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技術力よりも人間力が大事だそうな【道は厳しい】

10月01日、東京証券取引所の株式売買システムであるarrowheadが故障し、株式売買が丸一日できなくなりました。いわゆる石原さとみショックです。

堀北真希ショック 日経平均 -895円
木村沙織ショック 日経平均 -298円
福山雅治ショック 日経平均 -714円
釈由美子ショック 日経平均 -203円
北川景子ショック 日経平均 -479円
優香ショック   日経平均 -582円
押切もえショック 日経平均 -307円
小倉優子ショック 日経平均 -1010円
石原さとみショック 東証全銘柄取引停止 ←New

原因はストレージサーバに搭載しているメモリのハードウェア故障。故障発生時に待機系の機械に切り替わるはずが切り替わりに失敗。ソフトウェア更新で設定ポリシーが変わり、旧設定のままではダメな状態になっていたとのこと。

まあ、あるある。

永久に壊れない機械はないので故障は避けられません。避けられないので、arrowheadのような重要なITでは、壊れたら違う機械に処理を引き継ぐ仕組みを入れています。こういった仕組みのことをフェイルオーバといます。このフェイルオーバというのは、なぜだか、どれだけ試験をしてもイザというときにキチンと動きません。僕自身、それで過去に何度も痛い目にあいました(笑)

さて、そんな東証の障害に対してどこかの議員が「サーバー型ではなくシステムのブロックチェーン化など分散化を進める必要もあると思う。」とツイートしたとのことです。

ブロックチェーンとは分散管理台帳技術のひとつ。ビットコインを実現している基礎技術として有名です。理論的にデータを改ざんすることができないことや、地球が滅びでもしない限り停止することがないといった特徴があります。

そんなツイートへの反応は予想通り炎上していました(笑)

ちょっと技術に詳しい方は知っている話ですが、ブロックチェーンはぜんぜん性能が全然出ません。僕の記憶が正しければデータ更新が完了するまでに10秒くらいかかったはずです。一方で、東証で必要な性能は処理あたり1ミリ秒以下だとおもいます。大体、数万とか数十万倍くらい性能が足りないので、東証でブロックチェーンを使うのは荒唐無稽で無茶苦茶な話です。

それで、国会議員に基本的な技術リテラシーが足りないのはいかがなものなのか?などという論陣を張ってもいいのですが、どちらかというと、このエントリで言いたいことはこの技術的な無知は国会議員だけの話に留まらないということです。むしろブロックチェーンという言葉を知っている以上、大したものだと思います。


日本の商慣習として、IT開発は、ITを入れたい企業がITを作る企業に発注することがほとんどです。ITを入れたい企業のことを「ユーザ企業」、ITを作る専門企業のことを「SIer」(システムインテグレーター)と呼びます。代表的なSIerとしては、NTTデータ、IBM、NEC、そしてarrowheadを構築した富士通などがあります。

僕自身はユーザ企業に所属していますが、ユーザ企業の技術リテラシーは極めて低いのが実態です。正確に言えば、ユーザ企業にも情報システム部門などがあり、技術リテラシーが高い方はたくさんいます。だけど、そもそも「ITを入れよう!」と企画するのは事業部門側になります。ITをいれることが目的ではなく業務を変えることが目的なので。その最上流の事業部門では「ブロックチェーン?なにそれ?初耳??」といった動物園状態のことが多いと思います。

そんな動物園状態の部門が「DXを推進するんだ!」と叫ぶわけです。

まあことごとく失敗するのは明らかです。

じゃあ、事業部門も技術的リテラシーだったり、技術的な審美感をつければいいとおもうじゃん。んで、そう言ったら、我々は技術なんて知らなくてもよく、なによりも「人間力」が大事なんだそうです。

DXに至る道は険しい。

おわり。

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