フットボールビジネス実践部~大和シルフィード×CINK~
皆さんこんにちは、ひかるです!
今回は12/7 21:00から行われた大和シルフィード×CINK フットボールビジネス実践部(オープンセッション)の内容についてまとめました。この度、大和シルフィード様(以下敬称略)とCINKはグローバルコミュニケーションパートナー提携を結び、今後の活動に取り組むことに!その1回目のセッションとしてフットボールビジネス実践部を開催、大多和社長にもお越しいただき大和シルフィードや女子サッカーリーグについて主にお話しいただきました。グローバルコミュニケーションパートナーと今後の具体的な活動は以下の通りです。
<グローバルコミュニケーションパートナーとは>
1.大和シルフィードの魅力を世界に発信し、クラブと世界の橋渡しとなる
2.海外・国内の女子サッカーの情報を大和シルフィードへ提供し、発展に寄与する
〈具体的な活動〉
1.大和シルフィードのクラブの未来を作る公開討論会をCINKメンバー向けコンテンツとしてオンラインで実施
2.公開討論会を通じて、クラブの課題解決に繋がる施策立案と実行を行い、プロセスから結果までを情報発信する
~大和シルフィードについて~
まずは大和シルフィードについて紹介します!
(詳しくはこちらへ→https://www.yamato-sylphid.com/)
大和シルフィードは神奈川県大和市を拠点とする女子サッカーチーム。チームの歴史を辿ると1978年まで遡ります。当時大和市での小学生の女子サッカーチームとして発足し、10年後の1988年にはu-15の女子チームが設立、2014年に大和シルフィード・トップチームが発足。今年はなでしこリーグ1部でプレー、40年以上の歴史がある女子サッカーチームです。u-15のチーム設立初期には、なでしこジャパンとして世界一に輝いた川澄奈穂美選手と上尾野辺めぐみ選手も在籍していました!歴史のあるクラブだけでなく世界へ女子選手を輩出したクラブでもあるのです!
~フットボールビジネス実践部とは~
以上の紹介を踏まえて、本題に入っていきましょう!この度大和シルフィードとCINK FOOTBALL SQUAREが、グローバルコミュニケーションパートナー提携を結び、フットボールビジネス実践部の場を設けCINKのインストラクターの方とメンバー陣が大和シルフィードと共に更なる発展を目指し議論、実践を重ねていくことになりました。詳しくは下記の画像をご参照ください。
上記の通り、大和シルフィードが掲げる「女子サッカーを通して地域を元気にする」というビジョンに向かって様々な観点から議論を行っていきます。
~現在の女子リーグの構成~
まずは現在の女子サッカーリーグの編成について説明します。2020年まではなでしこリーグの1部、2部、3部に相当するチャレンジリーグと地域リーグの構成でした。
今年からは女子のプロリーグ「WEリーグ」が発足に伴いリーグ編成が変わりました。WEリーグに参加するチームを除いたチームによるなでしこリーグ1部、2部、そして地域リーグがアマチュアリーグとして運営されることに。WEリーグへの参加条件は「プロ契約選手が15名以上いること」、「プロ基準相当のホームスタジアム」など財務基盤を安定させて取り組まなければならないことが多々あります。しかし、男子のリーグと異なる点は、WEリーグには昇降格制度がないため、参加資格に順位は関係ないということ。そのため極端な話、「プロ契約の選手」「基準を満たしたスタジアム」が確保できればWEリーグに参戦することが可能になるのです。
~大和シルフィードの課題と現在の活動~
現在の課題・取り組みは以下の通り。
①男子チームとの差別化
→SDGsに取り組み社会貢献
②少ないメディア露出のためスポンサーの獲得が困難
③スタジアムと集客
①男子サッカーとは違うブランディング
女子サッカーチームの知名度はまだまだ高くはありません。男子サッカーと女子サッカーを見たときに男子の方が現状のビジネス規模、ファン・サポーターの認知度など様々な面で上回ります。女子サッカーはJチームの持っている、以上のような魅力を求めていくだけでなく、女子サッカーならではの付加価値を付けていくことがブランディングのカギになるのではないでしょうか。そこで、現在大和シルフィードが力を入れている活動として社会連携やSDGsへの貢献が挙げられます。社会連携の面では女子選手が地域の教育機関への訪問、選手パネルを地域の市役所、駅構内などに設置し地域との密接化を試みているそうです。SDGsの面では神奈川県と「SDGs社会的インパクト評価実証事業」をスタートし、女性アスリート・働く女性のヘルスケア・10代の女性のサポートに重点を置いて活動をしています。指導者ライセンス獲得の促進やJFA女性リーダーシッププログラムのように女性選手以外のチーム、サッカーに携わる女性を育成し女性のエンパワーメントを図ろうとしています。
