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【神使轟く、激情の如く。】動乱の時、来たり【神奏曲:テンペスト】

こんばんはひいろです
今回は神使轟く、激情の如く。が2019年12月5日にリリースした三ヶ月連続配信シングル第三弾、『神奏曲:テンペスト』をレビューしていきます

はじめに

さて今作は何と言っても妖精かなめさんの覚醒を知らしめる楽曲でしょう
本格的にメンバーがシャウトするパートが組み込まれており、一連の三作品の中でも飛び抜けてハードな仕上がりとなっています

「複雑な展開」「歌」とそれぞれ別の持ち味に焦点を当てているように感じる前二作品をうけての今作はどストレートにジャンルの「作法」や「文法」を意識しそれに則った楽曲です
思わずニヤリとするお約束が満載で聞いていて非常にある種の気持ち良さを感じます

言ってしまえば非常に「ベタ」
ですが奇をてらわなくとも通用することの現れとも言えます
より一層の全体的なクオリティの向上を感じた本作を軽く見ていきましょう

本題

シンセがフェードインして楽曲スタート
途中から鳴りだす頭悪そうなキックの音がいい
お約束のように倍テンになってギターがイン
ストラップを長めにして低めに構えたギターで弾きたくなるお手本のようなリフで攻め立てます

ドラムは完全にメタルコア系統由来のフレーズで組み立てられています
『夏声蝉時雨』ではイントロはまだ4つ打ちベースのフレーズで組み立てられていましたが、2バスに乱打されるクラッシュシンバルと完全に「こちら側」

Aメロ突入
ブリッジミュートを絡めたリフを4小節→絡めないリフで4小節という構成で、それぞれ4つ打ち主体のドラムフレーズと2ビートの疾走フレーズを合わせてコントラストを形成しています
低音の効き具合が変わるので聴いていて面白い箇所

歌の方は1フレーズごとに担当者が変わるので結構めまぐるしい印象
フレーズ頭に二音節分の英語が合いの手気味に入るのでここをフロア側が被せるのも楽しいですよね

続いて昇竜拳パート
アイドル界隈でのお約束の一種なんですかね?
疾走ドコドコドラムに乗せてワンパン、昇竜拳と繰り出すセクションです
個人的には八の字ヘドバンのしどころなので一人だけ別のことをし始める箇所(大概いつもそう)

二回繰り返すと今度は折りたたみゾーン
「no!」「no!」と叫びながら掛け合い
「武器は自分自身」の箇所でかなめさんのシャウトが初出します
初聴時は一瞬誰が担当しているのか全く判別できず、あとで驚きました

キメ二回とゴリっとしたベースフレーズのおかずを挟んでサビに突入
二段階構成というか「爆音を鳴らし〜」以降がサビかもですが前段もまとめて扱いましょう、いつも通りの展開多い曲ですので

前段部分はいもこさんの「しゃらくせぇ」に「Tempest is coming there now」と掛け合いが入りますがこの掛け合い、一回目はよいことTiNAがキメてきますが、二回目がかなめさんのシャウトという構成
生で聴くとブチ上がりますね
キメが入るのもポイント高いです

後段部分は隠し味のシンコペーションが美味しいポイント
盛り盛りに多用されているのも大好きですが「爆音を鳴らし」の「鳴」付近でさりげなく採用されているというピンポイント使用もなかなかオツ

次いで「Braking Down」なイキりよいこラップ
ここは塗り潰すようなベースの低音が心地いい
PVで外車に乗って歌うよいこが可愛いのもポイント高いですよね

もう一度Aメロ
かと思いきやここは繰り返しではなく別メロディ
相変わらず凝ってる
前半と後半でギターのフレーズは変えずドラムパターンで違いを出していく仕上げで後半のドラムロールが熱い

