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資料の準備が無い会議滅びろ委員会

これはなにか

この記事は表題の通り、『資料の準備が無い会議』をこの世から可能な限り滅殺したいと考える筆者の考えを述べたものです。

資料がない会議はその大半が非効率なものであり、参加者の時間をいたずらに消費するだけの害悪でしかありません。

また、会議を設定しておきながら資料の準備をしない(もしくは然るべき人に準備を指示していない)方の存在は、会社全体の生産性を下げるコトになります。はっきりいいます。害虫です。その方が高い職位にあっても、どんなに忙しい方でも関係ありません。その場合は他の人間に用意するように指示していればいいだけの話です。

....やや言葉が過ぎました。

それはともかく、僕は会議には資料が良いされている方が、はるかに世の中を良くすると思っています。

その理由を話す前に、まず大前提となる、『会議とか何か』そして『資料とはなにか』について考えてみたいと思います。

最初に注意

ここで言う"資料"とは『ガッツリ50pのパワポ』のことは意味していません。必要な情報がベタ書きされた10行程度のWordファイルでも構いません。立派な資料です。

『めちゃめちゃちゃんと用意しないと、会議なんて開いちゃだめ』ということが言いたいわけではありません。資料という言葉が重く聞こえすぎて、誤解を招いてしまっていたら申し訳ありません。


記事にする前に頂いたコメント。
確かに『資料』っていう言葉は重いのかも。

重要なのは、

・必要な最低限の情報がちゃんと用意されていること
・全員が同じものを見ながら会議ができること

です。その条件が満たされている限りは、資料のボリュームの多寡は関係ありません。

そもそも会議とはなにか

最初に、そもそも組織において発生する『会議』とはいかなるものなのかを考えてみたいと思います。

私の観測する範囲で恐縮ですが、基本的には会議というものの目的は突き詰めれば下記の3つ以外はほぼ存在しないように思います。


会議の分類

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やや例外的な目的をもつミーティングとして、『D. 相互理解を深める』というものも存在します。Yahoo! Japanの推奨する1on1などは、このDの要素を含んだものでしょう。

また、プロジェクトメンバー同士の顔合わせなどをメインの目的としたキックオフMTGなどもこの性格を持っていそうです。

MTG....meetingの略称として筆者が使っている。別の略称のかたもいらっしゃることでしょう。

ただし、1on1は会議室で行われることはあるものの、純粋に相互理解を深めることだけを目的としている場合には、会議と呼称するにはやや性質の違うものであると言ってよいでしょう。

また、キックオフなども、相互理解を深めることの他に、プロジェクトの背景や趣旨の説明、具体的な作業要素の伝達などの要素が含まれることが一般的でしょう。そういった要素については、先程のA/B/Cの分類で説明することが可能です。

以上を勘案し、簡単のために『D. 相互理解を深める』だけを目的とした会合は、この記事で述べる"会議"には含まないと考えます。

そうなると、改めて会議の目的はA/B/Cの3分類で説明できることになるのですが、これらについて少し解説をしていきましょう。


会議の分類(再掲)

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A / 意思判断

なにかしらの『決まっていない』事柄を『決める(判断する)』ために行う会議です。一般的にわかりやすいのは、決定権を持つ自分の上席者などに対してお伺いを立てたり、承認を取るためのMTGなどが該当するでしょう。

また、自分だけでは解決できない問題に対して相談をし、アドバイスを貰うような場面もあると思いますが、これも広義にはこのパターンに当てはまると考えて良いでしょう。

つまり、このタイプの会議では『相談者』と『判断者』が存在し、その両者の間に、

・権限
・スキル/知識

のどちらかに関する非対称性があり、『相談者』だけで物事を決めきれない事項を解消するために発生します。

B / 共有・通達

Aは『権限/スキル/知識』に関する非対称性によって発生します。
それに対して、このBは『情報』に関する非対称性によって発生する会議と言えるでしょう。

共有・通達』はすでに決まった事柄や、役に立つと思われる事実などに関する情報の非対称性を解消するために行われます。

チーム全体への共有事項や、プロジェクト概要の共有を目的としたキックオフMTG、調査事項についてのレポーティングなどがわかりやすいでしょう。

またその他、作業者に対して監督者が何らかの指示を出すための会議もこれに該当します。作業者は、会議以前では監督者しか持っていなかった情報を受け取ることによって、正しく作業に着手することが可能になります。

