嬉しくて、はじまりからもう情緒がとんでもないことになりましたね🥲💛


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はじまり

初めに響いたのは、ベートーヴェンが作曲した曲。“交響曲第5番「運命」第1楽章より”でした。

今回の舞台は、ピアノ・ヴァイオリン・チェロの生演奏があるのです。凄く贅沢ですよね。
普段はあまりクラシックを聴いたりしないのですが、とても美しい音色にうっとりしてしまいました。本当に美しかったです。

演奏が終わると、ついに物語のスタート。
八乙女光 演じる「フェルディナント・リース」の語りで、物語は始まります。


「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(池田努)」が亡くなったという報せを受けてウィーンへと戻ったリースは、彼の秘書を務めていた「アントン・シンドラー」からベートーヴェンの遺言について聞かされます。
ベートーヴェンの遺言は、彼が愛した「不滅の恋人」へ自分の財産を譲るという1枚の手紙でした。

シンドラーはベートーヴェンの愛弟子だったリースに手紙の宛先を探して欲しいと頼みます。
そして、「もし、不滅の恋人が見つかったらどうするのですか?」と問いかけるリースに、「手紙と併せて、マエストロ(ベートーヴェン)の本当の姿を本にして発表したい」と答えるシンドラー。

その答えに、「発表!?」と驚くリースは、やや納得いかなそうな表情をしつつ、この件をしぶしぶ了承。リースの「不滅の恋人」を探す旅が始まります。


このシーン、初見時に私は、なぜ発表することにリースはそんなに驚くのだろうか?と思いました。へー、そうなんだ、くらいの気持ちで聞いていたので。
改めて内容を振り返ってみて、ここでのリースの驚きと若干の納得のいかなさは、彼のベートーヴェンへ向ける優しさや共に過ごしたからこその想いの現れだったんです…


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1801年の秋

時は少し遡り、リースがベートーヴェンに弟子入りを果たしたあとの日々のエピソードが語られます。

ベートーヴェンのつけるレッスンは週に3日。「レッスンは厳しかった…!」とリースが語るほど、彼の師の指導は厳しかったようです。
けれど、厳しいだけではなかった様子。ベートーヴェンはリースを食事に連れて行ったり、一緒に散歩もしたりしたそうでした。
気難しいというイメージが強いベートーヴェンですが、リースは彼をかなり慕っていたようです。

お散歩中、「せんせーい!」と呼びかけ、農夫の笛の音が素敵だと話すリース。しかし、ベートーヴェンにその音は聞こえておらず…
「冗談だろ…?」
「そうです…冗談です…」
というやり取りを行っているところで、胸が痛くなってしまいました。ベートーヴェンの難聴はこの頃から始まっていたのです…

難聴のことは誰にも悟られたくない!とリースに打ち明けるベートーヴェン。

難聴を知られまいと振る舞うあまり、ベートーヴェンは人嫌いで偏屈という印象を周りに抱かせてしまうことになりました。
けれど、彼をよく知るリースから見たベートーヴェンは全く違っていました。「あんなに優しくてデリケートで傷つきやすい人はいない」と語るほどに…

ここで”ピアノソナタ第8番「悲愴」より第二楽章(トリオ版)”が演奏されます。


ベートーヴェンに弟子入りするまでのリースも凄く色々な事があったのですが、そこは割愛されていました。ちょっと聞きたかったなぁ、なんて思ったり…💭
まあそれはさておき、ベートーヴェンやリースの心を思うと切なくなってしまいますね。

ちなみに、シンドラーが言っていた「マエストロの本当の姿」というは、ベートーヴェンの難聴の事なのかなと思います。
シンドラーもシンドラーでベートーヴェンを想っての行動なのでしょう。誤解されている!とベートーヴェンの事を気にかけている様子だつたので。
しかし、リースからしたら師が必死に隠してきたことを公開するのか!?という感じだったのではないでしょうか。それは確かに、あの反応にもなりますよね。ここでようやく気づけたので、だいぶ勉強不足でしたね…

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アンナ・マリー・エルデーディ

早速、「不滅の恋人」探しに取り掛かるリース。
彼がまずあたりをつけたのは、「アンナ・マリー・エルデーディ(貴城けい)」でした。

アンナは以前、ベートーヴェンと共同生活を行っていました。 「先生の性格じゃ考えられない。深い信頼と尊敬をしていたに違いない。」「彼女は誰よりも先生の音楽を理解していた」と
師をよく知るリースが思うくらいですから、相当な信頼関係があったのだと思います。