②スポンサー獲得の難しさ
浦和、広島、新潟など男子のJクラブも持っているチームと違い、大和シルフィードは独自の女子チームとなっておりリソースの受け渡しができないというデメリットがあります。そこでWEリーグ参戦のための資金調達【BtoB(スポンサーシップの形)、BtoC(新規顧客の獲得)】の方法を探っていく必要があります。BtoBマーケティングの観点で男子サッカーと異なる点は、メディア露出度が高くないため看板スポンサーやユニフォームスポンサーではあまり効果がないということ。その他の観点から、スポンサーシップ、あるいはパートナーシップの形を見つける必要が出てきます。そこで、①でも述べたような、現在力を入れて取り組まれている社会やSDGsへの貢献の点で社会へのメッセージを発信していくソーシャルマーケティングが1つカギとなるのではないでしょうか。BtoCの面でもソーシャルマーケティングをテーマに、女性に希望を与えられる存在や興味を持ってもえらえるように女性ファンをターゲットに施策を考えるのも面白いのではないでしょうか。
③スタジアムと集客
現状の大和シルフィードのホームスタジアムは2,400席しかなく、WEリーグの基準となる5,000席の半分以下にとどまっていまいます。そのため大和市周辺で基準を満たしているスタジアムを確保しなければならないでしょう。この場合、スタジアムを借りるためにどのようなプロセスを取るかを考えていかなければなりません。また、現在のホームスタジアムを、WEリーグ参戦の条件を満たすように改修するという案も考えられます。その場合、改修費をどのようなスキームで調達するかということも議論を重ねる必要があります。
集客の面では、スタジアムの5,000席の確保に伴い平均観客動員数も5,000人を目指しています。しかし世界的に見ても欧州でトップのバルセロナでもスタジアムのキャパシティが7,000人にとどまってしまっています。ただ、女子サッカーには女子サッカーならではの魅力があるのではないでしょうか。男子サッカーよりも女子サッカーの方が選手との距離の近さ、いわゆる親しみやすさの面でアドバンテージがあると思います。イングランドでは試合後のファンサービスで選手がスタジアムを1周してファンの方と写真を撮ったりサインを書いたりするそうです。男子のプロの規模まで考えるとこれを毎試合行うのは厳しいですよね。規模感がまだそこまで大きくないからこそできることであるとは思いますが、今応援してくださるファンを大切にするという意味でも、男子サッカーにはない付加価値をつけるという意味でもこの取り組みは行っていきたいですね。
以上の通り、クラブが抱える問題はスタジアム、プロ契約選手の給与などの金銭面での課題が挙げられます。さらに、そのための資金を確保するためのBtoBマーケに当てはまるスポンサーシップの形の見直し、BtoCマーケの面では女性選手が女性にとって憧れの存在になったり、「自分の娘に見せたい!」という家族連れのサポーターが増えるようにSDGsのジェンダーの観点からも女性からの認知や人気の獲得も狙っていきたいですね!BtoB、BtoC、いずれにせよソーシャルマーケティングという言葉がカギになりそうです。
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今回は大和シルフィードとのセッション初回ということでイントロダクションを主にお話しいただきました。参加いただいた皆さん、大変ありがとうございました。次回以降は、今回話した内容をもとにより具体的なアイデアをフットボール実践部で深堀りしていく予定です。今回ご参加できなかった方でも興味を持ってくださった方は次回以降一緒に議論を重ねていきましょう!大和シルフィードとのプロジェクトも途中参加大歓迎ですので是非ご参加ください!参加方法については下記のリンクからご覧いただけます!また、今後のセッションの情報はCINKのTwitterアカウントでも随時お知らせしますのでフォローをよろしくお願いします!
最後に、CINKについて改めてみなさんにご紹介します。CINK FOOTBALL SQUAREは"サッカー文化を広げるためのコミュニティ”として活動しており、サッカーに携わる様々な分野(コーチング、ビジネスなど)で活躍されている方を招いてセッションやイベントを開催しております。サッカーという共通項を通して年齢、性別、立場を超えて時間を共有する広場(Square)、それがCINK FOOTBALL SQUAREなのです!みなさん是非ご参加ください!
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