無精者と旅人の防寒着・インナーの話
こんにちはこんばんは。 どうもひいらぎです。
note上陸で早速のマトモ?なお話です。
1月ということで毎年恒例の寒波が到来し、このあたりもますます冷え込みと雪がてーへんなことになってまいりました。
私は仕事と趣味とで家にいる時間の方が短いので、現在の住まいはそれはもうボロッと効果音がでそうなほどのお部屋をかりているわけです。
安さ第一で借りたので雪国の断熱性皆無。ついでに防音性もない。
今時期は氷点下の外気温=室温。 冷蔵庫は大活躍。だっていれておかないと全部凍るのだもの…。
さて今回はそんな雪国から防寒着、なかでも一番下に着るインナーについてひとつ。
【もくじ】
1.インナーウェアとは、レイヤリングって?
1-1.服のレイヤリングのはなし
1-2.インナーウェアのはなし
2.いろんなインナーウェア、何が違う?
2-1.ヒートテックのはなし
2-2.ヒートテックをアウトドアでオススメできない理由
2-3.ヒートテック、アウトドアで使うには?
3.運動やアウトドアに使えるインナーとは
3-1.選ぶべきは化学繊維
3-2.無精者と旅人に勧めたい天然素材インナーウエア
3-4.インナーの下に着るインナーのはなし
4.まとめ
1.インナーウェアとは、レイヤリングとは
インナーウェアってここ何年かはすっかり定着したんじゃないでしょうか。
みんなのユニクロ「ヒートテック」の功績だと思います。
ユニクロが繊維メーカーの雄・東レと組んで世に売り出した吸湿発熱インナー。
調べてみると2003年から売ってるそうです。もう15年のロングセラーになってるんですね。
言ってしまうと「カッコイイ名前にしたモモヒキ」…と一応ひねくれ者なんでひとつ。
ということでインナーウェアとはつまりほかのウェアの一番内側。 パンツなんかを除いた肌にあてて着るウェア、肌着ということです。
なんでそんなわざわざカッチョイイ呼び方にしてるのか。
そこでレイヤリングなる単語が出てまいります。
1-1.レイヤリングのはなし
さって、そのレイヤリングとはなんぞですが、レイヤー・layer(層)と言葉が含まれているとおり、衣類を意図的に重ね着して効率よく快適に着こなそうという考えでして、アウトドアや登山業界では以前から普通に使用されている単語です。
どうしても外で遊ぶ場合、普段のおしゃれ着とはまた別に「快適性」「生存性」を高める必要があるわけですね。
例えば冬。寒いですね。 → めっさ着ればいいやん!っということで重ね着しまくればそれ当然それなりに温かくはなりますが、着ぶくれしすぎても動けない。
だいたいなんで服を着まくれば温かいのか?
それは衣類を重ねることによって「断熱性」を上げていること、つまり自分の発する熱を逃がさないことと、その熱を保持する、衣類の間に入ってる空気が保温してくれているから。
つまり衣類によって「発熱」「保温」「断熱」の役割をしっかり理解して担ってもらえれば、もっこり着ぶくれダルマ状態にならずともスラッとスマートに冬の寒さと対峙することができるのです。
これをレイヤリングと言います。
インナーを着て、ミッドレイヤーで保温して、アウターで断熱する。
今回はこの一番下で頑張ってくれるインナーウェアのお話です。
1-2.インナーウェアのはなし
さってさっき↑で「発熱」「保温」「断熱」がどうこう書きましたが、あえて書いてないのが「快適性」に関わる要素です。
インナーとは肌に直接触れるウエア。つまり快適性にダイレクトに関わるウエアです。
んじゃ快適性ってなんだよと言われますと、一番は冬の場合「温かい」かどうかになりますが、オールシーズンに通づる快適性として「通気性」と「速乾性」が出てきます。
いくら温かくても自分の汗や湿気で蒸れ蒸れなあげく、べったりしていつまでも乾かない!なんてことになったら不快ですよね? … 不快だよね? それがタマラン…というタイプの方はちょっとすいませんが。
ということでインナースーツに求められる性能とは「発熱」と「快適性(通気性・速乾性)」なんです。
2.いろんなインナーウェア、何が違う?
2-1.ヒートテックのはなし
そんなわけでみんな知ってるインナーウェア、冬場のもはやマストアイテム?ユニクロ・ヒートテックのはなしです。
実際アウトドア的にはどんなもんなのか。
まずヒートテックってそもそもどんなインナーなんだっけから入ります。
ま、とにかくお手軽価格ですよね。 アウトドアショップやスポーツ用品店でうごくためのインナーを見てもらうと、すごく…高いです…。
それに比べてヒートテック、なんと1000円以下で手に入る。お買い得!