リースにベートーヴェンのことについて訊ねられ、「可哀想なルートヴィヒ、誰もあなたの孤独な心を理解してやれなかった…」と話し出すアンナ。
ベートーヴェンと過ごす日々は素晴らしいものだったそうですが、彼はちょっとした諍いで出ていってしまった…という事でした。

それが最後だったのか?とリースが問います。それに対して、諍いがあってしばらくしてから彼が「君に捧げたい」と楽譜を持って会いに来た、とアンナが答えます。


ここで”ピアノ三重奏曲第5番「幽霊」第1楽章より<アンナ・マリー・エルデーディへ献呈>”が演奏されました。
この曲こそが、ベートーヴェンが彼女に捧げた曲なのでした。


「ところで手紙を見せて?」と、リースの持ってきた手紙を見せてもらうアンナ。そして、涙を流しながら「彼は私を"君”とは呼ばなかったわ…」と自分宛の手紙では無いことを見抜きまく。

これに対して、「じゃあ一体誰が!?」と、少し焦った様子で彼女を問い詰めてしまうリース。しかし、ここで思わぬ情報が手に入ります。

「不滅の恋人」とは、ベートーヴェンが結婚を意識した、彼の教え子の「ジュリエッタ・グイチャルディ(能條愛未)」ではないか?と、アンナが新たなる候補を紹介してくれたのでした。


多くの恋人がいたベートーヴェンですが、彼はアンナの事もきっととても大切に想っていたのでしょうね。けれど、彼の愛した「不滅の恋人」はアンナではなかった。
アンナもベートーヴェンを想っていたからこそ、手紙を読んで涙を流したのだとは思うのですが、また別の感情もあるような気がして。
ベートーヴェンの孤独をよく知るアンナだからこそ、彼に「不滅の恋人」とまで呼び、想いを寄せる相手がいた事に少しほっとしたのかな、なんて思ったり。これは私のただの想像ですが…

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ジュリエッタ・グイチャルディ

アンナからの情報をもとに、ジュリエッタの元へと向かいます。
早速、ジュリエッタに「あなたと先生の友情について教えてください」と訊ねるリース。
それに対し、「何故私があなたに答えなければならないの?」と戸惑うように答えるジュリエッタ。
しかし、「私ではなく、先生が求めているんです」とリースについて説明され、話すことを決意します。ただし、「鍵をかけて!」「口外しないで!」と、前置きするジュリエッタ。
「それで、あなたが聞きたいのは私とルイジの関係?」と彼との関係について語りだします。

1800年の秋
ジュリエッタが17歳の頃に、彼女とベートーヴェンは出会います。ベートーヴェン側のかなり強引な出会いではありましたが、ジュリエッタはベートーヴェンの教え子となりました。
そこから互いに想い合い、ついにはベートーヴェンから結婚の申し出もありました。しかし、その申し出は彼女の父によって却下されてしまいます。ジュリエッタの父は、ベートーヴェンが病気かなにかではないか?と疑っていた故に。
確かに、いくら有名なベートーヴェンと言えども、彼がピアノを弾いたりしたのを父娘揃って一度も見たこと無いというは不安にもなりますよね。

そんな父を説得する為、あるアイディアを思いつくジュリエッタ。それは、屋敷に新品のピアノを用意し、屋敷に誰もいないからピアノを弾きに来ないか?という誘いでした。と言いつつも、影から父と自身がベートーヴェンの様子を窺うというものでしたが…
その誘いに乗ったベートーヴェンは、ついにピアノを弾いたのです。


ここで”ピアノソナタ第14番「月光」第1楽章より<ジュリエッタ・グイチャルディへ献呈>”が演奏されます。
誰もいないと思った屋敷でベートーヴェンが弾いた曲です。


そして、「あまりの美しい調べに、つい彼に近寄り、ルイジを触ってしまった…」と当時を振り返るジュリエッタ。
ジュリエッタ達がいることに気づいたベートーヴェンは「私を試したのか!?君は大きな過ちを犯した!私は君たちの所有物でもない!私はもう君とは二度と会わない!!」と激昂します。
なんとか誤解を解こうとベートーヴェンに必死に訴えかけるジュリエッタですが、彼が振り返ることはありませんでした。
そう、ジュリエッタの声も聞こえないほどに、彼の難聴が進んでいたのです…