昇竜拳パートを挟んで今度は高速ラップが炸裂
単純にめちゃくちゃ詰め込まれててよく出来るなとただただ関心
普通に読み上げるだけでも滑舌悪いと噛みそうになるくらい
バックの演奏は折りたたみゾーンとほぼ変わりがなさそうですが随分と印象が変わりますね、どんな歌が乗るかというのはやはり大きい要素です

さて今まで矢継ぎ早に攻め立て続けていましたがここで静の面を出してきます
いもこさんの歌唱が光るメランコリックなパート
ギターのコードストロークと単音のピアノが装飾
そのままあまねとTiNAにバトンタッチし演奏も再び熱量を上げていく感じに
意外とシンバルが乱打されています

しっかりデデッとキメを挟んでサビへ
またここもいもこさんのパートは一回目と微妙に違うメロディー
「誰にも媚びぬ音が好きなんだろう」
まさしくその通りで御座います

次いでお待ちかねのブレイクダウン
入りはギター右chが「デデデデデデデデ……」と八分、左chが深めにブリッジミュートをかけて「ズンズンズンズン」とダウンで四分音符で刻む感じ
ユニゾンじゃないのがまた細かい
キュインとピッキングハーモニクスを繰り出すと、つんのめるようなフレーズ構成gが続きます

『不器用HERO』の時ほどシンプルではありませんが『夏声蝉時雨』ほど複雑ではなく、丁度中間くらいの感覚
個人的にはこれくらいのあまりテンポ感を落とさないのが好みです

さてウインドチャイムとディレイギターが美しい演奏を背負いながらのこれまたメランコリックなパート
メタルコア由来の作法として、静と動の二面性がある構成を取り入れたりしますがここはまさにお約束を果たすセクションですね
ブレイクダウン後に配置されているのも高印象です
メンバーのゆらゆらしたダンスも見所

ここが覚醒したかなめさん最大の見せ場です
ウィスパーボイスを高まっていくドラムロールに乗せ、最高点に達した所で渾身のスクリームが炸裂
正直全くそういった方向性にスキルを伸ばすと思っていなかったので度肝を抜かれました
天に手をかざし咆哮しましょう

かなめさんの叫びを引き継ぎことのさんが歌い出します
この徐々に高揚していく持って行き方が素晴らしい
「幾度流してきたろうか」の「ろう」辺りの歌い方が個人的に好きです

フェードインギターと共にラスサビへ突入
やっぱりこの部分の「Tempest is coming there now」良いですよね
そのまま「大地を揺らして 神憑る」とさらに上昇
個人的に「大地を揺らして」の辺りでのあまねのダンスが可愛くて堪らないです
なんか一人だけみんなとフリがちょっと違いませんか?

いよいよ大サビ
神激の楽曲の中でも屈指の高音が続くメロディー構成です
みんな音程がキツそうで、そこが逆に歌の説得力を増しています
サラッと歌えちゃう音程よりも限界付近を出しているときの方がやっぱり訴求力が違うと思ってしまう、日本人なので

いもこさんとことのさんの歌声が重なると「これぞ神激」感が出ますよね
三笠とTiNAの「ほらもう大丈夫 苦難待とうとも」の温かく心強い部分も良い
最後に「共に突破して未来へ」と最高音を駆け上がりラストへ怒濤のごとく突入

イントロの疾走ハードリフが再びこれでもかと繰り出されます
都合八回繰り返しますが、七回目だけドラムが表打で2ビート疾走になるのがまた熱い
最後の最後まで手を抜かない見事な仕上がりでフィニッシュします

おわりに

さて随分と遅刻しましたが三カ月連続配信シングルをレビューし終えました
以前の楽曲群にこの三曲が加わった事で、より強力なライブを叩きつけられるようになったのではないかと感じています
「Tempest」を冠したこの曲が起こす大混乱を期待せずにはいられませんね

昨今の情勢からその魅力を発揮する機会を失っていますが、遠くない未来にまた攻撃再開する事を心待ちにしております
それではまた

三ヶ月連続配信シングル、他の二曲のレビュー記事はこちら


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