有償講評ジャンキーだが、そろそろ最強の感想サービスについて語る時が来たようだ(前編)
最強の感想サービスを推しまくりたい
こんにちは、有償講評ジャンキーです
はじめましての方ははじめまして。なじみの方はこんにちは。五色ひいらぎと申します。
アマチュアWeb小説書きを、オリジナルに限れば3年、二次創作も含めれば13年ほどやっております。
歴が長い以外は、普通によくいるWeb小説書きだと思います。
1点、他のアマチュア書き手さん方と異なる点があるとすれば「有償講評を高頻度で利用している」ことでしょうか。
本気度の高い公募へ応募する際は、毎回のように依頼しておりますし、それ以外でもしばしば利用しております。
実際どの程度使っているのか、ココナラの履歴を掘り返してみたところ、2023年上半期だけで計5件・85494円分依頼しておりました……あらためて確認してみるとほんとに多いですね。ちなみにココナラ以外でも依頼していますので、実際にはこれよりさらに増えます。
初めて有償講評を依頼したのは2017年4月でしたが、以来、年を追って回数も金額も増加傾向にあります。
ここまで激しく有償講評を利用している自分、もはや「有償講評ジャンキー」と自称してもいいんじゃないかと、自嘲半分に思っております。
で、今回は。
そんな自分が「最強」と思っている感想サービスをご紹介……といいますか、全力の強火で推しに参りました。
最強といっても尺度は色々ありますが、今回ご紹介する感想サービスに関しては「感想の精度」「指摘の品質」「文量」について圧倒的で、他の追随を許さないと思っております。
(実のところ他の要素……「納品スピード」「公募前提での指摘」「出版系の業界知識」に関しては、別途最強と思われる方がおられますので、場合に応じて使い分けております)
そしてなにより。
私自身がこちらの感想サービスで「結果を出せて」おります。
こちらでお世話になった拙作「笑顔のベリーソース」が、カクヨムWeb小説短編賞2022(カクヨムコン8短編賞)にてエンタメ短編小説部門短編賞を受賞しました。
受賞作は、こちらの感想サービスのおかげでクオリティが爆上がりしたと感じております……感想を受けての改稿がなければ、3/10284の倍率を突破することはなかったでしょう。
実のところ、本記事は受賞のお礼も兼ねております。
※ 公募への応募を前提とした感想サービスではないのですけども
という次第で、本当に足を向けて寝られないほどお世話になっているこちらの感想サービス。
ここから全力で推して参りますので、しばしお付き合いいただければ幸いです。
どこがどう最強なのか
そもそもどんなサービスなのよ
内容については、実際のサービスページ(FANBOX内)を見ていただくのが一番早いと思います。
今回ご紹介する最強の感想サービスこと「フィンディルの感想(以下フィン感)」について、概要をざっくりまとめます。
依頼は無料で可能
ただし支援を受け付けている。継続して依頼する場合は支援を推奨。有償支援に応じたオプションが利用可能
1万字以内で完結している短編のみ応募可能(文字数は有料オプションで若干の緩和可能)
感想の文量が非常に多い(通常1~2万字、細かいところ=校閲風オプションが付くと5万字を超える場合も)
褒めと指摘のバランスは考慮しない。数万字のほぼすべてが指摘ということも珍しくない(というか非常によくある)
上記仕様で、具体的にどこらへんがどう最強なのか……
という話をする前に、まずは独自システム「方角」について触れておこうと思います。
方角ってなんぞ
方角はフィン感の独自システムで、「各作品が向いている面白さの方向性」を示しています。
北が大衆的(エンタメ的)、南が抽象的、東が実験的、西が昇華的(純文学的)……という定義で、例えば「北北西向き」だと「メインはエンタメでありつつ、純文学風味がちょっとある」のような作品を表しています。
詳しくはサービス内の解説を読んでいただければと思います。
なぜこの話を先にしたかといえば、先に挙げた「フィン感の最強ポイント」に、この「方角」が深く関わっているように、私は感じているからです。
で、結局なにがそんなに良いのか
