三角形の合同条件って正確に覚えなきゃダメ?
塾講師してます、ひいろです。
中学2年生で「図形の合同」というのを習います。
「この図形とこの図形は同じ図形だよ」っと証明するためには条件が必要になるのですが、その条件や証明の手順を学ぶ単元です。
三角形には合同になるための条件が3つあります。
・三組の辺がそれぞれ等しい
・二組の辺とその間の角が等しい
・一組の辺とその両端の角が等しい
教科書に載っている表記としては上記のような感じです。
先日生徒がこんなことを言ってました。
「学校で合同条件のテストがあって、一文字でも間違ってたら0点になって大変だった」
マジで?
令和の時代に科挙かよ、と思わなくもない。
うーん、学校の先生の意図もわかるけれども。正確に覚えることも大事だけれども。
それでも「STOP‼ 公式丸暗記‼」を掲げるぼくとしては、そんな覚え方は反対せざるを得ないのです。
というわけで「三角形の合同条件は一字一句正確に覚える必要はない」
理由を述べる用意はできているッ!
1 テキストや時代によって表記ゆれがある
前述の合同条件は教科書に載っている一般的な表記ですが、参考書などによって少し表記が違っているものもあります。
・三組の辺がそれぞれひとしい → 三組の辺がすべて等しい
となっているものだとか、あるいは古いテキストだと
・三辺相当
・二辺夾角相当
・一辺両端角相当
と中国語のように書かれているものだとか。
学習指導要領では統一されているのかもしれませんが、そもそも表記ゆれが起こるのは統一すべき必要性が薄いからだと思うのです。
2 自分の言葉で覚えたり図でイメージした方がよい
そもそも言語情報丸暗記ってのが学習法としては三流。
覚えるべきものは自分の言葉で覚えた方がつぶしがきくに決まっています。
証明のために使う道具だから作法を揃えるというのはわからないでもないですが、そのかっちりとしたルールのせいで証明が嫌いになっている生徒は数多いです。
証明問題なんて基本はすべて自分の言葉で書いていいはず。こうしなきゃいけないとか思うからやる気がなくなるのですよ。
合同条件は図で示せれば合格でいいと思います。
3 数学は宇宙共通言語である
数学は海を越えて伝わる学問だし、なんなら宇宙人ともコミュニケーションできる可能性がある共通言語だと思います。
なぜなら数学は自然科学だから。
人がすべて決めたルールではなく自然法則がもとになっているからです。
それを、小さな島国の、中学校という短い期間でだけなんで独自のルールを作っちゃうかなあ。
少し海外に目を向けるだけでも、日本語の細かな一字一句にこだわることの意味の薄さに気付けるはず。
ちなみにこの記事を書くにあたって「英語ではどういうのだろう」と思って調べてみました。
・SSS(side side side)
・SAS(side angle side)
・ASA(angle side angle)
※side =辺、angle=角。
といった非常に合理的な略称で覚えているようです。さすがは自由の国!
STOP‼ 丸暗記‼
というわけで、公式とか定理とか条件とか、丸暗記するのやめようよというお話。
もちろん、丸暗記に理がないわけではないですし、テストで減点されるのであればしぶしぶながら覚えた方がよいかもしれません。
でも、それを数学だと思わないで欲しい。
思考しない詰め込みが本質だと勘違いしないで欲しい。
数学は自分の頭で考えるのが一番楽だし楽しいんですってば。