【神使轟く、激情の如く。】『ラウド』への布石【不器用HERO】
こんばんは
ひいろです
今更ということは重々承知では御座いますが、神使轟く、激情の如く、略して神激が去る2019/10/08にドロップした三ヶ月連続配信シングル第一弾の『不器用HERO』をレビューしていきたいと思います
はじめに
さて本楽曲、一言で申すならタイトルに示したとおり、「『ラウド』への布石」との様に感じました
私は所謂アイドル、ラウド両界隈への造詣は全く深くありませんので的外れは承知ですが、現状「アイドル戦国時代」的な好景気は一つの峠を越えてしまった、と感じておりそのような中でグループを拡大していくための一手として個々のグループが試行錯誤を重ねている中、神激が選んだ手法が「ラウド界隈へ刺す」事であるように感じています
前作『夏声蝉時雨』から続く「ブレイクダウンの導入」や「4つ打ちからの脱却」の流れはよりその戦略を強固にするための一手であると捉えました
と、背景の邪推はこの辺で切り上げて作品本体を見ていきましょう
考察
まずイントロから、アーミングを挟んでからの怒涛のピロピロフレーズで幕開けです
短めですがインパクト十分ですね
曲を通してドラムがえげつないフレーズを連発しているのが本作の特徴ですがど頭から飛ばしております
歌い始めは割とシンプルなアンサンブルで進みます
ブリッジミュート主体のリフに右chのギターが時折オカズを挟む定番
ドラムが一周目はキックとハイハットオンリーの四つ打ちで二周目にスネアを挟む四つ打ちにしてあるのがアクセントになっています
軽くビルドアップを挟み、トラップ風のトラックに載せたラップパートに突入
リリース当時は単に大人っぽく仕上げたな、程度の認識でしたが後にトラップというジャンルが有ることを知り、このパートはそれを意識しているのでは?と気づけるようになりましたね
知識のアップデートは大事
サブスクリプションサービス便利ですよね
ラップパート終わりから再び生音のドラム(打ち込みだと思うけど)がロールしサビへ
ライブでは「For you!」の合いの手が楽しいパートですがここはまたドラムがえげつないですね
ぱっと見は疾走系のフレーズですが素直に叩かず、めちゃくちゃ手数の多い構成で実際に叩くのがスゴい大変そうなアレンジになっています
シンプルではない分ドラムに気を取られていると全体のスピード感を損なっているようにも感じられますが、これは微妙なラインかなと
このあたりのアレンジの塩梅は難しそうで個々人の好みによって受け取り方が変わりそう
サビが終わるとシンガロンパートからのいもこさんリリックパートへ
ライブでは彼女のMCを挟むパートで一つのハイライトになる事も
赤裸々に訴えかける内容に、感動や共感の情を呼び覚まされる方々も多いことでしょう
ここではテンポ感を落とすことでサビとこの後のパートの疾走感をより明確に浮かび上がらせる効果があります
そして曲中最疾走ゾーンに突入
爆走2ビートのドラムにトレモロチックなリフ
三笠→ことのさんと繋ぐエモーショナルな歌唱
サークルピット出現待ったなしの美味しいパートです
私はハードコア由来のノリ方は好まないのでここは8の字ヘドバンで対応しますがね
からのスカダンスが入りそうな4つ打ちパート
例に漏れず私は苦手なので頭振ってますが
ここで曲中最胸熱ポイントその①登場です
ちょうど2:39になるあたりのピッキングハーモニクス
ここで入れなきゃどこで入れる?という正にどんぴしゃなタイミングで入るの、本当に「解って」ますよね
ここを通り過ぎると和風パートへ
琴の音を背景にあまねが歌い出しますが、最近のライブでがなりを混ぜながら歌うの、本当に良いですよね
歌唱力で悩んでいた姿と自分のなりの色を出そうと試行錯誤していた姿とが想起されて毎度暖かい気持ちになります
さて、この後はお待ちかねブレイクダウン
『夏声蝉時雨』では様子見を兼ねてか、敢えて複雑なリズムのフレーズを投入しておりましたが本作はシンプルな出来
クラッシュシンバルに合わせて体を揺らしていればいい感じに
ギターのフレーズを覚えてエアギターしながらだとより一層楽しいですよ?
ここで最胸熱ポイント②
ずっと表拍で鳴らしていたクラッシュシンバルが最後の2打だけ裏打ちになるの、上がりません?
最後にサビをもう一回入れてきます
二回目になるとほかの部分にも耳がいきますがここ、ベースもサラッとえげつねぇフレーズ入れてますな?
そこを経てラストのシンガロンをバックにしながらの言ってしまえば「臭い」リリックパート
でもこのダサいくらい「臭い」のをカッコ良く出来る事が神激の良さだと思っています
余談
と、一通りみてきましたが如何でしょうか
本楽曲を含む一連の連続配信シングルはそれぞれが、神激の持つ良さを別の観点から引き出す作品群だと思っていますが、この『不器用HERO』は一曲に様々な展開を詰め込むという神激の特色の一つを濃く反映した作品であると感じました
ほぼ繰り返しのない構成ですからねなかなか攻めた楽曲だと思います
三ヶ月連続配信シングル、他の二曲のレビューはこちら
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