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アマテル様とソサノヲ様の歌【出雲八重垣】

ハナコ様の記事をシェアできたので、今回はそれにまつわるアマテル様とソサノヲ様の歌をシェアしたいと思います!!

ソサノヲ様の乱行により、愛する妻のひとり、ハナコ様が亡くなってアマテル様は大変お怒りになり、ソサノヲ様を諭すため歌を贈られます。

あめかした やわしてめくる ひつきこそ
はれてあかるき たみのたらなり
(天が下 和して恵る 日月こそ 晴れて明るき 民の父母なり)

天下をくまなく照らし調えて恵みを巡らせる日月のような存在こそ、平和で調和のとれた民をつくる父母である」というような意味で、キミ(君)とはかくあるべしという姿を伝えた歌ですね!
しかし、ソサノヲ様はアマテル様の真意が分からず悪行を繰り返し、ついにアマテル様はイワムロに籠ってしまわれます。これが有名な「天岩戸隠れ」です。

アマテル様がイワムロからお出ましになられて後、セオリツヒメ様の嘆願により減刑されてシタタミ(下民)となったソサノヲ様。
さすらっている間、ヤマタノオロチ退治をしたり、イナタヒメ様を奥様にもらったり、ワカヒメ様にめっちゃ怒られて落ち込んだり、めちゃくちゃ反省して8年ぶりに会った甥っ子・イフキドヌシ様と共にハタレ退治をしたり、それをアマテルカミにも認められて「ヒカワカミ」の名や「ヤエカキハタ」という役職を賜ったり・・・。
ソサノヲ様って漫画の主人公ですかっていうくらいドラマがありますね。

そして、新しい宮の建設を許されたソサノヲ様は、その宮の名を「クシイナタ宮」と名付けられました。
クシ(奇)は霊妙なるアマテルカミに対する感謝、イナタは自分をずっと支え続けてくれたイナタヒメ様に対する感謝の意を込めたものでしょう。
そして、ソサノヲ様は喜びの中、この歌を詠まれます。

やくもたつ いつもやゑかき つまこめに 
やゑかきつくる そのやゑかきわ

有名な歌ですね!
古事記では、「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣つくる その八重垣を」となり、最後の一文字が「を」で終わるみたいです。
しかし、何重にも意味が込められている和歌では、この一字の違いが重要であると思います!
意味はあくまで個人的な一例ですが、ちょっと紐解いてみましょう!!

まず、「やくもたつ」。
これは現在「出雲」にかかる枕詞とされています。
「ヲヱクマ(汚穢隈・穢れ)」は「ヤヱクモ」とも言われたようで、やくもたつは「汚穢隈を断つ・ただす」という意味。

次に、いつもやゑかき。
いつも
は、サホコ国の新たな名前で出雲国のこと。やゑかきはアマテルカミから賜った「ヤエカキハタ」であるソサノヲ様自身のこと。ヤエカキは「国を汚穢から守る垣」という意味。

つまこめに。
これはこの時、第五子(後のオホナムチ様)を身籠っていたイナタヒメ様のこと。
次のやゑかきつくるのやゑかきが「産屋」を意味することから、「つまこめに」は「身籠った妻を守る」という意味もかかっていそうですね。

そのやゑかきわ
ここのやゑは「栄え」、国や子孫の繁栄のこと。
かきわは「堅磐」、不変であるさま・限りないさまを表しています。

さらに冒頭で紹介した、ソサノヲ様を諭すためにアマテル様が贈られた歌。

あめかした やわしてめくる ひつきこそ
はれてあかるき たみのたらなり

」で始まるアマテル様の歌に、「」で結んでいるソサノヲ様の歌。
そして、このアマテル様の歌の肝である「やわしてめくる」心。
」で始まって「」で終えているソサノヲ様の歌からは、「今、ようやくその心が分かりました」というソサノヲ様の思いを感じずにはいられません。
ああ、胸熱。
だから、ソサノヲ様の歌の最後を「を」に変えてしまうのはもったいない!!と個人的にめっちゃ思います。
最後の「かきわ(堅磐)」の意味も素敵ですしね。


歌の味わい深さと迫力があるのでそのまま読むのが一番だと思いますが、一応文章で意味を書くとこんな感じでしょうか。

美しき新生の出雲国、ヤエカキハタである私があらゆる汚穢から守ろう。新しい子を身籠る妻イナタヒメを、今築くクシイナタ宮で大切に守ろう。やわして巡る日月のような心で治められたこの国や子らは、限りなく栄え続けるだろう

どうでしょう。
幾重にも意味が込められている素敵な歌ですよね。
さすが歌の名手、ソサノヲ様です。

感動しちゃいました。
日本語って美しいな〜〜〜。



今日もおやっとさあです。
また次回。


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かおり / 神様おやっとさあ日記
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