見出し画像

PTA活動・役員からの解放

子どもが学校に通っていると必ず関係するPTA活動と役員選出。
役員選出は年初めの一種のイベントと言えるだろう。基本的に、役員をやったことがない人から選ばれる。後ろ向きに言えば、ほぼ強制的に誰かが役員になる。
保育園でも父母会があり、「1度は何か担当してください」と言われる。

保育園は両親とも仕事をしているのが前提なのでまだ余裕あるスケジュールで予定が組まれる。
が、娘が通う小学校となると話は違ってくる。
意外にも、と言って良いのか分からないが、専業主婦率は高い。
女性の社会進出を促す日本政府だが、娘の同級生をみると専業主婦のお母さんは多い。パートをしている人もいるだろうが、子どもの帰る時間には家にいる人が多いように感じる。

小学校のPTA活動は厄介だ。たいてい平日の昼間に打ち合わせがある。
共働きだと、有給を取るなりしないと対応できない。
日本政府が女性の社会進出を増やしたい、子どもの数を増やしたいと言うのなら、学校関係の親の関わり方も見直すべきだ。
そうでないとやっていけない。という声は共働き世帯から出ている。

娘が1年生の時は、乳幼児がいる親はPTA役員の候補者から除外されたので、PTA活動に不参加。
でも、娘と息子が通う間に2回ぐらいは何かしらやらないといけないんだろうな、とは感じていた。

それが、なんと今年になってから制度が変わったのだ。
各クラスからPTA役員を選出する制度を止めたのだ。
つまり「PTA役員が回ってこない」。
これは共働き世帯からすると有難い話だ。

では、PTA活動はどうなるの、と思う人もいるだろう。
そこはうまい仕組みが導入された。

PTA会長に話を聞いたところ、
・毎年、各クラスでPTA役員をそれぞれ強制的に選出することに対する不満の声が出ていた。
・PTA役員といっても会長や副会長など一部の役職者を除き、個別に部会を設けて、その部会の行事のみ、参加する形で、PTA役員を嫌煙するほど大変ではなかった。一部の行事のみを担当するが、名前としては1年間、役員であったことに拒否感が出ていた。
・「PTA役員」という名前と響きに恐怖心を抱く人が多く、やらなくて良いならやりたくない、という雰囲気が蔓延していた。
・PTA役員を実際にやった人からは、終わった後には、やる前は大変さだけが頭にあったが、実際にやってみるとそこまで大変ではなかった。という意見が圧倒的に多いのが現実。
とのことだ。
テレビがPTA活動の大変さに焦点を当てた番組を作ったこともあり、すべては否定しないが、ある意味でマイナス影響になっているとの見解も事例として挙げていた。

そこで、PTA会長がリードを取る形で、皆の不満を解消して、より良いPTA活動をするために制度を変更することにした、とのこと。もちろん総会にもかけ決議したようだ。
他校で導入していた制度を参考に以下のように変更した。
・PTA会長と副会長は決める。PTA会長が副会長を指名して、副会長が役職を終えたら会長になる。ここはどうしても変えられない。
・クラスごとに決めていたPTA役員は廃止。その代わり、行事ごとにお手伝いを募る、方法に変更した。

〇月〇日16時から、〇〇をするのにお手伝いが必要です。時間のある人〇〇に集合してください。

と、人手が必要になる度にアナウンスをする。

この方法だと、1年間を通じてのPTA役員ではなく、個別に時間があれば手伝いに行ける。
既にこの制度を導入した他校では、「今までお手伝いの人が集まらなかったことはなかった」。さらに、「後ろ向きな人はおらず皆、前向きに参加してくれるので雰囲気も良くなった」との声も多く聞くようになったとのこと。いわゆるウインウインだ。
活動に参加したくない人、参加できない人は参加しない。
参加したい人は参加できる。参加する数に制限はない。もちろん参加したから何かポイントが貰えるわけではない。これまで仕事のことを考えてPTA役員を避けてきた人も、行事ごと、時間限定のため積極的に学校行事・PTA活動に関われるようになった、と。
関わりたい人が関わりたいときに関われる制度。

娘の学校では5月に運動会があった。
テント張り含め、今のところ新制度で問題なく順調に運営できているようだ。特にマイナス面の指摘はなく、好意的に受け入れられている、と聞いている。
我が家も、PTA役員は避けたいと思っていたが、個別の行事のお手伝いは時間があれば積極的に参加していきたい。
このように考える家庭は多いのでは。
皆が喜んで学校行事に参加できる制度やPTAにどんどんと切り替わっていくことを願っている。
時代に合わせて制度を変えていく必要があるのは間違いないだろう。
学校単位で制度を変える必要があるため、昔ながらの仕組みで運営が続いている学校も多い。
私が話を聞いたPTA会長は、「ダメなら元に戻せば良いだけだよ。従来のやり方で不満が多いならやり方を変えて、どうなるかみてみよう。で良いんじゃないの」と。
まさにその通りだ、と納得した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?