台湾ビギナーが令和元年台北に単騎突撃してきた記録 2日目前半~もっと嵐を呼ぶ秋刀祭~
しょっぱなから波乱含みだった台北旅行も2日目。
旅行のメインの目的、刀剣乱舞オンリー同人誌即売会「大漁追福~秋刀祭~」の当日です。
太郎太刀受中心でのサークル参加です。
台湾の同人誌即売会に出るのは当然今回が初。
会期いっぱい楽しみまくるぜ!そのためにはサークル入場開始と同時に入場して、一般入場開始前に本を買いまくるのだ(※)!!
……などと考えていたのですが。
(※)台湾の同人誌即売会では、ひとまず個人主催の小規模オンリーに関しては、会場前のサークル間での頒布行為は基本容認されているようです(FancyFrontier等の大規模即売会ではまた違うかもしれません)。少なくとも今回に関しては主催さんに事前確認取って、OKとのお返事をいただいてました。
世の中そんなにうまくはいかなかった。
(以降、終始非常にばたばたしていたたため、今回非常に画像少ないです。写真撮ってる暇などなかった……)
朝食はどこだ
台湾は朝食を外食する文化なので、朝から開いている食堂はあちこちにあるよ!
……と聞いていたのですが、いざ探してみると意外にない。
いや、日本に比べればだいぶ多いのは確かなんですが、半径100m以内にごろごろあるとかいうレベルでは流石にない。
それに土曜日だから週末休のお店も多い。
ホテルで周辺朝食マップはいただけたのですが、食べる所まではそこそこ歩くことになりました。
地図とにらめっこしながら一番近そうなところに行くと、饅頭屋さんの店先に何種類かの軽食が並んでいたので、ひとまずパック詰めの炒飯を購入。
しかし、店頭でかきこんで会場へ向かう頃にはだいぶ時間をロスしてしまっていました。
とはいえそれでも一般入場開始にはまだまだ間に合う時間。
急いで設営すれば間に合う!と、この時点では考えていました。
会場着!そして発覚する衝撃の事実
今回の会場は「台湾師範大学中正堂」。
字面で明らかなように大学の施設です。
調べてみたところ、台湾師範大学の体育館でした。
台湾の同人誌即売会は、大学の体育館でやるのが一般的らしいです……
台湾のコミケといわれる最大の即売会「FancyFrontier」でさえ、長い間台湾大学の総合体育館でやっていたのだそうで。
(東大の体育館でコミケをやってるようなものらしいです)
台湾師範大学の敷地内に入ると、既に一般参加の方々が列を作っていました。
サークル入場口では手にスタンプを押してもらいます。印刷されたパンフレットはないので(申込時のサークルカット提出もありませんでした)、これが入場証になります。
ちなみにパンフレットやサークルカットがないためもあってか、台湾の即売会では(少なくとも個人主催の女性向けオンリーでは)「スペースの譲渡」が日常的にあるようです。
Plurk(Twitter的なSNS)で「行けなくなったのでスペース譲ります!」とごく普通に流れているのにも驚きましたが、それを主催アカウント自ら拡散しているのにはもっと驚きました……
と、話が逸れましたが、ともかく会場内へ。
……本当に体育館でした。
緞帳の左右には師範大学らしいスローガンも書いてありますし……スローガンの下にあるお犬様マークがちょっとかわいいです……
スペースにキャリーバッグを置き、事前に日本から送ってあった宅配搬入の荷物を受け取りに本部へ向かいます。
……そう、今回のイベント、海外からの宅配搬入を受け付けていたのです。
ですが
荷物が届いてませんでした。
すぐに宅配担当のスタッフさんが調査してくださり、いろいろあった後荷物の所在は判明。
「午後までには着く、できるだけ早く届けてもらう」形になりました。
(※宅配搬入のあれこれに関しては、また後日詳しくまとめようと思っています。本当にいろいろありました)
とはいえ、敷き布も半分以上の本も宅配搬入の箱の中……
結局、手搬入で持ってきた一部の本だけで簡単にスペースを整えて、10時半の一般入場開始を迎えることになりました。
買い物!買い物!!