それが彼との最後になったのか?とリースが問うと、「手紙を何通か、曲も」と答えるジュリエッタ。そう、彼女に贈られたのは、ベートーヴェンがあの日に弾いた曲だったのです。
この話を聞き、「先生とのあなたはどうなんですか!?」と焦った様子で矢継ぎ早にジュリエッタを問い詰めるリース。
けれど、ジュリエッタはなにも答えてはくれず、リースは失望の中で帰ることになるのでした…


ジュリエッタの元へ向かう時の、馬車の音だけが響く演出が個人的にとても好きでした。なんだかリースと一緒に旅をしているような心地になれるんですよね。不思議な感覚です。

さて、ジュリエッタについてですが、個人的には関係こじれても仕方ないなぁ…という感じな気持ちで見てしまいました。それはベートーヴェンも怒りますよね…流石に騙すのは良くない…
でも、そんな事があったけれども、あとから彼女に曲を送ったベートーヴェン。彼女への捨てきれない情があったのでしょうね。
でも正直、なかなか皮肉めいた曲を送るな…とは思ってしまいましたが。

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師への想いを巡らせるリース

ジュリエッタの元からの帰路にて、ふと、遺書のことを思い出すリース。
遺書から考えるに、20年前には難聴になっていた?では当時の曜日は?当時はどこに居たのか?等、考えを巡らせます。
そして1つ思いついた事があり、その場所へと向かうのでした。


ここで、”ヴァイオリンソナタ第5番「春」ヘ長調第1楽章”が演奏されます。


誰よりも傷つきやすく、孤独で、愛する人を失うこと怖がっていた…と、ベートーヴェンへの想いを語るリース。
難聴のこと、アンナやジュリエッタとのこと、色々な姿を見てきたからこそなんでしょうね。
リースの師を想う心に、やさしさに、なんだか胸がいっぱいになってしまうシーンでした。

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レイクホテル

ここから2幕です。
2幕は“ロマンス第2番ヘ長調Op50より”の演奏から始まりました。

失望の中で、「不滅の恋人」へ手紙を書いた時期、そしてその場所を思いついたリースは、その地へと向かいます。
その地で片っ端からホテルをあたりまくるリース。そしてついに、ベートーヴェンが宿泊していたホテルを見つけ出します!

早速、オーナーの女性に話しかけるのも、ベートーヴェンの名を出した途端に変わる顔色…
なんと、ベートーヴェンは宿泊した際に部屋をめちゃくちゃにしてしまったとのこと。
しかしそれに負けず、その時の損害を支払うから!今!なんとか話聞かせてくれないか!とリースが交渉し、事なきを得ました。

ホテルに宿泊していたベートーヴェンは、「自分は外出するから、ここに来る夫人にこの手紙を渡してほしい」「自分の部屋で待つように伝えてほしい」とオーナーに頼んだのでした。
けれどオーナーによると、夫人には断れてしまい、夫人はラウンジで少し彼を待ちましたが、少ししてそのまま出ていってしまったとの事。

そして、帰ってきてこの事を知ったベートーヴェンは大激怒。いや、ショックだったのかもしれません。とにかく、感情が爆発。シーツや椅子を破壊しまくります。オーナーが叱っても、ぐしゃぐしゃになった手紙を持ったまま無言。でも今思うと、あれは悲しんでたのかも…と思い返すオーナー。

顔は覚えていない…というオーナーでしたが、なんと、夫人が「ドイツ語なまりのオーストリアの方」だったという事を思い出してくれます。
ここで当てはまる人物を思いついたリースは
一筋の光が見えたのでした。次に向かう地は、フランクフルトです!


ここで”ピアノソナタ第17番「テンペスト」ニ短調第3楽章より”の演奏が入ります。


ベートーヴェンめっちゃ感情の爆発凄いな!?となったシーンでした。そりゃ、オーナーも怒るし、警察きたのかと疑いますよね…笑
でも、ベートーヴェンの気持ちも分かるんですよね。どこにどうこの感情を吐き出せばよいのか…!となり、爆発してしまったのでしょうね。あまりにもな事に。
でもやっぱり、物は壊しすぎだね…でも色々な不安の中で暮らしていたらそうもなるのかなぁ…なんて思ったり。

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アントニー・ブレンターノ

到着して宿を取り、手紙で「アントニー・ブレンターノ(貴城けい)」への面会を申し込みます。すると、自分が来るのを待っていたかのように、すぐ許可が出ました。
彼女は、いつか、ベートーヴェンを知る者が自分を訪ねて来ると思いっていた…と話します。