が!しかし! ヒートテックは一部条件下以外お外遊びには全くオススメできないのです。
それはヒートテックそのものが「向いてない」から。
2-2.ヒートテックをアウトドアでオススメできない理由
なんでや!あったかいやん!というのはごもっともなんですが、そもそもヒートテックは素材にレーヨンという繊維を含んでいます。このレーヨンが肌から発している湿気を吸って温かくなるというもので、いわゆる「吸湿発熱」タイプの素材でありウェア。
極暖と超極暖というバリエーションもありますが、こちらは裏地に起毛してあるのと、素材のアクリル比率が増えており、より繊維の厚さを作り出して発熱だけでなく温かい空気を保持する「保温」効果をインナーとしても持たせています。
で、レーヨン。この素材、吸湿するのはいいんですが、すさまじく乾かないのです。
ちょっとぽかぽかした日にヒートテックを含めて重ね着した結果、汗ばんでペタッとヒートテックが肌に張り付いて…なんて経験ないでしょうか?
アウトドアの場合、濡れた衣服が肌に張り付くと、汗冷えという一番避けたい状態になります。温かくするつもりが思いっきり体を冷やしてしまうのです。
ということでユニクロ・ヒートテックはお外遊びなんかにはオススメしかねるのです。
普段着で使えるインナーウェアということですね。
2-3.ヒートテック、アウトドアで使うには?
上記の通り温かいのはいいがそもそも素材として運動することに向いてない。というか開発段階で想定に入ってないはずです。ユニクロですから。
そんなヒートテックがアウトドアで活躍する場面はというと・・・
・汗をかかない程度の運動をしない日
・汗をかかないレベルの極寒状態
であればコスパ最強のインナーウェアとして活躍してくれるでしょう。
ユニクロがかなり宣伝してましたが、数年前ユニクロのスポンサーを受け、ヒートテック超極暖をインナーとしてエベレストを見事登頂した南谷真鈴さんが話題になりました。
まぁエベレストクラスの標高だと寒すぎて汗はかかないのか、と言われるとそうではないんですが(登山なので)、結局のところ汗さえかかない運動量、または汗をかくことができない環境であればヒートテックはそのデメリットを抑えることができるのです。
ということで昨年2月ごろ、マイナス15度が当たり前の北海道を雪の中野営しながら各地を回った際はヒートテックの超極暖のインナーパンツを着用していました。
まぁ結局通気性は悪い方なので多少は蒸れるものの、汗をかかなかったので比較的暖かさを維持して装備を安くあげることができました。
南谷真鈴さんもエベレスト登頂時、ヒートテックだけではなくさらに「その下」に秘密があるのですが、後ほど。
3.運動やアウトドアに使えるインナーとは
さて、ヒートテックはやはりアカンよというところで、お次はやたらと高い専門用品はどうなっているのかというところです。
3-1.選ぶべきは化学繊維
ヒートテックの部分でも書きましたが、やはり衣類はその素材で大きく質が異なります。
ヒートテック」という名前の入った運動用のインナーがじつはありまして、これはパールイズミという自転車ウエアなんかを出しているメーカーさんが「ヒートテック センサー」という製品を出しています。
中身は全然違いまして、ユニクロ・ヒートテックの暖かさの秘訣レーヨンは含まれておらず、基本は他の化学繊維で「吸湿発熱」するが、速乾性や通気性にすぐれた化学繊維素材でできています。
衣服を構成する素材、羊毛だったり綿だったり化学繊維もPETとかたくさんありますが、アウトドア業界で採用される化学繊維でだいたい共通する特徴が「速乾性」でして、「ヒートテック センサー」は発熱して暖かさを得るが抜群の速乾性も持っているのです。 なんで寒い中運動に使用しても温かく、発汗しても迅速に乾いて汗冷えも抑えられる。 …なんで高いわけですね。
旅にしても、登山やアウトドアにしても、ある程度の発汗を見越す場合、化学繊維を主に作られたインナーウエアをオススメします。
ぶらり歩き旅や電車旅など、工程に余裕があったり運動量がそれなりとわかる場合はユニクロ・ヒートテックでも十分です。安いし。
同じ安さならワークマン等作業着店のインナーという手もありますが、「熱すぎる」場合もあるので着慣らして大丈夫そうか十分に検証しましょう。
3-2.無精者と旅人に勧めたい天然素材インナーウエア
先程「動くんならやっぱ化学繊維だぜ!」とか言っておきながら次項でさっそく天然素材を推しだしてますがいやすいません最後までどうか読んでくださいお願いします…。
そこまでしてオススメの素材。それは「メリノウール」です。
なんぞ?思われるでしょうが、名前の通りウール・羊毛なんですけど、その中でも一部地域で飼育されているメリノ種から採れるちょっとお高い羊毛なんです。
先に言いますが、やっぱり羊毛なので保水力が高く、乾きにくいので激しい運動にはやっぱりお勧めしかねます。
じゃなぜ旅に、ついでに「無精者」にすすめるのか。
それはズバリ「保温力」「通気性」「防臭効果」個人的に防臭効果が超高いこと!特に推したいその防臭効果!
