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つげ櫛と魔除け
前回の記事で、イサナギ様と黄泉の国のイサナミ様のやりとりがありましたが、そこに密かに登場しているアイテムがあります。
「ツケクシ」です。
これはつげ(黄楊)櫛のことです。
お話の中で、イサナギ様はつげ櫛の歯に火を灯し、イサナミ様の亡骸を見ました。
また、イサナギ様が黄泉の醜女に追いかけられた時、竹櫛を投げつけるも、すぐさま噛み砕かれてしまうのですが、その後に「くしはつけよし(櫛は黄楊よし)」とあります。
醜女に向かって投げたかどうかは分かりませんが、何らかの効き目か、良い影響があったものと思われます。
縄文時代から愛されているつげ櫛。
一体どんな櫛なのでしょう。
中川政七商店さんが、つげ櫛について記事を書かれていました!
取材されたのは、明治から木櫛を作り続ける京都の十三や工房さん。
十三や工房さんのサイトで、木櫛の特徴が書かれています。
黄楊櫛をはじめとした木櫛は、静電気が起きず、 髪を傷めることなく汚れを落とすため、髪の毛に艶が生まれます。 また、ご使用いただくほどに、櫛に艶が出ますので ご自身だけの櫛に変化していきます。
大切にお使いいただければ、生涯使っていただくことができます。
髪に優しく、長く大切に使い続けられる櫛、という感じなのですね!
それはぜひとも、本物を拝みたい♡
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手にして驚くのは、その滑らかさと密度感。
さらに作り手の想いと歳月が、独特の品やオーラとなって現れている様です。
自分の髪をとかす度、「今、自分を愛でている」と自覚することができる、そんな櫛です。
また、中川政七商店さんと十三や工房さんの両サイトに、興味深いことが書かれていました。
ケガレから身を守るものとして神事や政治の世界でも重んじられてきた櫛。
かつては男性の方が重用していた時代もあるそう。
櫛は、髪に挿すことで霊力を授かったり、魔除けとしたりする呪術的な意味も込められていたようです。櫛が木に変じた伝説も日本各地に残っており、古来、櫛は、髪の霊力を招くと信じられ、その力を放てば命が生まれ、身に付ければその人を守るとされていました。
「身を守る」「魔除け」。
これは、イサナギ様の黄泉の国でのお話にも通ずるものがあるのではないでしょうか。
つげ櫛がイサナギ様を守ってくれたのかもしれませんね!
ホツマツタエのお陰で、また素敵なものに出会うことができました♡
今日もおやっとさあです。
また次回。
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