さきほどフィン感は「感想の精度」「指摘の品質」「文量」で最強、という話をしました。
この3つ、いずれにも、フィン感特有の「方角前提のロジック構成」が色濃く反映されています。
具体的には、通常よくある感想サービスとフィン感のロジックを比較すると、以下のような感じになります。
【通常の感想サービスのロジック】
・この部分のキャラの言動が、以前の発言と矛盾しているので修正すべき
【フィン感のロジック】
・この部分のキャラの言動が、以前の発言と矛盾しているように思われる。キャラクターの発言が一貫しないことで心情や思考の揺れを表すことは、西(純文学的)や東(実験的)の場合は限定的な条件下で効果をあげる場合がある。が、本作の方向性は北(エンタメ)である。エンタメの場合、論理的に一貫していることが重要なので、読者に混乱を与え読書体験を損なう可能性が高い
私はフィンディル氏本人ではないので、上記例は実際のフィン感とは違っている部分もあるかと思いますが、概ねこんな感じだと思います。
要は、一般的に欠点とされる部分でも、それをただちにダメな所と判定はしないのですよ。各方角から見た場合の可能性を考慮したうえで、「この話の方向性を考慮すると、こちらの方がより魅力的になるのではなかろうか」という指摘が初めて出てくる。
指摘箇所のそれぞれについて、このような感じで続いていきますので、自然と他の感想サービスより文量がかなり多くなります。
また、各方角から検討したうえでの指摘となりますので、指摘自体の納得感も高いです。少なくとも、私自身がいただいたフィン感について、極端に的外れと感じた指摘はいまのところありません。
向いてる人、向いてない人
そんなフィン感ですが、人によって向き不向きは明確に分かれると思います。
以下、向いていなさそうな人、逆に向いていそうな人について挙げておきます。
【向いていなさそうな人】
・褒められたい人
大抵の場合は指摘事項の方が圧倒的に多くなるので、褒められたいという人には向いていません。
感想申込時の注意書きにも「とにかく自作を褒められたい方は別の感想書きをあたりましょう!」と明記されております。
・指摘を受けると心が折れる人
大量の指摘事項が来るので、心が折れる可能性は高いです。
もちろん言葉は丁寧ですが、量が半端ないので……。
感想申込時の注意書きにも「数万字にもなる感想の内容ほぼ全てが指摘であっても受け入れられますか? 問題ない! 大丈夫! という方のみ応募してくださいね!」と明記されております。
・書き始めて間もない人、伸びしろがまだまだたくさん見えている人
伸びしろが自分で見えているうちは、フィン感の価値はなかなか見えづらいと思います。
一方で、壁に当たっている時には多面的な視点から壁を壊してくださるので、壁にたどり着いてからの方が真価を発揮するように思います。
【向いていそうな人】
・自分で自作の改善点を見つけられなくて困っている人
私のことですが(笑)、自作を見る目がどうしても甘くなりがちで、改善点が見つけられなくて困っている……そんな人にはぴったりでしょう。目を鍛える意味で、非常に有意義だと思います。
・自作の質向上が頭打ちになっていると感じている人
前項目とほぼ一緒かもしれませんが……質向上のため、技量向上のため、向上のヒントが得られる確率は高いと思います。
技量がある程度上がってくると、周囲からいただける感想はほとんどが褒め言葉になってきます。それ自体はとてもありがたいのですが、改善点は見えにくくなってきます……そんな状況に、フィン感は風穴を開けてくれます。
・エンタメ以外の方向性を目指している人
一般的な感想サービスはエンタメ前提のことが多く、方角で言う「北」向きを前提に話が進みますが、フィン感ですと他の方角の可能性も考慮していただけます。
自分が書いているものは一般的エンタメではないかもしれない……となんとなくお感じの方には、自分の向き位置を見定めるのに有用だと思います。
以下、後編に続きます
前編ではフィン感の概要と、どこらへんが凄いかについて説明しました。
後編では、実際に私自身がどんな感想を受け取り、どう活用したか、といった実践的な部分についてお話しようと思います。