もちろんウールの中でも上質な羊毛だけに着心地もスバラシイ。
旅とは時に自販機やコンビニも乏しく、立ち寄った温泉が軒並み閉業…休業日…。
コインランドリーは見当たらず、公園も公衆トイレも見当たらない…なんてこともあったり。
ま、つまりなかなか洗濯できなかったりお風呂にも困ったりするわけです。
そこでメリノウール!とくに私は靴下にメリノウールを入れて防臭効果を感じております。やっぱり数日履くとちょっと…となりますが、これが結構メリノウールだと違うのです。
羊毛なので吸湿発熱能力も高く、テントを設置した後さっとリラックス用のインナーをメリノウールに着替えて・・・1日の移動の後はちょっと体も臭うと思いますが、ウエアには少しでも臭い、残さない!
「無精者」と書いたのもコレ。部屋着に使うと温かいし数日洗濯しなくても平気だし、たまんないですね!(主に私みたいなのに)
まぁちょっち高い上に、羊毛なので洗濯も少し気をつかうものの、デメリットを補って余りあるメリットの数々。
ぜひ一度試していただきたい。特に!特に靴下を!(
3-3.インナーの下に着るインナーのはなし
最後にひとつ。
ユニクロ・ヒートテックでエベレストうんぬんの部分でもちらっと言っていた部分
「インナーの下に着るインナー」についてです。
もう結局お前服何枚着てんだよって感じになりますが、これがまた非常に大きな仕事をしてくれるウェアなんです。
ニッチすぎるのかほぼ登山やアウトドア業界くらいしかないんですけどね。(スポーツ系ではまだ見てないが知らないだけだろうか)
このアミアミメッシュなヤバい出で立ち…。
インナーの下のインナー。開発のフロントランナーであるファイントラック社が称したのは「ドライレイヤー」
写真はMillet(ミレー)というメーカーのドライナミック。見た目は超アグレッシブ。
着るとすごいですよ。完全にアレな特殊性癖に見えますが、いや、真面目に性能で選んで着てるんです…。
ドライレイヤーの名の通り、これの役割は肌からでる蒸気や汗を肌からとにかく遠ざけること。
直球変態チックな編み目構造はほぼ保水せずにストレートに水分やらを次のインナーへ渡します。
そしてこの編み目、結構厚みがあり、つぶれにくいので、例え汗をかいてインナーが濡れてしまっても、肌に濡れたインナーを触れさせず、汗冷えを防いでくれるのです。インナーのデメリットを一気に解消するすごい奴。
写真のミレーやファイントラックの製品が特に秀逸です。
最近作業服メーカーが類似品をかなり安く出していたので試してみましたが、全然だめでした…。
私としては特に上のシャツ型としたのインナー靴下。特に、特に靴下!(すごい靴下推しだな…)
ファイントラックのインナー靴下は感動するので是非とも!
値段はたしかに「うへぇ…」とシャツ上で5000円とかインナー靴下で2000円とかしますが、一度は試してもらいたい。長期行動で着たままでも快適さが断然違います!
ミレーのドライナミックの方が肉厚なので、より肌に濡れたインナーをつけたくない冬場はおすすめ。
ファイントラックはそれ以外のシーズンでオススメ。インナー靴下は本当にぜひ!
これ単品では変態度がマックスになるだけですが、通常のインナーと合わせることでググッと快適に。そんなインナーの下のインナーでした。
4.まとめ
はいそんなわけでレイヤリング、インナーウェアのお話でした。
たくさん着てるような書き方で実際寒ければ枚数は増えますが、最低限の枚数で最大限の保温性や機動性を考えてあるので運動も問題なし!
ざっとまとめると
・インナーウェアとは一番下にきる肌着のイイやつ
・冬場は取り入れることでちょっとした冷えを一気に解消
・素材に注意!運動するなら化学繊維の運動用やアウトドア用のものをなるべく選ぼう
・天然繊維もメリノウールはいいぞ。 特に靴下はすごくいいぞ。
・インナーの下に着るインナーは高いけど快適度がマックスに!
インナーウェアの素材を使い分けて普段と旅をはじめとするもっと快適にしていきましょう。
メリノウール製品はどうしてもどれもお高めですが、比較的安価なのがモンベル製品です。
日本人の体格向けなだけあってサイズや着心地もだいたい良好なので、とりあえずならモンベルで試しにどうぞ。
個人的には靴下などスマートウール社を愛しております。靴下は特に最高だよ!
ではそんなところで本日も靴下大好きひいらぎがお送りしました。
ひいらぎ