【霜降旅⑦】命感じる熱海
熱海に宿泊した日のこと。
ゲストハウスオーナーのマダムからお部屋のことについて相談が。
「今五十代の団体様が泊まっているんですよ。みんな同級生らしくて、夜はお部屋で飲みながら盛り上がられるのね。だから、あなたが寝られないかもしれないから、部屋を離した方がいいと思ったの。
そこで、団体さんが元々予約されてたお部屋と交換してもらえないかと相談したらいいですよ〜って言われたから、あなた今日そこ使ってね」
と仰いました。
めちゃめちゃ気遣ってくださってる。ありがとうございます。
そして、そのお部屋は、専用のバスルームとトイレがついているいいお部屋!!
(ゲストハウスは通常共用のバスルームとトイレ)
「太っ腹な方でね〜あなた追加料金払わなくていいわよ。よかったね」
太っ腹!!!ありがとうございます!!
お部屋で荷物整理をしておりましたら、視界の端で何から動くものが。
ゴキ様。
北海道にいる間はお目にかかっていませんでした。これぞ本州の証。
立派なサイズのゴキ様は、壁をすごいスピードで走り回っておられます。
鹿児島は、スローな動きのマイペースゴキ様が多かったのですが、熱海のゴキ様は俊敏でいらっしゃいます。
自分が起きている間は別にいいけど、いざ寝ようとしてふっとゴキ様を思い出したら・・・。
私はかつて鹿児島の家でたくさんのヤモリさん達と暮らしていたのですが、ある夜横になっていると身体に上っていらっしゃったことがあって。
私は爬虫類好きなので「いや人間怖くないんかい!!」ってつっ込んで終わったんですけど、自然界の皆様はそれほど人間を氣にしない場合があることを学びました。
ゴキ様が氣になって眠れない夜は避けたい。
神社参拝は体力も大事。ちゃんと寝た方がいい。
う〜〜〜〜む。
そうだ、久しぶりにゴキ王に話しかけてみよう!
「すいません、ゴキ王様。おひと方部屋に居られるのですが、どうにか去っていただく訳には・・・」
「彼は君と戯れたいのだよ」
「・・・そうなりますと、傷つけないように捕まえる選択肢を取りたいのですが、スピード勝負になりそうなので、誤ってやっつけてしまう可能性も・・・」
「うん、それも運命だね」
「・・・・・(もう何も言えない)」
どうやらゴキ様が「去る」という選択肢がなさそうなので、やるしかない。
プラスチックのティッシュケースやゴミ箱を裏返してどうにかその中に閉じ込めようと格闘して約30分。
ケースと壁の間に挟まって天へ召されました。
ごめん、ゴキ様。私のスピードが君に追いつかなかったばっかりに。
でもお陰でよく眠れそうです。
よく寝た翌日、早朝から神社参拝に出かけます。
空にはお月様。
あらゆる命が生きているこの地球。
その終わりも始まりも、全てを包んで存在しているんだな。
ゴキ様のお陰で何だか奥深さを感じた熱海でした。
今日もおやっとさあです。
また次回。