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あなたが行動習慣を作りたいと思った時に読むと役に立つ記事

2021/1/2にこの記事を書いています。
新年になって新しい何かに取り組みたいと考えている人に少しでも役に立てばと思い書きました!

こんにちは、hikaruです。

最近、「習慣化」についてとても興味があります。

僕は元来かなーーーーり怠け者なタイプで、やる気があるときと無いときの差がかなり激しい方です。スイッチのOn/Offによってかなり行動量に差が出る人種なんですよね。

スイッチが入るときはバリバリと仕事をこなすのですが、スイッチを押すのに手間がかかる。いや、自分で自分のスイッチはわかっていて、それは結局の所「まず行動すること」なんですが、スイッチがoffだとその「まずの行動」が出来ないという。服を買いに来ていく服がないから買いに行かない、的な状況が起こるわけです。

そんな自分ですが、2020年はそれまで勤めていた会社を辞めて独立したり、コロナの影響もあり、外出や行動が大きく制限される場面も多かったりと、通常運転に輪を掛けて自分自身のモチベーションコントロールが難しくなった一年でした。

そんな中で自分を救ってくれたのは「習慣のちから」でした。モチベーションが無いから行動できない...そんなジレンマを破るために必要なのは「モチベーションとは関係なく行動を自動化すること」= つまり習慣化でした。

朝起きる時間や午前中の行動、1週間の中で激しい運動をするタイミングを決め、日々の行動のうち特に1日の動き出しの「午前」の行動に徹底的に習慣の要素を入れようと努めました。

けんすうさんもこちらの記事↓の中で似たような文脈で習慣の大事さを語っていましたが、

行動する前にやる気を出すのは人間は実は難しいのです。逆にいうと、やる気がない状態でも、行動してしまえばやる気が出てきたりするのです。。掃除したくないなーと思っていても、いざ始めてしまうと意外とノッて続けてしまった、という経験はある人も多いのではないでしょうか。

それと同じで、一度始めてしまえばやる気がでてくるので、最初の一歩をなるべく敷居の低い形にしておくというのはとても有効な手です。

- 上載のけんすうさんの記事より引用


結局の所、自分が頼れるのは「モチベーション」という儚い心理的なものよりも、「習慣化」という脊髄で行えるルーティン行動だということをこの歳にして強く再認識した所存です。

モチベーションは儚い。そんなものは犬にでも食わせてやったほうがよい。

大事なのは実際の行動だ。
行動にはモチベーションが必要になる?
そんなことはない。人間には「習慣化」という前頭葉と大脳の共犯とも言うべき最強の武器がある。


というのが最近の僕の心の声です。

というわけで、この記事では僕を救ってくれてた「習慣化」について書いてみようと思いますが、例によって長くなったので、書き残したことは続編に託し、適度な長さにおさめています。

(と言ってよく続編を書かずにトンズラすることも多い僕ですが。これが「モチベーション」というやつの信頼が出来ない点でして...)


(公開後加筆)
書いてから24時間足らずではてぶで1000ブクマを軽く越え、習慣化という分野の関心度の高さに驚いています....

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年始早々書いた記事がこの跳ねっぷりなので、今年はいいことがありそうな気がします!

あと、習慣についての役立つ知識のあれこれがこのアカウントにめっちゃまとまってます。ぜひ興味ある人はフォローして参考にしてみてください!


この記事で書くこと

この記事で書いていることの多くは「どうやって新しい習慣をうまく身につけるか」という話が主題ですが、

同時に、「自分が何か習慣を身につけたい」ではなく、自社のサービスにユーザをハマらせたい、というときにも役に立つ内容が多いと思います。要はサービスにハマるというのは「習慣化している」ということとほぼイコールだからです。

● 習慣化関連の良書7冊
ここ3ヶ月で20冊程度(ナナメ読みも多いですが)の習慣化関連書籍を読んで、特に良かったと思った7冊を簡単な解説付きで紹介します。

● 習慣化について最近話したこと
ここ3ヶ月の自分の新しい習慣のひとつとしてstand.fmでPodcastを毎日録る、というものがあります。その中で何度か習慣化のコツなどについて話した回があるので、そちらを紹介します。