とはいえ、頒布物の大半がない状態でスペースにいてもしかたがない。
ならば今のうちに買い物だ!と、一般入場開始後速攻で買い物に走る自分がいました……
大太刀兄弟パラダイス
いち早く向かったのは、事前にPlurkでチェックしてあった、美麗な大太刀兄弟を描かれるサークルさん。
「太郎太刀が出てるの全部ください」を、事前にタブレットでGoogle翻訳に打ち込んでお見せしました……が、微妙に通じてない感じだったので結局「これとこれとこれと(中略)これください」で全部指差して購入することに。
イラスト集とか色紙とかポストカードとかポーチとか、とにかくあるもの全部買ってきました。
基本大太刀兄弟サークルさんでしたが、無配の名刺に蜻蛉さんもいました。
幸せです。
なぜそれがそこに
その後は各島を流し見しながら、興味を惹かれた本を試し読みしたり買ったりしていましたが……あるスペースに、如水庵さん(※福岡の和菓子屋さん)の「日本号&へし切長谷部熨斗」が飾ってあるのを発見。
お、未チェックのにほへしサークルさんが!と喜んで本をチェックしてみたところ……表紙を見ても値札を見ても、日本号さんも長谷部さんもいる気配がないぞ……あれ……?
珍しい日本のとうらぶ関連グッズ、ということで飾ってあったんでしょうか。スペース主さんに話を聞く勇気はなかったのでいまだに謎です。
生まれるつながり
そうして歩いているうちに、次の目的サークルさんのスペースを発見しました。
分厚いにほへし小説本を出されているサークルさんで、事前にPlurkでフォローしてチェックしていたところです。
表紙絵がとても素敵で、最悪中身が分からなくても表紙絵のために欲しい!あと多分、漢字だからなんとなく意味を読み取る程度はできるかもしれない……!
と、買う気満々でスペースを訪れたのですが
超絶恐縮されました。
「えっと、本当に大丈夫ですか!?」
「あ、あの、表紙素敵なのでぜひ買いたいです!」
「中身小説ですよ!?」
「心の目で読みますので!!」
「中見なくていいです??(本を開いて中見せてくださる)」
「あ、大丈夫です、Plurkでチェックしてますので!!」
この時点でスペ主さん何かを察したらしく、スマホをしばし操作した後に
「こちらの方です?(私のプロフィールページ)」
「……はい……」
「あの、よかったら友達(※Plurkでの相互フォロー的なもの)になりません……?」
繋がりが生まれた瞬間でした……
(ちなみに私、Plurkでこれが最初にできた友達でした)
そしてこちらのサークルさんも、やっぱり如水庵さんの熨斗を飾っておられました(笑)Plurkによるとイベントの直前に福岡市博物館の侍展に来ておられたようです。
お土産のお菓子も頂いてしまったのですが、差し出された箱の中身が(当然ながら)すべて日本産で、私が貰うのは少し申し訳なかったです。
結局森永のチョコビスケットをひとつ頂いたのですが、日本に生を受けて台湾に渡ったあげく日本人の胃袋で生涯を終えるビスケット君、数奇な運命をたどってんな……と思ったりもしました。
はじめての1冊
そうこうしているうち、11時半頃ようやく宅配搬入の荷物が到着しました。大急ぎで設営して頒布開始です。
……とはいえ、物珍しさで眺めていく人たちはそれなりにいるものの、なかなか手に取っていく人は少ないです。
スペースに掲げていた注意書き(「本は全部日本語です」「通貨に不慣れなので会計遅いと思いますすみません」などなど)を興味深そうに見ていく人はいるものの、やはり言語の壁は厚い……
と思っていたところ、ついに最初の購入者さんが現れました!!