C / ディスカッション

ディスカッションは、主に個々人の持つ『発想力・情報量の差異』を利用してアウトプットを期待する会議です。

あれ、『情報量の差異』がでてくるならB / 共有・通達の一種になるんじゃないの?と思った方もいるかも知れません。その場合は読みなおしていただきたいのですが、Bではあくまで『情報』に関する非対称性という言い方をしています。

この違いを簡単に説明してみると、

『あの社内プロジェクトが5月にスタートする』という社内の情報を佐藤さんが知っており、石原さんが知らない場合、これは情報の非対称性になります。石原さんがプロジェクトに関係する人になる場合、佐藤さんは石原さんとB / 共有・通達の会議を行い、情報を共有するのが良いでしょう。

いっぽう、『佐藤さんは中国の鉄鋼業界に詳しい』『石原さんは世界の石油情勢に詳しい』という状況は情報量の差異にあたります。この二人が、中国でのタンカー製造に関わるビジネスアイディアをディスカッションすれば良いアイディアが出るかもしれませんね。


さて戻りますが、ディスカッションは個々人の持つ『発想力・情報量の差異』を利用してアウトプットを期待する会議です。

ある議題が用意された状況で、参加者のもつ発想と情報の多様性を使って、自分個人では出せないアイディアを生み出すことを目的としています。

プチまとめ

つまりはこういうことになります

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つぎに、『会議において必要な情報』とは何かを考えてみましょう。
基本的には情報の集合体が『資料』と考えます。


会議に必要な情報とはなにか

シンプルに考えると会議に利用される情報というのは次の4種類しかありません。どのような情報でも、広義で見れば次の4つに分類されます。


会議に必要な種類のタイプ

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1 / 与件

すでに決定されている、物事を決定する際には前提として考えるべき事項についての情報です。

『予算は残り5000万円』『2期連続赤字は絶対に避けろと言われている』『50%以上の出資はしない』『コンプライアンスに抵触する事業は禁止』などを想像していただけるとわかりやすいかもしれません。

すでに決まっており、変更はできず、全ての議論の前提条件となる、という情報が『与件』です。

もちろん状況によっては、これらの与件自体を変える必要があることもあるでしょう。与件の是非を疑う能力は非常に重要です。

ご想像できます通り、与件の情報が開示されていない会議は非常に非効率で不毛です。経験がある方も多いかもしれません。

30分議論を戦わせた挙げ句、上席者のある人が放つ一言

「でもそれ、〇〇な理由でNGだからな〜」

だったらそれを先に言ってくれよ....誰もが脳裏にこのセリフが浮かぶ、これがまさに与件という名の情報を欠いている会議です。

2 / 論点

まだ決まっていない事柄で、何を決めたいのかを定義したものが『論点』です。

決めたいことは、単なる「yes or no」のこともありますし、複数の選択肢の中からの選択のこともあります。無数の選択肢が存在する場合もあります。

論点のない会議などこの世に存在しないように思えますが、残念ながらこの世の中には一定数このような会議でカレンダーが埋められているような会社も元気に運営しているようです。

また、なんとなくの論点はあるが明確ではない会議まで含めると、その数は一気に膨れ上がるかもしれません。

論点が無い会議というのは恐ろしいです。集められた参加者たちが顔を見合わせて、俺たち、なんのために集まってるんだ....? という疑問が脳裏に浮かぶ、それが論点が無い会議です。

3 / 判断材料・事実

何かを決める際に、参考となる情報です。

データやレポートなどがわかりやすいでしょう。基本的には客観的な事実で構成されます。

これが必要な会議において用意されていないと、『俺はこう思う』『いや俺の経験ではこうだ』というN=1の、へえーアンタはそういう考えの人なんだー(棒)としかリアクションの取りようのない主観合戦が繰り広げられます。なお、大抵の職場では同じN=1でも職位の高い人のオレオレ主観は重んじられるようです。不毛ですね。