● 習慣化について学んだことの構造化
いろいろと文献を読んだ上で習慣化について大事だと思ったことを自分なりにまとめてみました。


読んだ本 - 習慣全般編

1 / Atomic Habits
原題は「Atomic Habits」というかっこいいタイトルなのに、輸入する際になぜか「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」という胡散臭い邦題をつけられてしまった残念な本ですが、習慣づくりの基礎となる考え方がひとしきり詰まっている良書です。

習慣を次の4つに分解し、それぞれごとに実践するためのプラクティスを授けてくれます。

1.Trigger→ 2.Desire→ 3.Action→ 4.Reward

この本の良い点は、小さな主張一つとっても必ず科学的な依拠が示されている点です。覚えておくと役立ちそうな心理学や行動学のTipsがこれでもかというほど披露されており、非常に内容に信頼が持てます。


2 / 人生を変える習慣の作り方
他の本と違い、この本はまず最初に「人間それぞれの個性の違い」と「それによって最適な習慣化の方針が違う」という、当たり前ながら重要な点にスポットライトを当てているところが白眉です。

また、単なる心理学ではなく非常に実践的な内容が多くかつ自分自身や身近な人の実例などを多用しているので読みやすいです。とはいえただのハウツー本に収まらず、最低限の科学的なフレバーがあります。

あまりに「理論」「脳科学」「論文事例」ばかり並べられても頭に入ってこない、という人はこの本から読み始めるのもいいかもしれません。


3 / 小さな習慣
この本のコンセプトはいわば、"Too Small to Fail"。

言葉の元ネタはアメリカの金融業界で使われる"Too Big Too Fail"という有名なイディオムです。これは、リーマン・ブラザーズのように大きな金融機関に対して「規模・影響ともに巨大すぎて(破綻させたくても)破綻させられない」状況を指して使う言葉です。

※ リーマン・ブラザーズは最終的に政府の意思で「意図的に」破綻を迫られましたが。この時の危機の模様、"Too Big Too Fail" の呪いを描いたドキュメント本の Too Big Too Fail(邦題:リーマンショックコンフィデンシャル) は僕的にはイチオシの金融本です。

それと逆の言葉 "Too Small to Fail" は「ちょっとしたこと過ぎて失敗しようがない」ほどの小さな行動習慣を推奨するコンセプトワードです。「運動を習慣化する」ではなく「毎日1回腕立て伏せをする」という目標設定がなぜ重要なのかを教えてくれます。

また、この本に出てきた「大脳基底核」と「前頭前野」という、習慣化に関わる脳の2つの機能の違いを理解することが、習慣化とは何なのか?という問いに対する科学的な答えを提供してくれます。


4 / 自分を操る超集中術

本の主題は「集中力」ですが、内容の多くは習慣化と関連するものです。

集中力の源は前頭葉の「ウィルパワー」であり、またそのパワーは有限のリソースである、ということを理解できる点がこの本の最大の果実です。

集中力は有限であり、逆にそのいかにリソースを無駄に消費せずにアウトプットを出すか = 習慣化のちからをレバレッジするか、について科学的な根拠を示しながらわかりやすく記述してくれています。

このウィルパワーという概念を理解すると、集中力・意思決断・脳の疲れの理由・習慣化が必要な理由など、幅広い分野において腹落ちすることが増えます。

前頭葉・大脳・ウィルパワーなどの働きと違いに関しては、大枠では前述の「小さな習慣」と近いことが書かれているので、両方読むことでより理解が深まった気になれます。


5 / イチローの成功習慣に学ぶ

習慣といえばこの人、と言ってもよいあの人についての本です。

科学的な習慣の理論などについてはあまり書いてないですが、イチローの名言がこれでもかというくらいに出てくるので、「なぜ習慣が大事なのか」「習慣を極めるとはどういうことなのか」を学ぶのにとてもよい一冊です。

例えば、イチロー選手は自分なりのスタイルを突き詰めることにいかに熱意を持っていたか、という逸話。

彼はオリックスへ入団した当初の二年間、一軍と二軍を行ったりきたりの生活を送っていますが、この下積み時代に当時のコーチからフォームの変更を命令されます。

「オレの言うことを聞いてフォームを変えれば一軍に置いてやる。そうでなければ二軍に行け!」

イチロー選手は即座に「二軍に行きます」と答えて、合宿所に移っていったそうです.... (中略)....それほど自分の型、流儀、方法論などに対するこだわりや自負が強烈だったのです

- 「イチローの成功習慣」に学ぶ 第3章より

カッコいい。
自分で決めたことを淡々とやり続ける、繰り返す、そしてまた調整し進化させた上で続ける、というサイクルの大事さを誰よりもよく知っている...!