たくさん並ぶ太郎太刀受本(※委託の本を大量に並べていました)をあれこれ見比べ、意中の本を差し出してくださいました。
お礼を言ってお金を受け取って……と、ここで問題が発生。
「年齢確認をお願いします」が通じない。
お求めの本、R-18だったんですよね……
簡単な日本語はご存知のようだったのですが、「年齢確認」はちょっと難易度高めの単語です。日本人でも、たぶん界隈外の方々には意図通じにくそうな表現ですし。
どうしたものか……と頭を捻ったあげく
「大人の本なので大人の証拠をお願いします」
でなんとか通じました。
(本来なら、訳文カードなど事前に用意しておくべきだったのですが。迂闊ではありました)
台湾の身分証明書は中華民国暦(中華民国の成立年=1912年が元年の暦)表記なので、お客さんは当初「これで大丈夫かな(汗)」という反応でした……が、これは主催者さん側から「民国暦90年以降生まれが18歳未満です」と参加案内で事前周知がありました。おかげで問題なかったです。
本当に今回の主催さん、色々な方向での気配りがすごかったです。
ともあれ、そうしてなんとか最初の本が売れました。
出やすい本、出にくい本
その後もスペースに座っていましたが、やはり言語の壁は厚く、興味を持っても手に取ってくださる方はなかなかいない印象でした。
ただ、そんな中でも、興味を惹きやすい本とそうでない本があるのがわかってきました。
今回台湾の即売会に参加するにあたっては、「現在日本で手に入る太郎太刀受の漫画本全種持って行く!」くらいの勢いで周囲に委託の声を掛けまくり、多彩なバリエーションの本を取り揃えて持って行きました。
そのため、傾向の違いがわかりやすかったように思います。
まずは出やすかった方から。
○薄めの全年齢ストーリー漫画
通りすがりの方々の興味を、圧倒的に惹きやすかったのがこちらでした。
ストーリー性を感じる表紙や綺麗なキャラクターなどが、とくに目を惹きやすいようです。
○薄めのR-18本
全年齢ストーリー漫画ほどではないですが、興味を持つ方は多かったように思います。
逆に、以下は出にくかったです。
×ギャグ本
厚さ、絵柄を問わず、ほとんど手に取っていただけなかったです。
笑いのツボは、言語的・文化的な要因で大きく異なってくるからでしょうか……
×厚い本
分厚いアンソロや合同本も興味を惹きにくかったです。
値段的な問題だったのか、他言語のページをたくさん読むのが辛いと感じられたからなのか、小説が一定ページ混ざるのがよくなかったのか、それらの複合要因なのか、まではわからないですが。
×小説本
説明は不要かと思います……
ともあれ。
設営のあわただしさも一段落し、諸々のばたばたが落ち着いてきた頃、スペースにスタッフさんがやってきました。
お昼ごはんを携えて。
タピる。同人イベントで。
実は今回のイベント、お昼ごはんのサービスがありました。
地元のパン屋さんのランチボックスを限定30食。事前にフォームで注文しておくと、当日スタッフさんがスペースに届けてくれるというものです。オプションで飲み物もつけられます。
が、その飲み物の選択肢が
タピオカミルクティーとタピオカハニーティーの二択でした……
それも、ちゃんと地元で知られたお店のものらしく。
同人イベントでタピる!タピれる!!というあまりの事態に、速攻で注文を決めました(ミルクティーとハニーティーどちらにするかは大変悩みまくりましたが)!!!
そしてとても楽しみにしていたのですが
本当に来ましたタピオカミルクティー……(※結局ミルクティーの方にしてました)
そしてパンの方も
とても可愛い箱で来ました。
中身も可愛い。
タピオカミルクティーは「砂糖少なめ・氷少なめ」の統一仕様でしたが、パンともどもとても美味しかった!
こうなるとハニーティーの方も気になります。注文可能総数には上限があるようでしたし、イベント中にあまり水分摂りすぎるのもなあ、と思って控えてましたが、飲みたかったなあ……
国際交流、国際じゃない交流
その後はしばらくスペースに座っておりました。
相変わらず本の出は鈍かったのですが、手に取っていただく一冊一冊にドラマがありました……機会が希少なだけに、言葉の壁があるだけに、ひとつひとつの出会いが劇的でした。
思い出せる限りのハイライトを。
マイナーすぎて感動される
岩融×太郎さん本と三名槍×太郎さん本を見た髭切さん&まんばちゃんに「こちらでは全然見たことのないカップリングなので感動しました!」とお言葉いただきました。
……確かに台湾方面では、太郎さん関連って次郎さんとの組み合わせしか見てないですね……
「日本でも少ないです!でも蜻蛉さん×太郎さんはちょっと多いです!!」とかなんとか熱く解説した記憶があります。
異郷の旅人
辺りを歩くコスプレさん、凝った方々が多かったです。
そんな中で真剣乱舞祭2018祭衣装の村正派お二人を見つけ、推し主張のため首にかけていた蜻蛉切マフラータオルを振ってみたりしました。
すると先方もこちらに気付きスペースに来てくれたのですが、注意書きを読んで驚いた様子で
「台湾に来てくれてありがとう(日本語)」
と言ってくださいました。
その後ちょっとしたお菓子交換などもしました……
お二人に限らず、注意書きを見て「この人日本から来たのかー」と関心を持ってくださる方はちょくちょくいらした感じです。
ここどこだっけ
スペースでなにやら考え込んでいる小夜ちゃんがいました。
中が気になるのかな?と「試し読みファイル(※)こちらですー」と案内したところ
「途中までは持ってるんですがねー(日本語)」
とお答えが……あれ?
