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今のほんとの気持ち

10月16日に僕たちに与えられた「勝ち点1」は、手に入れた1よりも失った2の方が色濃く記憶に残った。
だが本当のところはどうなんだろう。
俺たちは手に入れたのかそれとも失ったのか
誰もわからない。


「後悔」

なぜあの時
ああしてれば
もしこうだったら

そう遠くはない過去の自分に明らかに悔いが残っていた。
時を戻せるならもっと良い選択を、もっと良いプロセスを。
でも時間は戻せないし過去も変えられない。
どれだけ後悔してもどうにもならない思いが苦い。
同時に目標への強い執念を見つける
戻れないからこそのリアルで生臭い、挑戦の面白さを感じる。


Photo by:DAN IMAI

「没入」

後悔があるとはいっても、10月16日の試合に対しての後悔は微塵もない。

会場の雰囲気はただならぬものだった。
19時になるとともにスタンドへなだれ込む観客。
大半の方が我々のベンチのうしろ、およそ25mほどだろうか、陸上トラックを挟んで離れたスタンドに座る。
見覚えのあるユニフォーム、白・紺・臙脂

隔てられた青色のトラック越しに、期待や緊張、高揚感みたいなものが、観客の皆さんから伝わった。
円陣をしたのちスタンドを見て少し笑った。
それは奏でろコタニのゲーフラを見たからではなく、レインボーのアフロがいたからでもない。

休日の19時、アクセスの悪いアウェイ会場にこれだけの方が、自分たちの試合を観に来ている。
こんなにたくさんの感情に触れながら、今シーズンが決まる試合を戦えるのか。
あれが武者震いというやつだったのかな。
僕は試合がキックオフが楽しみで仕方なくなった。


Photo by:Kazuki Okamoto

『楽観』

あっという間だったような、ものすごく長かったような
試合終了の笛が鳴った。

相手のペナルティエリアで試合終了を迎えたのは初めてだった。
自陣ゴール前ではなく、味方のスタンドでもなくそこで笛を聞いた意味。

結果とは裏腹に大丈夫の3文字が真っ先に口から出た。
意外だった。

なんの根拠もない。
目指しているものはもう、自分たちではどうしようもないところに離れてしまった。
なのに不思議といける気がした。
なぜか、いける気がした。


Photo by:Kazuki Okamoto

『期待』

もちろん、道程がはるかに厳しくなったことは、試合終了から時間がたつほど理解できた。
悲しくもある。
1年間、いや2年と言ってもいいか。
インテルに来てから強く追い求めていた昇格という目標が、叶うことはもはや奇跡と言っていいものになってしまったことが。

それでもなお、消えることがない楽観
根拠のない「なんかいける気がする」

そして頭が整理されたころに現れた「期待」。
今年昇格したら、間違いなくもっと素晴らしいクラブになるよ。
だって見た?SCとCLの選手があんなに来てくれてた。試合の後に、あるいは休みの日に。
SCは同じリーグで彼らの勝敗が俺たちの結果につながっているし、CLは今リーグで好調だけど俺たちが昇格しないと2部へ上がれない。
別のチームだけど、やっぱりクラブが掲げた一つの旗の下にあると思う。

前半ボールボーイやってたのGM。後半はスクールコーチ。
誰よりも早くボール拾ってたのはトレーナー。

なかなか、いい線いってると思う、俺たち。

お金をかければ、良い選手をかき集めれば、環境を整備すれば
勝てるかもしれない、昇格できるかもしれない。
でも、今年はそうじゃない。
ビジョンの下に集まった人たち、そんな高尚なもんじゃなくてもなんか面白そうって来てくれた人たちばっかりのクラブ。

今年昇格する意味はめちゃくちゃ大きいと思ってて、そんな未来の到来を期待せずにはいられない。


嘘みたいだ、俺は今ワクワクしている。


Photo by:Kazuki Okamoto

【今この瞬間を生きる】

「過去」と『未来』の話をした。
今まで書いてきたようなことをどれだけ考えたって、結局は何にもならない。過去も未来も、今は存在しない。

『人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しません。あなたは過去や未来を見ることで、自らに免罪符を与えようとしている。過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。』

「嫌われる勇気」

僕は本を読むのが苦手なので、まともにちゃんと頭に入っているのはほんの数冊。
読めた数冊の中ですごく心に残っている言葉が、今の自分にピッタリ。

俺たちが出来るのはあと3つのリーグ戦を全て勝つことだけ。
そのために今この瞬間をめちゃくちゃ生きる。


サポートいただいたお金の使い道 4:love futbol japan への支援金 4:片親家庭支援団体への寄付 2:自分のサッカー人生への投資 最後まで読んでいただきありがとうございます。 よろしくお願いいたします。