6 / 習慣の力
シンプルなタイトル。
個人の習慣の他に「企業の習慣」や「社会全体の習慣」など、より大きなテーマが扱われています。習慣化のためのノウハウ、ではなくて習慣というものがいかに社会的に大きな影響を及ぼしうるか、についての黙示録と思ったほうがいいかもしれません。


読んだ本 - サービス応用編

習慣自体の書籍というよりも、習慣や行動というものをどのように捉えてサービスの設計に活かすべきかという、プロダクト開発の視点を中心に書かれた本たちです。習慣化の要素を実際にサービスに適応するときに何を考えるべきか、という点で助けになってくれるでしょう。

7 / 行動を変えるデザイン
行動経済学と心理学を用いた、ユーザの行動変容のためのプロダクトデザインの本ですが、序盤の話はほぼ「どう習慣を作るか(ユーザにどう自社プロダクトの利用を習慣づけるか)」の話です。

ユーザが行動を行い習慣となるのに必要なCREATEアクションモデル というどんなサービスでも使いやすいフレームワークが提唱されています。

CREATEアクションモデル
C...Cue(きっかけが訪れ) / R...Reaction(それに反応し) / E...Evaluation(評価をし) / A...Ability(実行する能力が揃い) / T...Timing(タイミングが合えば)

E...Execute(行動に移す)

この本の作者は行動が起こる時の方程式、B=MATの公式 で有名なフォグ博士とも懇意なようで、フォグ博士の理論についても所々で触れられています。CREATEモデルはB=MATに似ていて、更にそれを細分化かつシークエンスな並びを持たせて整理された色合いが強いように見えます。

習慣を「小さな行動の塊」と捉え、人がある行動をする時にどのようなステップで実行の可否を決めるか?を理解することは、サービスの設計においてどのようなデザインをするべきかという観点で非常に役立ちます。


8 / Hooked ハマるしかけ
タイトルの通り、「ユーザをサービスにハマらせるために何をするべきか」という主題の本で、それは言い換えれば習慣をどう作るかという観点にほかなりません。

Hookモデルという、人が何かにハマる際にたどるシンプルなフレームワークを提唱しています。

Hookモデル
Trigger → Action → Reward → Investment

これらの各要素について、ウェブサービスを始めとして実在のサービスでの実例を紹介してくれるのが大変参考になります。

Hookモデルは「Atomic Habits」で提唱されている習慣化モデルに近いですが、最後の「Investment(投資する)」というパーツがやや異なっています。

サービスでいうところのInvestは、「プロフィールを埋める」「課金アイテムを買う」「フォロワーが増える」などです。"習慣化"というよりはまさに"ハマる"という言葉が正しそうですね。


習慣化というテーマで最近話したこと

知っている人も知らない人もいるかもしれませんが、2020年は発信の主体をテキストから音声に変えてみています。

stand.fmで「distinct.me」という番組名で毎日更新でやってます。
習慣化についてのほか、仕事に役立つことだったり全く役に立たないことだったり、自分なりの考えを毎日話しているので興味ある方は是非フォローしてみてください。

2021年は音声が来ると思っています。まだ音声系のサービスに触れられてない、という方はこの期にどうぞ。

#20,#49, #54, #59 あたりが習慣化に関連性の深いトーク回になります。

習慣化について学んだことの構造化

さて、習慣についていろんな本を読んでいると出てくる用語が多いですよね。モチベーション、報酬、きっかけ、etc....