そして結局R-18の本を購入していただいたのですが、年齢確認をお願いして出てきたのは
日本のパスポートでした
こんなこともあるんですねえ……
台湾ドルで受け渡しをするのが、なにやら不思議な気分でした。
(※)台湾の即売会では、R-18本のR-18部分を自由に見られる状態にしてはいけないので、非R-18ページを集めた試し読み用ファイルを用意していました
とかく言葉はままならず
通路の人通りも落ち着いてきた頃、再度買い物に出かけました。
朝のうちにはゆっくり見られなかった未チェックサークルさんを見て回りましたが……そこでちょっとした行き違いが。
大変美麗な金属製しおりを、ほぼ全刀剣男士分展示しているサークルさんがありました。
どれを買うかさんざん迷いまくったあげく、蜻蛉切と太郎太刀を購入決定。ひとつ150元とあったので、しおりと300元をお渡しして待ちます。
……が、一行に会計が終わる気配がありません。
サークルさん何か言いたげなご様子……
何か不備あったのかな?とスペースの案内文を読み返してみても、繁体中文なので細かい条件等がよくわからず……
しばし気まずい空気が流れた後で判明したのは、支払いが20元足りなかったという事実でした。
追加でお支払いしてなんとか双方にこやかに終われたのですが、自らのコミュニケーション力の低さを実感したできごとでした……
多分私が何かの条件を読み落としていたのでしょうが、言語が分からないとほんと、こういう細かい齟齬があった時に手も足も出ません。
言語能力大事です……
幸せの赤い提灯
そうこうしているうちにイベントも終盤に。
「秋刀祭」という名の通り、イベントは祭りをイメージしていて、イベント会場には提灯が飾られていたのですが、こちらが各サークルさんに配られました。
提灯にはランダムに当たりくじが隠されていて、当たると景品がもらえる趣向になっています。
私も自サークルの名が入った提灯を頂いたのですが
……なんと、あたりました。
景品は地元の和菓子店さん提供による、刀剣男士イメージ和菓子。
私は小烏丸が当たりました。
このほかにも主催さんからサークル向けにお土産のお菓子が配られたり、記念グッズをいただけたり、とにかくいろいろいただきました!
このほかにもコスプレスペースの方で色々催し物をやっていたようなのですが、一人参加だったのでそちらの方はチェックできませんでした。無念。
そうして、盛況のうちにイベントは終了しました。
平穏のうちには終わらない
イベントが終わり、あとは撤収するのみ……と思いきや、ここでまた問題が発覚。
諸々の事情により、会場から海外向けの宅配搬出が利用できない事態に陥りました。
会場で送れないなら、会場外から送るしかありませんでしたが、あいにくこの日は土曜で休日……。
幸い私は月曜まで台湾にいる予定だったので、いったんタクシーでホテルまで荷物を持って帰り、月曜朝に郵便局から送ることになりました。
そしてタクシーで西門のホテルまで戻り、怒涛の一日はようやくここに終わりを迎えたのでした。
終幕
ホテルで一服しながら、いただいたお菓子類を整理してみれば、思い出は色々と蘇ってきます。
左上の森永ビスケットが、侍展のお土産に頂いたもの。
右上の黒っぽいのが、抽選で当てた小烏丸イメージ和菓子(写真が暗くてディテールあんまりわかりませんが)。
チョコバットはお隣の日本サークルさんからいただいたもの。
中央下のパイナップルケーキは主催さんからのお土産。
などなど。などなど。
本の一冊一冊、お菓子の一つ一つ、出会いの一つ一つにドラマがあった、波乱万丈ながらもとても楽しいイベントでした。
そして、日本サークル向けに開催前からきめ細かな情報発信や、各種サービスの案内をしてくださった主催様には、本当に感謝してもしきれません。
この日関わり、出会い、お世話になったすべての皆様へ、ありがとうございました!!!!!
ちなみにPlurkには、主催さんが立てた秋刀祭感想集積スレッドがあります。
こちらを見ていただければより当日の様子がよくわかるかと思います。
文は繁体中文ですが、写真もたくさんあります!
そして中山へ
イベントが終わったとはいえ、まだまだ旅は終わりません。
この日は夜に京劇の観劇を予約してありました。ホテルで一服した後は、ハンドバッグだけを携えて中山の街へ。
そして京劇以外にも、中山へ向かうひとつの理由があったのでした……
【2日目後半へ続く】
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