「あなたはベートーヴェンと愛し合っていたのですか?」と率直に問いかけるリース。しかし、それに対する彼女の答えは「Yesであり、Noよ」という曖昧な答えでした。
「今から話すことは、あなたの胸にしまっておいて」と前置きしてから、アントニーは語り始めます。

自分は18の頃に結婚したが、それは豊かな暮らしに見えたけど過酷な毎日で。夫ともすれ違い、心身症を患うくらい辛い日々だったことを語ります。そんな中、父の病状に合わせてウィーンの実家に戻る機会がやって来ました。
でもそれはただの言い訳で、本当は、色々な事をやり直して自由になりたかったのだと。
そしてそこで、初めてベートーヴェンに出会ったと語ります。


ここで”ピアノ三重奏曲第8番 woO39より<マクシミリアーネ(マクセ)・ブレンターノへ献呈>”が演奏されます。
この曲は、アントニーの娘「マクセ」でも弾けるような優しい曲だったそうです。


ベートーヴェンは、病気がちな自分を案じて、毎日彼女のもとに来てくれたそうでした。彼は愛の言葉は口にしなかったけど音楽で愛の言葉を伝えてくれてた、と愛おしげに話します。
そんな中、テプリッツに家族で旅行に行くことになっアントニー。なんとそこで、「テプリッツで会おう」と約束を取り付けたベートーヴェン。
会う日まで迷いながらも、結局はアントニーは彼に会いに行ったのでした。そう、約束のホテル「レイクホテル」へ。
けれど、しばらく待っても彼は帰ってこない。だから彼女は「これが彼と私の運命かな…」とその場を後にしたのだと言います。

「それが最後の別れだったのですか?」と問いかけるリース。でも、それが最後ではありませんでした。
アントニーはベートーヴェンの最期の時、彼の傍にいたそうです。お腹に水が溜まったり、それを抜く手術をしたりと、もう体はボロボロだったベートーヴェンですが、目だけは輝き失ってなかったそうです。
そして、彼が望むよう、ピアノの側まで連れて行くアントニー。

ここで”ピアノソナタ第30番ホ長調 Op109第1楽章より<アントニー・ブレンターノへ献呈>”が演奏されます。
アントニーへの想いを込めて作った曲ですね。


全てを語り終えたアントニーに、「なぜ読まれなかったのですか!どうして、なんでですか!いつまでもあなたのことを…!!」と、問い詰めるリース。
アントニーは、「彼の愛を失うのが怖かった…また愛を失うのが怖かった…手紙を読まなかったのが応え…」と答えつつも、「でも、自分が間違っていた…」と手紙を読んで涙を流します。

そんな姿を見つめながら、「それは先生からあなたへの手紙です。私の役目は終わりました。もう会うこともないでしょう」と話し、その場を去るリース。シンドラーから預かった手紙を、リースは回収しませんでした。

全てが終わり、屋敷へと戻ったリースを待っていたのはシンドラーでした。手紙の主が見つからなかった事を伝えると、手紙の返却を求められます。
それに対して、「燃えました!火です!」と答えるとリース。シンドラーは激おこでしたが、「どうぞご勝手に」とシンドラーの元を 立ち去ります。


ここ、凄く好きなシーンなんですよね。
普段は誠実で温厚だけれども、自分の曲げられない部分であれば、大胆に出るところはでる!というリースらしい所が出ていて。目の前のことよりも、大切に想う先生の気持ちを優先したんだな、と。


ーーー

さいごに

今では先生のことを「世界的な演奏家」などと呼び、賛辞の言葉ばかりで溢れているけれど、
そんな言葉になんの意味があるんだろうか?果たしてそれは先生の真の姿なのでしょうか?

ひたすら音楽を求め、怒りも愛も全て受け入れ、自らの返り血を浴びながら駆け抜けた。
ベートーヴェンの人生を、リースはそう振り返ります。

「残された僕らは平原にいる。
でも私たちは新しい道を歩む。
先生に近づける日を目指して。
本当にありがとうございました。」


ここで”ピアノ三重奏曲第7番「大公」第3楽章より”が演奏され、物語は幕を閉じます。


最後の言葉は、ベートーヴェンの葛藤や想いを傍で見てきたからリースだからこそ出てきた気持ちなのでしょうね。先生の本当の姿を知っているからこそ。

この舞台を通して、ベートーヴェンの人生や葛藤を、そしてその愛弟子リースの想いを受け取れたこと、良かったなと思います。
耳は幸せに、色んな気持ちに胸がいっぱいになる、そんな素敵な舞台でした。

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