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キャベツの話をしよう。

収穫のお手伝いをしていたとき。
畑の端っこで、ちょっと削れてしまっているキャベツに出会った。

ああ、この子は市場には出してもらえず、
このまま処分されてしまうのだな、と考えていたら、
なんだか話しかけずにはいられなくなった。


「ねえ、君。今、何を思ってる?」

『・・・お水が欲しい』
と、キャベツくんは答えた。
植物とお話ししたのはこれが初めてだった。

「土はまだそんなに乾いていないけど。
そんなにお水が必要なの?」
ときくと、土の中の映像のようなものが流れてきた。
キャベツの根っこ同士が、
まるで手をつなぎ合っているようだった。

『僕たちはね、みんなで水を分け合っているんだ。
真ん中にいる子まで届けたいから、端っこにいる僕が、
たくさんお水を分けてあげなくちゃ。』
と彼は言った。

「そうか、助け合っているんだね。
端っこの君は、とっても頑張り屋さんなんだ。
ところで、君は削れてしまっているから、きっと収穫してもらえない。
ごめんね、食べてあげられなくて。
今、どんな気持ちがするの?」
ときくと、

『嬉しいよ。楽しいよ。』
と、彼は喜びにあふれていたのだった。

それは、命として今、存在できていることへの喜びだった。
彼にとっては、
人間に食べてもらえるかどうかなんて、問題ではないのだ。
ただただ、こうして存在できていることが嬉しい、楽しい。

そのエネルギーがあまりに優しくて、純粋で、
思わず涙が込み上げた。



自然は、存在していることそのものが、価値なんだ。
そして、自然の一部である私たちも。

存在の理由なんか、探さなくていい。

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私はこのお話を、ことあるごとに、
家族や友人に話している。

それが本質であると感じるからだ。


ありがとう、キャベツくん。
君に会えて、私はとても嬉しい。

君のこと、忘れないよ。




今日もおやっとさあです。
また次回。

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かおり / 神様おやっとさあ日記
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