生まれて初の雛人形

女に生まれても、雛人形を買ってもらったことはない。欲しいとも思わなかった。結婚して子どもができなかったのも、影響して雛人形というのは死語のようになった。

スーパーに出かけたら、1000円の雛人形を見かけた。それを見て、初めて欲しいと思った。いざ、人形を手にしてみると、その表情の可愛らしさに魅了されてしまったのだ。

一応、手づくりのようで、そのせいだろうか人の温もりも感じる。1000円で幼い頃に戻った気持ちになった。あの頃の自分に「雛人形を買って」と言わせたい。