4 / 触媒

用意されていると発想やアイディアの捻出が捗る何かです。代表的なものとして、『フレームワーク』が挙げられます。触媒は一般的に言う"情報"とは多少性質が異なるものです。

想像できると思いますが、主にディスカッション型の会議で力を発揮します。

プチまとめ

わかりやすさのために、「犬を買いたい佐藤さん一家」について、4つの情報を具体例で書いてみます。

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なんとなくおわかりいただけたでしょうか。

会議にはなぜ資料が必要なのか

ここまででいくつか例を出しているように、情報(資料)が用意されていない会議が悲惨なものになり得ることは、おおよそ理解されたのではないかと思います。

先立って述べたとおり、ここでいう資料は『ガッツリ50pのパワポ』のことは意味していません。必要な情報がベタ書きされた10行程度のWordファイルでも構いません。立派な資料です。それだけでいいのです。

ここでもう少し深く会議に向けて資料を用意することの意義を考えてみましょう。


1 / 自分で思っているよりも理解していない

会議に際して資料を準備しようと思ったのに、上手く書けない、何を掛けばいいのかわからない。かなり大多数の人が、このような経験したことがあるのではないでしょうか。

何故か。あなたは自分で思っているよりも、その会議で話すべきことについて理解していないのです。その会議で話すべき内容について、あまり深く考えたことが無いのです。自分がふわっとしか理解していないことは、文字に起こすことができない、ということをわかっていないのです。

しかしあなたは、実際に資料を準備する段になるまでその事に気づいていないです。

愚かでしょうか?

いえ、それは仕方のないことだと思います。僕の観測するところ、人間とはそのようにできているのではないかと思えます。唯一できることは、資料の準備に向き合い、自分の無知に気づき、そこから頑張って情報を集めて準備することだけです。

2 / 時間を短縮し議論の質を上げる

資料は時間的な非同期性を提供してくれます。一番のメリットを簡単に言えば、事前に共有することができるということでしょう。最低限の情報には目を通してもらったうえで、会議を始めることができます。

また、会議に遅れてくる人がいた場合も、同じことを二度説明せずに済むかもしれません。

会議に使う時間を短縮して、議論の質を大幅に引き上げることができます。

3 / 同じものを見ながら議論する

ひとは注意が散漫なので、何も見るものが無いまま話をしていると、あらぬ方向に議論を発展させる人物がでてきます。

キチンと文字にされた情報を、全員で見ている状況下では、そのリスクを軽減しいつでも必要な議論の核心に戻ってくることができるでしょう。


どのタイプの会議にどの情報があるとよいか

さて、会議の種類について説明をし、資料・情報の種類とそれらの資料が必要な理由について述べてきました。

次にそれらをかけ合わせて、会議のタイプ別に必要な資料・情報の種類が何であるのかについて考えてみましょう。

ざっくりまとめるとこのような感じでしょう。


会議の種類 × 必要な資料

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見ていただいても分かる通り、全ての会議には何らかの情報が必要になるということですが、A / 意思判断は特に多くの種類の情報を必要とします。

データ分析と資料の関係性

僕は現時点ではデータ分析を主な生業としているので、データ分析と上記の図の関係性にも簡単に触れてみましょう。

いうまでもなく、データ分析は上記の情報の中で『3 / 判断材料・事実』で最も力を発揮しますが、『1 / 与件』を固める際に役立つこともあります。

また、僕はフレームワークを考えたり作ったりするのが好きなので、ディスカッション系の会議の際はほぼ100%『4 / 触媒』的な資料を用意して望んでいます。

このあたりはまた時間があれば別に記事を書いてみたいと思います。

なぜ資料のない会議が開催されるのか

これについてはいろいろなパターンが有るのだと思いますが、代表的なのは例えば下記の4つでしょう。

ほかにもこんなのあるよーって方はぜひ教えてください。

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おしまいに

最後まで読んでくださりありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。

この世から資料の準備のない会議が滅びますように。


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樫田光 | Hikaru Kashida
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