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ホカンスのすすめ

先月、宅建の試験が無事終わり、自分の中で一つの区切りがついたのでその場のノリで「そうだ旅行に行こう!」などと考えてしまいました。

ぼくは日曜の他、月末に3日ほど休みがあるという特殊な仕事をしていて、宅建試験の翌週である10/29~10/31が休日となっていました。
せっかくだしどこか行ってこようかなと思い立ったのですが……

悲しいことに、何もしたいことが無かったのです。

そもそも自分はあまり旅行に行く方ではないのです。
観光地を巡る。レジャーにいそしむ。ご当地の美味いものを楽しむ。
なぜでしょうね。
そういったことにあまり心が躍らないタイプの人間なのです。
つまらない奴でごめんなさい。

いいえ、本当は観光地を見て回るのも、行楽に興じるのも、グルメに舌鼓を打つのも好きなはずです。これらが嫌いな人なんて本来いないと思うのです。
でも「めんどくさい。風景はネットで見れるし。グルメなんて食べて終わりでしょ。お金かかるし」なんつって何やかやで旅行に行くという選択肢は却下されてしまうのです。

こんな生きているのに死んでるような暮らしはダメな気がする。
咲けよ、わが人生。
と思って無理にでも旅行に行くことにしたのです。

そんなときに思い出したのがホカンスという言葉でした。

韓国発祥だというこの言葉。
「ホテル+バカンス」でホカンスだそうです。
つまり、観光地に行って見て回るという本来の旅行ではなくて、近場でもよいのでホテルに泊まって、その滞在自体を楽しむという考え方ですね。
これなら自分でもできそうだ。
そう思ったら、自然とホテルの予約ができました。

自分の家から車でおよそ90分程度のところにある高原。
夏はゴルフクラブ、冬はスキー場でにぎわう緑豊かな景勝地。
ですがぼくが行くのは秋。しかも平日。
ここに旅行に行くと決めたときからぼくは「何もしない」と決めていました。
予定なんか立てない。
ただただ癒されに行ってやる。
予約当時の天気予報は雨でしたが望むところ。
天気が悪くてもずっとホテルの中で引きこもってやろうと思っていました。

そんなこんなで行ってまいりました、一泊二日の小旅行。
天気もそれほど悪くなかったですし、ホテルの温泉はなかなか上等でサウナも楽しめました。
夕食は牛しゃぶの会席をお腹いっぱい楽しめましたし、朝食もたくさんの小鉢に乗ったおかずで満足でした。

旅行に行ってきたというと「何してきたの?」と聞かれます。
ぼくは胸を張って「何も」と答えましょう。
もちろん「牛しゃぶ食ってきた」でも「温泉入ってきた」でもいいのですが、「癒されに行ってきた」でもいいのですが。
ぼくは結局「何もしない」をしたかったのかなと思ったのです。
結局滞在中にやったことと言えばホテルの周囲を散歩したことくらい。
あと日課である勉強ですか。旅先でまでやることじゃないな。

旅行に行くこと自体にハードルがある人はぜひ「ホカンス」のマインドを持ってみて欲しいです。
何かにつけて旅行に行かない理由を見つけてしまうぼくのような人間には多分「なにもしない」ことが必要なんだと思います。


牛しゃぶ。口の中でとろけました。


牛かつはサービスでした。世の中捨てたものじゃないなって。
前菜がね、ちいちぇえけど全部美味いのよ。
デザートは秋を感じるモンブラン。

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