そこで、自分なりに習慣化に出てくる登場人物たちを書き出して構造化してみました。ざっくりこんな感じになっているのかなと思います。(※ こちらは簡略版、もっと複雑なのもある)これをちゃんと理解しておくと、何かを習慣化しようと思った時に成功率が上がるはずです。

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本当はこの図の全容を全部じっくりと説明したいのですが、全項目を解説すると長くなりすぎるので、それは後日別の記事ででも書きたいと思います。ここでは主要なものだけ、簡単に説明してみましょう。

#行動計画
どのような習慣を身に着けたいか、日々実行して行くかの計画です。

結局の所これが一番大事で、間違った計画をしてしまうと絶対に習慣は身につかないです。例えば、運動を全くしていない人間が「毎日腹筋を100回する」としたり、残業で毎日帰りが23時になる人が「毎朝4時に起きる」などとしても、すぐに挫折するだけで、適切な目標とは言えません。そして適切でない目標は間違いなく習慣化することが出来ません。

行動計画に重要なのは、たったふたつのことだけです。それは「具体性」と「ベビーステップ」です。

「毎日運動する」よりも「朝、シャワーを浴びたあとにリビングにヨガマットを引いて腹筋を20回する」という計画を立てた方が習慣化しやすいです。なぜなら具体性が高いからです。

また「腹筋を20回する」よりも「腹筋を1回はする」のほうが習慣化しやすいです。実行が容易だからで、こういった実行が簡単な行動を"ベビーステップ(Baby Step)"と呼びます。上述の書籍 「小さな習慣」の用語を借りれば"Too Small To Fail"な習慣と呼べるかもしれません。欲張らないほうがいいということですね。

実行するのが簡単な行動を、具体性を高めて目標化するのが良いということです。

#実施と意志
習慣としたい行動を毎日ちゃんと実行するのに重要なのは「意思をなるべく使わないようにすること」です。決断をしなければならない回数を減らす、と言い換えてもいいかもしれません。

人間にとって「決断をする」というのはコストがかかる行為です。何かを決断する際に人間は自らの意思で決める必要があり、(詳細は省きますが)この意志の力というのは実は一日の中でキャパシティが決まっている有限のリソースであるということがわかっています。この意志の力を使うたび、つまり決断を行うたびに人間の脳は疲弊していきます。

「毎日運動する」よりも「朝、シャワーを浴びたあとにリビングにヨガマットを引いて腹筋を20回する」ほうが、行動計画として優れていると書きました。

それはなぜか?

これは実は決断コストを減らしているからに他ならないのです。

毎日運動する....言葉に書けば簡単ですが、これを実行するためには数多くの「決断」が必要になります。

いつやろうか、いまかあとか?どこでやろうか、部屋の角にあるヨガマットを出してきて引いてやろうか、それともソファの上か?

今日はなにをやろうか、腹筋か腕立て伏せか?腹筋にしよう、何回くらいやろうか。

というふうに無数の(脳が疲れる)決断をしなければなりません。そして脳はコストを使う決断から逃げて後回しにしがちです。これが具体性がない習慣目標が習慣になりづらい大きな理由です。

更にココからわかることは、「計画に具体性をもたせる」以外にも「ヨガマットを予めひいておく」なども習慣の促進に役に立つということです。

マットをひくかどうか?も小さいながら決断のひとつです。こういった少しでも脳の妨げになりそうな要素は最初から除外しておくのが望ましいでしょう。僕の家も実は普段はヨガマットが床に出しっぱなしになっています。


他にもいろいろ書きたいのですが、一旦このあたりにしておきます。。
きっと続編がある...はず....!


最後に

ここまで読んでくださってありがとうございました。

こちら↓のPodcastでも話したのですが、

ここ数ヶ月、習慣化のために自分の日々の行動をLINEを通してログを取っていたのですが、最近この仕組みを使う人が増えてきて、サービスの自動化といくつかの機能開発を行いたいと考えるようになってきました。もしこの記事を読んでくださった中で、

・LINEベースのサービス開発に興味がある
・習慣化という領域に興味がある
・ソフトウェア × 仕組み で習慣化を手助けして人の生活を良くしたい
・開発するエンジニアリング力がある(Message API、LIFFなどの経験があればBetterだが、未経験でもOK) 

こちらに当てはまる方いましたら、僕のTwitterから気軽にDMをいただけませんでしょうか!(僕のProfileからどなたでもDM出来ます)

とりあえずは、何やってるのか気になる〜話してみたい〜というだけでも歓迎です!よろしくおねがいします。


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樫田光 | Hikaru Kashida
いつも読んでくださってありがとうございます。 サポートいただいたお代は、執筆時に使っている近所のお気に入りのカフェへのお布施にさせていただきます。