恥ずかしかった話(3)
わたしの人生の汚点、ってか痴点?のひとつは男子便所で用を足してしまったことである。
こんな経験みなさんあるだろうか?もちろん酔った勢いでもなく罰ゲームでもない。シラフの状態で、だ。
トイレという場所はハプニングがつきものだ。物語はそこで生まれているといったら過言だけど、事件はそこで生まれると言っても過言ではないだろう。もう人生における事件は下で始まり下で終わるんだろうな、とさえ私は何か天啓をうけた気にさえなっている。まぁ、わたしが死んじゃう頃どんな状態にあるかわからないけど、尊厳ある死に方がしたい!
北欧スウェーデンに留学していたときのこと。大学のトイレに入ろうとしたら、男性とすれ違った。めちゃくちゃガタイのいい金髪青年と近距離でドキッとしたのに加えて、「自分が使うトイレと同じトイレから男が出てきた!」という驚きと、なんかトイレで男の人とすれ違うのに対する恥ずかしさ?みたいな、とにかく混ぜ合わさった感情の矢がぶんぶん頭に飛んできた。
たしかにトイレの標識は男女区別なく書いてあったし、たぶん、たしか共用という認識はあったような気がしなくはないけど、その場に遭遇すると結構びっくりするもんだ。
ちなみに男女平等実現に対して積極的な取り組みでときどき物議をかもすスウェーデンですが、このトイレをジェンダーフリー(かつバリアフリー)にしてるのもその取り組みの一つです。
日本じゃありえないシチュエーションだったわけで自分の固定概念をぶっ壊す体験をしたわけで、日本は未だに(って別にジェンダーフリートイレを促進したいわけじゃないですが)男女別が普通だから、やっぱり今同じ体験してもビビるんだろうなと思う。
でも日本でもたまに予期せず、こんなシチュエーションになることってあるじゃない?
たまーに駅のトイレで携帯いじってイヤホンつけてトイレに入ろうとするお兄さん、「そっち女性用ですよ〜」って思わず止めてあげたくなるシーン見ますよね。
そして、ちょっとだけその人の反応見たいから声かけないっていうこと、ありません?え?そんな意地の悪いことするのは、人じゃない?
すみません、おっしゃる通りです。
しかし「絶対恥ずかしかったよな、あの人」って思いながら、わたしはその場を通り過ぎます。
こんなこと言ってるわたしですが、何を隠そう男子トイレで用を足してしまったという何ともお馬鹿なことやらかしている。
学生時代にインカレのサークルに入ってたわたしは週2で他大学のキャンパスに出入りしていた。 別に何度かしたことのあった講義等ではあったもののトイレは使ったことなかったので、その大学の学生に聞いてみたら
『そこの廊下真っ直ぐいって右手』
と教えてくれたHくん。
頭のイメージでは、「あぁ〜あそこね」と何度か通った場所でトイレの看板が見えたのを思い出し、なんの心配もなく向かったわたし。
ただここから雲行きが怪しくなる。
自分がここだろうな、と思っていたトイレのドアには男子用🚹のマークがあって、“あれ?”
扉をあけてみたら、小便器が並んでて、“え?”
と、ここで引き返せばよかったのだけど、なんせ自分のなかでは「自分の予想通りの場所にHが導いたのだから間違いない」と確信しているので、
「たぶん、ここ工学部で女子少ないから、女子専用トイレないんだな!」
と納得させて、普通に個室に入った。
今思えば、あの場にもし男性が既に入ってても、あの時のわたしなら使ったかもしれない。(怖)
(その時は気づかなかったが)幸にして男性にも会わなかったから、良かった〜と思いトイレを出ようとしたところで、まさかのおじさんと鉢合わせ。
おじさん『(!?) …ここ使っていいって言われました?』
わたし『え?使っていいって言ってましたよー』
この時のわたしは「あのおじさんトイレ工事中かと思ってたのかしら」くらいにしか疑問に思っていなかった。
がしかし、角を左手に曲がり驚愕。
なんと女子トイレをその左手の壁に発見。
Hが言ったとおり“右に角を曲がった”とこにあるトイレだと思ったんだけど、実際は“右手の壁沿いにある”トイレで、角は曲がらなくてよかったのだ。
いやいや、おじさんに涼しい顔して大丈夫ですよ?みたいなやりとりしちゃったの思い出したら恥ずかしい!!
ってなって、Hに報告。笑われるよりも盛大に引かれたのが傷に塩。泣きたい。
言い訳するなら、その問題の“壁”、掲示板のすぐ隣で掲示板に貼りきれなかったであろうビラが女子トイレの扉に大量にはってあったのだ。
わたしは無意識でそれを掲示板の延長として認識しトイレマークなんて目にも入らなかったということ。
もうこれは悪意じゃん!!泣
と理不尽な文句を言いつつ己の不注意を反省した出来事になりました
こういう数々の事件に出くわす経験をして、後にも先にも男性用トイレに入ったことはあれから一度もない。
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