「かがみの特殊少年更生施設」の元ネタ考察
クリアしました!
攻略情報や世界観の考察などは他の方が発信されてると思うので、プレイ中に「これ〇〇やん!」と想起した作品や事柄を書いていきます。
元ネタというよりモチーフ、着想元と表現した方がいいかもしれません。
「かがみの」を遊んで、「こういう話もっと見たい!」「あれって何か元ネタあるの?」と思った方の一助になれれば嬉しいです。
※私個人が思ったことです。第四境界サイドからの発表では無いことをご留意ください。
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時計じかけのオレンジ
1971年公開のキューブリック映画。アレックスたちのイカしすぎファッションが有名ですが、人格を無理やり矯正される恐怖を描いた作品です。
作中では「ルドヴィコ療法」という治療法が登場します。これは目蓋を閉じられないよう固定する装置をつけてひたすら暴力的な映像を見せるというもので、治療の結果、主人公は暴力に強い忌避感を覚えるようになります。例え暴力を振るわれても、無抵抗になってしまうほどに……。
「非行少年」「ヤバイ治療法」「人格改造」といえばこれ!という映画。治療の結果、暴力を極端に嫌う人間になったアレックスの結末は……ぜひ実際にご覧になってみてください。
ドグラ・マグラ
1935年刊行の、小説家夢野久作の代表作。日本探偵小説三大奇書のひとつに数えられています。
あらすじは私の記憶などをかいつまんで書いたのですが、こんな話だったよな……?と不安になるくらいややこしいです。
明かされる真相はそれ程複雑では無いものの、現実と幻想の境がわからなくなる描写、作中に登場する資料の奇抜さ、キ〇〇イ外道祭文が長すぎるなど様々な要因が重なり、初見だと高確率で面食らう作品です。学生時代に読んだのですが挫折と再読を繰り返し、完読までに2年かかりました。
しかし当時の精神病院の実態や(実際はともかく) 斬新な脳に関する理論、やるせ無い終わり方など魅力が多い作品です。決して気を衒っただけの小説では無いと言えます。
遺された様々な資料を読むという構成は今でいうモキュメンタリーやファウンドフッテージっぽさもアリ。「かがみの」的な遊びが好きな方にはおすすめかも?
ロボトミー
モチーフてかそのものじゃんね!!
こっち方面は明るくないのですが、ものすご〜くざっくり言うと「脳の前頭葉を切除することで望ましい結果が得られるとされていたが、実際には大きな問題を抱えていた今ではタブーの手術」だそうです。
論文の資料に出てきたモニスやフリーマンは、ロボトミーに実際に関わっていた脳神経内科医のエガス・モニスやウォルター・フリーマンだったんですね、へ〜(今調べてる)。モニスに関しては、この手術を考案した功績でノーベル賞を受賞しています。
手術後の患者がの行動や症状、といった情報を頭に入れてから改めて漫画や資料を読むとなるほどなぁ…となれますよ。
ロボトミーは1970年代に多くの国で禁止されていますし、「時計仕掛けのオレンジ」は1971年の映画です。(原作はもっと前)
50年以上前の出来事・作品にも関わらず、このようにホラーじみたコンテンツで引用されたのは、これらの恐怖が——残念ながら——いまだに陳腐化していないからではないでしょうか。
もちろん上記の例は乱暴過ぎますが、「馴染めない人」に対して社会に適合せよという圧力は現代でも依然として強いままです。
「かがみの特殊少年更生施設」が「更生施設」という舞台を選んだと言う事実は、社会にある偏見や抑圧と切っても切り離せない関係にあるでしょう——。
ところで、終盤の療法ではなぜ「卵」がキーワードとして使われたのでしょうか?
「生まれ変わる」的な比喩にしても少々唐突に見えます。
卵……
卵…………
これか……?
TRICKで一番好きな回が収録されているシーズンを貼っておきます。さようなら。
(おわり)
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